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愛とは狂気
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「あぁ……暇だなぁ」
俺は今年から大学に通うため、都会に引越ししてきた田舎者だ
引越してきたばっかりでまだ部屋の整理ができておらず、テレビすら見れない状況のため携帯を取り出しては、最近ハマっている体験談ブログを見るかと思い、ネット検索をしてなにか面白そうな体験談がないか検索しているとある体験談が目に入った
その内容はあまりにもフィクションにしては出来すぎてると思うほどの内容だった
それでも読み始めては、止めることが出来なかった
今から話すのは俺、岸田 薫(仮名)に実際に起きた事です
当時の俺は中学二年生で、テニス部に所属していて朝から晩まで部活をしていました
日が暮れて、部活が終わると友達の石田と一緒に帰っていた時のことです
この時にあんなことを言わなければ……よかった
そう今も思うんです
いつも通りに帰り道を友達と帰っていた
帰る際に家族の愚痴をこぼす
「毎日さ、宿題やれだの掃除や家事手伝えって言われてもう……めんどくさい」
『まぁ、しょうがないんじゃない?だってお前長男だろ?』
「それはそうだけどさぁ……それに妹に汗臭いから近寄るなって言われた時は傷つくだ
ろ」
『それは傷つくなぁ……』
「もう家族と一緒にいたくない」
他人の愚痴なんて友達以外聞いていないと思っていました……
周りは林や田んぼ、人がいる気配もしない
``だから、きっと友達以外聞いていないと思っていた´´
友達に愚痴を聞いてもらうと何だかスッキリした気がした
やはり、人に話を聞いてもらうのは良い事だなと思いながらいると後ろの林の茂みからガサガサと音がした
不安に思い、顔を向けるも何も見当たらない
たぬきか猫かな?と思いながら友達の方を向いた
友達は特に気にしてないような様子で自分を慰めてながら「それでも家族が好きなんだろ?」と聞かれた為、頷くと頭を撫でられた
「ちっ…」
微かな誰かの舌打ちが聞こえた気がしたが自分の幻聴だろうと思い気にしなかった…
それより友達の優しさに泣きそうになる
友達の石田は優しいやつで俺より身長が高いし運動神経いいからモテる……うやらましいとは思ってない……たぶん
そんなことを考えているとあっという間に友達と別れるいつもの場所に着いてしまう
ありがとうと相手に伝えては、その場で解散をする
帰る途中に普段電柱辺りに鴉がいるはずがないのだが、今日だけは何故か不気味に感じた
今日はなにか不吉なことが起きるのではないかとそう思ってしまう
早めに帰ろうと思い、早足で家に帰る時に誰かの吐息が聞こえてた気がして
早足から走りに変わり、慌てて家まで全力で帰る
家に着くと玄関は電子ロック式の鍵なので暗証番号を入れるとドアが開き、扉を引きながら中に入る
靴を脱いではリビングに向かう
リビングからは笑い声が響いていた
その声に安心した気がした
リビングのドアを引いて中に入ると「おかえり」と家族から声をかけられる
「ただいま」
と返事する
あぁ……家族のことバカにしたのは良くなかったのかもしれないと少し後悔する
そんな中、妹が険しい顔でこちらを見つめているので自分も不思議そうに妹を見つめる
『お兄ちゃん……汗臭い!』
急に口を開いたかと思ったつかの間、言ってきた事は人が傷つく言葉だ
前言撤回だ、やっぱり一人がいいかもしれない
傷ついた自分を親が励ましながら風呂に入るように言われる
はぁ……とため息をついたまま、風呂に入る
軽くシャワーで汚れを落とし、体を綺麗にすると傷ついた心が回復するかのように癒される
風呂に浸かる
「ふぅ……」と息を吐いては背伸びをする
その時にゴンッドンッと何かぶつかった音がした
また妹がなにか投げてしまっているのではないかと思った
妹は思い通りにならないとものを投げてしてしまう癖があり、いつもの事かなぐらいしか考えていた
この時におかしいと思っていれば……あんなことにならなかったのではないかと今でも思います
風呂に浸かっているとのぼせそうになり、慌てて風呂から出ては洗面所に置いてあるバスタオルを取り出す
バスタオルで体を拭いていると何処からか薬品のキツイ匂いがしては父親の薬品かと思った
その理由も父親が薬品の会社に勤めているせいだからだ
でも心の底から何故か嫌な予感がしてしまう
慌てて服を着て、リビングに向かう
リビングのドアを引こうとするが、怖くて引くことが出来ずに変に汗が出てきては頬に伝う
もし……いやそんなわけが無い
だって………あの音は妹のせいだろう
……いつものにぎやかな声が聞こえないのはなぜだ?
眠くて寝てしまっているんだろ!…きっと
そう自分に言い聞かせては、意を決してゆっくりドアを引く
「風呂上がったぞ!ほら、誰か……」
目の前に広がるのは父、母、妹が泡を吹いて床やソファーにぐったりしている姿だ
その状況は自分が何度でも言葉をかけても返事をせずにピクリとも動かない母達が今でも目の裏に焼き付いて離れないんです
怖くて、言葉しか出すことが出来ない
足がすくんでその場に佇んでしまう
た、助けなきゃと思う半分、逃げなければならないと思ってしまう自分がいる
目が母達からそらすことが出来ず、瞼も閉じることが出来ない
目が乾いてしまったからか悲しみで出てきてるか分からないが何故か涙が溢れた
その時、緊張の糸が切れた音がした
その途端「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」や「うわぁぁぁぁぁぁっ……!」など奇声をあげてしまう
もうよく分からなくなってしまうそんな時に後ろから足音がした
トンッ……トンッ……トンッ…
靴音がどんどん近いてくる……こちらに向かってきていることが分かる
俺の家族以外いないはず……親戚なんて来るはずない
他にうちの鍵を開けることが出来るやつなんていない
じゃあ……誰だ?
分かりきっているのに考えることが出来なかった
だって、その答えは自分に害をなすからだ
振り返ることが出来ずに母達を見つめている
『酷いじゃないか……お客さんがきたらでむかえなきゃ』
聞き覚えのある声で疑問が浮かぶ
その声はよく女子からキャーキャーと叫ばれている人物で自分とは接点がない奴だからだ
だが、声でまだ判断してはいけないと思った
もし自分が考えている相手だとすれば、何故彼がここにいるんだ?
疑問が頭の中をぐちゃぐちゃにするため、気分が悪くなる
『ねぇ……いつまでつまらないもの見てるの?』
そう言われて、背筋が凍るような寒気を感じる
こいつ……頭おかしい…やばい逃げなきゃ
逃げることを考えていると相手に肩を掴まれては相手の方を向かされる
自分が予想していた相手だった
なんでここにいんだよ
おかしいだろ……
目の前にいたのは自分の中学で優等生で今年新しく生徒会長に任命された吉田だ
同い年でも話したことは一度もなく、まじで接点がない
そんな奴がここにいるんだ?
疑問が疑問を生み出して、さらに気持ち悪くなってしまう
『ふふっ……可愛いなぁ…薫は』
にこにこした顔でこちらを見ては、自分の頬に手を添える
その手には血が付着していた
その血の匂い耐えられず、ついに吐き出してしまう
吐き終わると相手を見る
相手は満面の笑みで見つめている
恐怖でこいつから目を離すことが出来ない……いや、目を離したら殺されてしまうんじゃないかと本能で悟ったきがした
『あぁ……綺麗…でも吐いたもの勿体ないなぁ』
勿体ない?……何が?
相手の思考がよく分からない
『あっ……見とれてる場合じゃないんだ…そろそろ時間だから行こう?薫』
「ど、どこに……」
『ふふっ……秘密だよ』
「…………なぁ…お前がやったのか?」
やっと相手の前で声を出すことが出来たために念の為に聞いた
聞いても相手しかないと思う
『……そんな怯えた顔でこっちを見ないで……興奮するじゃないか』
相手は笑顔でいる…そして何故か下半身は大きな膨らみをしていた
まじで頭が狂ってる
『……あぁ…これは気にしないで……えーと…さっきの質問の答えは``はい´´だよ』
笑顔で答えた相手を見ては恐怖でまた吐きそうになるがこらえた
「……お前はなんで母さん達にこんなことしたんだよ!」
心のうちをぶちまけた
『……だって、薫は一緒にいたくないって言ったから消してあげたんだよ?……あぁまだ消してはないか』
「けす……?なんの事だよ」
『……友達…確か石田って言うんだっけ……あいつと話していたじゃないか……``もう家族と一緒にいたくない´´って』
相手の言葉に衝撃を受けてしまう
確かにその話をした
だが、その場には石田以外誰もいなかった
だけど、林で物音がした
物音の正体が吉田で話を盗み聞いていたのか?
何故?どうして?
『……また上の空になっちゃって可愛いなぁ』
「……お前の目的ってなんだよ」
『ん?薫の恋人になることだよ?』
意味がわからない……恋人になるなら告白すればいいはずだろ
なんで人の親や妹殺す必要があるんだ
「なんで……殺すんだよ」
『薫が一緒にいたくないならこれからも一緒にならないようにする為だよ?』
『可愛い薫……妹にもの投げられて……そのせいでアザが出来たことは許せなくてあいつの顔面殴っちゃった』
…………
『計画じゃ……無傷でやるはずだったのに……はぁ』
もう考えることを諦めた
自分が言ったことのせいで親や妹が殺されてしまった
愚痴なんてこぼさなければよかった
涙で顔がぐちゃぐちゃになってしまう
相手が近づいてきては唇を重ねられるがもう抵抗できない
したって意味がないと思うってしまう
あぁ、このまま死のうと思った次の瞬間ドンッと音がすると同時に体に力が入らなくなってしまう
目が閉じてしまう
助けて神様……こいつから早く解放してくれ
次に目が覚めたのは、白い天井が見える所でした
その場所は病院の一室で周りには祖母や祖父がいた
目を開いた自分を嬉しそうに泣きながら手を握ってくれた
『よかったわぁ……本当に』
祖母が嬉しそうに話していた
あの悪夢は夢でないかと思った
母達が見えないので祖母に訊ねる
『ショックで忘れてしまったのね……お母さん達は強盗に放火されて死んでしまったのよ』
はっ……?放火?何言ってんだ
あれは薬で吉田がやった事だろ
状況が上手く掴めていない自分は何が起きているのかさえ分からなかった
祖母と祖父が心配してずっといてくれたが、警察が状況を把握するために祖父と祖母を連れていく
すれ違いで入ってきたのは友達の石田だ
『……よかった…お前が無事で』
「なぁ……石田…どういう状況だ!?……なんで母さん達が放火で死んでるんだよ」
『俺も詳しくは知らないが……あの日、お前と別れたあとに消防車がサイレン鳴らしながらお前ん家の方向に向かうの見て、もしかしたらって……慌ててお前ん家に行くとすごい火が上がっていて……隣の家にも移りそうだった』
まじで放火されたんだとしたらなんで……そんなことを……
ふと頭に思い出す
《計画じゃ……無傷でやるはずだったのに……》
…もしかして吉田がやったのか
放火も計画の範囲だとすれば……
「……なぁ石田……なんで俺生きてるんだろうな」
『お前は吉田が必死に助けたんだよ』
「へっ?」
『……あの時の吉田かっこよかったな…お前を助けた後、犯人捕まえてさ』
……おかしい…おかしい……あいつが犯人なのになんで違う人が捕まってるんだよ
石田は俺が混乱していることを察したのか状況を話し終わると帰ってしまった
祖父と祖母が警察と共に来ては「ご愁傷さまです」と声をかけてきた
「大丈夫です……それより犯人は?」
『……現場にいた平塚という男が岸田さんの家にガソリンをまいて火をつけたという近隣住民が目撃しています』
「おかしいです!だって……家に吉田が……いたはずなのに」
『多分……あなたが見かけたのは助けた時だと思います』
なんで信じてもらえないんだ
クラスメイトがお見舞いに来ると心配の声と同時に吉田を賞賛する声が多かった
おかしい……周りに言っても助けた人に失礼だの恩を仇で返すのかと言われてしまった
この世で味方は誰もいない
初めて……そう感じました
病院を退院する時、中学を転校してこの地域から遠い所の親戚の家に滞在して彼から逃げ出しました
今でも家族には申し訳ないと思っています
何故こんなことを体験談に書いたのはあなたの身近におかしい人がいるかもしれません
その人を見かけたら逃げてください
私はもう……逃げられません
最後の言葉に引っかかった
何故逃げられないって断言しているのだろうか
もしかしたらこの体験談を書いている人はもうその吉田と言うやつに………………
-------------------‐-------------------‐------
長文失礼しました!
なかなか難しい題材を扱ったので誤字脱字がすごいかもしれません
こっそり教えていただくと助かります!
いやぁ……もし最後掴まってしまったとしたら彼はどうなってしまうんでしょうね
これ以上書くと私も吉田に殺されそうなのでここまでにします!
読んでくださりありがとうございました(^ω^)
俺は今年から大学に通うため、都会に引越ししてきた田舎者だ
引越してきたばっかりでまだ部屋の整理ができておらず、テレビすら見れない状況のため携帯を取り出しては、最近ハマっている体験談ブログを見るかと思い、ネット検索をしてなにか面白そうな体験談がないか検索しているとある体験談が目に入った
その内容はあまりにもフィクションにしては出来すぎてると思うほどの内容だった
それでも読み始めては、止めることが出来なかった
今から話すのは俺、岸田 薫(仮名)に実際に起きた事です
当時の俺は中学二年生で、テニス部に所属していて朝から晩まで部活をしていました
日が暮れて、部活が終わると友達の石田と一緒に帰っていた時のことです
この時にあんなことを言わなければ……よかった
そう今も思うんです
いつも通りに帰り道を友達と帰っていた
帰る際に家族の愚痴をこぼす
「毎日さ、宿題やれだの掃除や家事手伝えって言われてもう……めんどくさい」
『まぁ、しょうがないんじゃない?だってお前長男だろ?』
「それはそうだけどさぁ……それに妹に汗臭いから近寄るなって言われた時は傷つくだ
ろ」
『それは傷つくなぁ……』
「もう家族と一緒にいたくない」
他人の愚痴なんて友達以外聞いていないと思っていました……
周りは林や田んぼ、人がいる気配もしない
``だから、きっと友達以外聞いていないと思っていた´´
友達に愚痴を聞いてもらうと何だかスッキリした気がした
やはり、人に話を聞いてもらうのは良い事だなと思いながらいると後ろの林の茂みからガサガサと音がした
不安に思い、顔を向けるも何も見当たらない
たぬきか猫かな?と思いながら友達の方を向いた
友達は特に気にしてないような様子で自分を慰めてながら「それでも家族が好きなんだろ?」と聞かれた為、頷くと頭を撫でられた
「ちっ…」
微かな誰かの舌打ちが聞こえた気がしたが自分の幻聴だろうと思い気にしなかった…
それより友達の優しさに泣きそうになる
友達の石田は優しいやつで俺より身長が高いし運動神経いいからモテる……うやらましいとは思ってない……たぶん
そんなことを考えているとあっという間に友達と別れるいつもの場所に着いてしまう
ありがとうと相手に伝えては、その場で解散をする
帰る途中に普段電柱辺りに鴉がいるはずがないのだが、今日だけは何故か不気味に感じた
今日はなにか不吉なことが起きるのではないかとそう思ってしまう
早めに帰ろうと思い、早足で家に帰る時に誰かの吐息が聞こえてた気がして
早足から走りに変わり、慌てて家まで全力で帰る
家に着くと玄関は電子ロック式の鍵なので暗証番号を入れるとドアが開き、扉を引きながら中に入る
靴を脱いではリビングに向かう
リビングからは笑い声が響いていた
その声に安心した気がした
リビングのドアを引いて中に入ると「おかえり」と家族から声をかけられる
「ただいま」
と返事する
あぁ……家族のことバカにしたのは良くなかったのかもしれないと少し後悔する
そんな中、妹が険しい顔でこちらを見つめているので自分も不思議そうに妹を見つめる
『お兄ちゃん……汗臭い!』
急に口を開いたかと思ったつかの間、言ってきた事は人が傷つく言葉だ
前言撤回だ、やっぱり一人がいいかもしれない
傷ついた自分を親が励ましながら風呂に入るように言われる
はぁ……とため息をついたまま、風呂に入る
軽くシャワーで汚れを落とし、体を綺麗にすると傷ついた心が回復するかのように癒される
風呂に浸かる
「ふぅ……」と息を吐いては背伸びをする
その時にゴンッドンッと何かぶつかった音がした
また妹がなにか投げてしまっているのではないかと思った
妹は思い通りにならないとものを投げてしてしまう癖があり、いつもの事かなぐらいしか考えていた
この時におかしいと思っていれば……あんなことにならなかったのではないかと今でも思います
風呂に浸かっているとのぼせそうになり、慌てて風呂から出ては洗面所に置いてあるバスタオルを取り出す
バスタオルで体を拭いていると何処からか薬品のキツイ匂いがしては父親の薬品かと思った
その理由も父親が薬品の会社に勤めているせいだからだ
でも心の底から何故か嫌な予感がしてしまう
慌てて服を着て、リビングに向かう
リビングのドアを引こうとするが、怖くて引くことが出来ずに変に汗が出てきては頬に伝う
もし……いやそんなわけが無い
だって………あの音は妹のせいだろう
……いつものにぎやかな声が聞こえないのはなぜだ?
眠くて寝てしまっているんだろ!…きっと
そう自分に言い聞かせては、意を決してゆっくりドアを引く
「風呂上がったぞ!ほら、誰か……」
目の前に広がるのは父、母、妹が泡を吹いて床やソファーにぐったりしている姿だ
その状況は自分が何度でも言葉をかけても返事をせずにピクリとも動かない母達が今でも目の裏に焼き付いて離れないんです
怖くて、言葉しか出すことが出来ない
足がすくんでその場に佇んでしまう
た、助けなきゃと思う半分、逃げなければならないと思ってしまう自分がいる
目が母達からそらすことが出来ず、瞼も閉じることが出来ない
目が乾いてしまったからか悲しみで出てきてるか分からないが何故か涙が溢れた
その時、緊張の糸が切れた音がした
その途端「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」や「うわぁぁぁぁぁぁっ……!」など奇声をあげてしまう
もうよく分からなくなってしまうそんな時に後ろから足音がした
トンッ……トンッ……トンッ…
靴音がどんどん近いてくる……こちらに向かってきていることが分かる
俺の家族以外いないはず……親戚なんて来るはずない
他にうちの鍵を開けることが出来るやつなんていない
じゃあ……誰だ?
分かりきっているのに考えることが出来なかった
だって、その答えは自分に害をなすからだ
振り返ることが出来ずに母達を見つめている
『酷いじゃないか……お客さんがきたらでむかえなきゃ』
聞き覚えのある声で疑問が浮かぶ
その声はよく女子からキャーキャーと叫ばれている人物で自分とは接点がない奴だからだ
だが、声でまだ判断してはいけないと思った
もし自分が考えている相手だとすれば、何故彼がここにいるんだ?
疑問が頭の中をぐちゃぐちゃにするため、気分が悪くなる
『ねぇ……いつまでつまらないもの見てるの?』
そう言われて、背筋が凍るような寒気を感じる
こいつ……頭おかしい…やばい逃げなきゃ
逃げることを考えていると相手に肩を掴まれては相手の方を向かされる
自分が予想していた相手だった
なんでここにいんだよ
おかしいだろ……
目の前にいたのは自分の中学で優等生で今年新しく生徒会長に任命された吉田だ
同い年でも話したことは一度もなく、まじで接点がない
そんな奴がここにいるんだ?
疑問が疑問を生み出して、さらに気持ち悪くなってしまう
『ふふっ……可愛いなぁ…薫は』
にこにこした顔でこちらを見ては、自分の頬に手を添える
その手には血が付着していた
その血の匂い耐えられず、ついに吐き出してしまう
吐き終わると相手を見る
相手は満面の笑みで見つめている
恐怖でこいつから目を離すことが出来ない……いや、目を離したら殺されてしまうんじゃないかと本能で悟ったきがした
『あぁ……綺麗…でも吐いたもの勿体ないなぁ』
勿体ない?……何が?
相手の思考がよく分からない
『あっ……見とれてる場合じゃないんだ…そろそろ時間だから行こう?薫』
「ど、どこに……」
『ふふっ……秘密だよ』
「…………なぁ…お前がやったのか?」
やっと相手の前で声を出すことが出来たために念の為に聞いた
聞いても相手しかないと思う
『……そんな怯えた顔でこっちを見ないで……興奮するじゃないか』
相手は笑顔でいる…そして何故か下半身は大きな膨らみをしていた
まじで頭が狂ってる
『……あぁ…これは気にしないで……えーと…さっきの質問の答えは``はい´´だよ』
笑顔で答えた相手を見ては恐怖でまた吐きそうになるがこらえた
「……お前はなんで母さん達にこんなことしたんだよ!」
心のうちをぶちまけた
『……だって、薫は一緒にいたくないって言ったから消してあげたんだよ?……あぁまだ消してはないか』
「けす……?なんの事だよ」
『……友達…確か石田って言うんだっけ……あいつと話していたじゃないか……``もう家族と一緒にいたくない´´って』
相手の言葉に衝撃を受けてしまう
確かにその話をした
だが、その場には石田以外誰もいなかった
だけど、林で物音がした
物音の正体が吉田で話を盗み聞いていたのか?
何故?どうして?
『……また上の空になっちゃって可愛いなぁ』
「……お前の目的ってなんだよ」
『ん?薫の恋人になることだよ?』
意味がわからない……恋人になるなら告白すればいいはずだろ
なんで人の親や妹殺す必要があるんだ
「なんで……殺すんだよ」
『薫が一緒にいたくないならこれからも一緒にならないようにする為だよ?』
『可愛い薫……妹にもの投げられて……そのせいでアザが出来たことは許せなくてあいつの顔面殴っちゃった』
…………
『計画じゃ……無傷でやるはずだったのに……はぁ』
もう考えることを諦めた
自分が言ったことのせいで親や妹が殺されてしまった
愚痴なんてこぼさなければよかった
涙で顔がぐちゃぐちゃになってしまう
相手が近づいてきては唇を重ねられるがもう抵抗できない
したって意味がないと思うってしまう
あぁ、このまま死のうと思った次の瞬間ドンッと音がすると同時に体に力が入らなくなってしまう
目が閉じてしまう
助けて神様……こいつから早く解放してくれ
次に目が覚めたのは、白い天井が見える所でした
その場所は病院の一室で周りには祖母や祖父がいた
目を開いた自分を嬉しそうに泣きながら手を握ってくれた
『よかったわぁ……本当に』
祖母が嬉しそうに話していた
あの悪夢は夢でないかと思った
母達が見えないので祖母に訊ねる
『ショックで忘れてしまったのね……お母さん達は強盗に放火されて死んでしまったのよ』
はっ……?放火?何言ってんだ
あれは薬で吉田がやった事だろ
状況が上手く掴めていない自分は何が起きているのかさえ分からなかった
祖母と祖父が心配してずっといてくれたが、警察が状況を把握するために祖父と祖母を連れていく
すれ違いで入ってきたのは友達の石田だ
『……よかった…お前が無事で』
「なぁ……石田…どういう状況だ!?……なんで母さん達が放火で死んでるんだよ」
『俺も詳しくは知らないが……あの日、お前と別れたあとに消防車がサイレン鳴らしながらお前ん家の方向に向かうの見て、もしかしたらって……慌ててお前ん家に行くとすごい火が上がっていて……隣の家にも移りそうだった』
まじで放火されたんだとしたらなんで……そんなことを……
ふと頭に思い出す
《計画じゃ……無傷でやるはずだったのに……》
…もしかして吉田がやったのか
放火も計画の範囲だとすれば……
「……なぁ石田……なんで俺生きてるんだろうな」
『お前は吉田が必死に助けたんだよ』
「へっ?」
『……あの時の吉田かっこよかったな…お前を助けた後、犯人捕まえてさ』
……おかしい…おかしい……あいつが犯人なのになんで違う人が捕まってるんだよ
石田は俺が混乱していることを察したのか状況を話し終わると帰ってしまった
祖父と祖母が警察と共に来ては「ご愁傷さまです」と声をかけてきた
「大丈夫です……それより犯人は?」
『……現場にいた平塚という男が岸田さんの家にガソリンをまいて火をつけたという近隣住民が目撃しています』
「おかしいです!だって……家に吉田が……いたはずなのに」
『多分……あなたが見かけたのは助けた時だと思います』
なんで信じてもらえないんだ
クラスメイトがお見舞いに来ると心配の声と同時に吉田を賞賛する声が多かった
おかしい……周りに言っても助けた人に失礼だの恩を仇で返すのかと言われてしまった
この世で味方は誰もいない
初めて……そう感じました
病院を退院する時、中学を転校してこの地域から遠い所の親戚の家に滞在して彼から逃げ出しました
今でも家族には申し訳ないと思っています
何故こんなことを体験談に書いたのはあなたの身近におかしい人がいるかもしれません
その人を見かけたら逃げてください
私はもう……逃げられません
最後の言葉に引っかかった
何故逃げられないって断言しているのだろうか
もしかしたらこの体験談を書いている人はもうその吉田と言うやつに………………
-------------------‐-------------------‐------
長文失礼しました!
なかなか難しい題材を扱ったので誤字脱字がすごいかもしれません
こっそり教えていただくと助かります!
いやぁ……もし最後掴まってしまったとしたら彼はどうなってしまうんでしょうね
これ以上書くと私も吉田に殺されそうなのでここまでにします!
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