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ハイハイは羞恥心より強し

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前回のあらすじ

橋本に出会って責任取るって言ったけど変な意味に解釈されたままどこかにいつてしまったよ!
これはまずい……
結局誰も助けてくれないのでハイハイで教室を目指すことになりました……足腰がダメなんでね

以上
✄-------------------‐-------------------‐------✄‬
やばい周りが引いているような気がする
通る人がハイハイしている自分を見ては引いた顔や驚いた奴、笑っているやつなど様々な顔をしながら横切るんやけど

もう羞恥心なんて無くなりそう……いや消えたな

何かが吹っ切れた気がした……いや吹っ切れちゃダメだと思うが

当たりを気にせずにハイハイしていくとやっと教室が見えてきた。よし、やっとだと思った瞬間体がふわっと軽くなった

『へっ……?』

思わず声が出てしまった。何が起こっているのかわからず、体が動かなくなってしまう

「やっぱお前は面白いなすぎゆー」

聞き覚えのある声に意識が遠のいていたが、戻ってくる。相手の方を見ると涼さんだった

「お前ずっとハイハイしてたのか?」

A,はいそうです

面白そうにこちらを見る涼のことは気にせず、自分がなぜ抱き上げられているのか教えて欲しい。しかもお姫様抱っこなんだよ

『あのぉ……下ろしてくだっ』

「すぎゆーはさなんてハイハイしてたの?」

この人いつも人の話横切るな

『足腰が立たなくて……』

「へぇー……でも栗花落がいただろ?」

『どこかに走っていきました』

「そっか……じゃあ生徒会室へ来いってことも知らねぇーの?」

そんな話初めて聞きましたなんて言ったら栗花落さんが酷い目にあってしまいそうだからここは何とか誤魔化さないと

『は、走る前に言ってたと思うですけど走っていくことに驚いて忘れました』

「ふーん……嘘じゃねぇーだな?」

『は、はい』

「ならいいや」

な、なんとか栗花落さんのこと誤魔化せたかな?
じっと相手を見ていると視線に気づいたのかこちらを向いてはにっこりと微笑む。

イケメンは何しても様になるなぁ
いや、和んでる場合じゃない。自分はこのお姫様抱っこ状態から脱却しなきゃ行けないんだ!

でも脱却したところでハイハイに戻ると考えてしまうとその状況を受け入れるしかない

諦めてしまうと相手は歩き始める。どこに向かうのか不思議そうにしていると生徒会室という文字が目に入った

『あの……どちらに行かれるんですか?』

「生徒会だ。昔は生徒のためのやつだったらしいけど今は違う……俺らの組が学校の方針を決める場所だ」

『組…………?』

「そう……俺ら一組ひともんじぐみのな」

『……ひともんじぐみ?』

『頭が変わる事に名前が変わるんだ…今は俺だから一組』

この高校のルールはそうなっているのか……

理解したはいいがこの状況は色々とやばいんじゃないか!?

頭にお姫様抱っこをされる杉田結衣16歳





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