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四章 大学と懐かしい思い出

再会?

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「水原くんだよね?春樹くんから話があるって言われたんだけど、水原くんは何か聞いてる?」

声や容姿は"瀬良柚葉"本人で間違いない。

ただ、どこか違うようで奥歯に物が挟まるような、そんな気がしてならなかった。

「春樹は少し用事があるらしい、此処で待ってる間少し話さないか?」

柚葉は小首を傾げるようにして、笑顔で俺を見るなり静かに椅子に座る。

「考えても仕方ないよね、春樹くんが大事な話があるって言ってたのに。なんかゴメンね?水原くん」

俺の目に映る柚葉の姿は、俺の知っている柚葉ではなかった。まるで俺を知らないような反応で、俺はショックのあまり笑うしかなかった。

「瀬良さんだったかな?俺の事は春樹から聞いてると思うけど、改めて自己紹介するね。俺の名前は水原和鷹、これからもよろしくな」

現実から目を逸らそうと、これは夢なのだと言い聞かせるも目の前に立つ柚葉の姿が消える事はなかった。

「百桃とクラス同じだよね?少し気が強いけど、根は良い子だから仲良くしてあげてね」

百桃の話をする柚葉の表情は、暖かく柔らかい笑顔で、懐かしい気持ちになった。

俺は、ただ柚葉に謝りたい、それだけなのに...。俺は、出来ないのだと察した。

「分かった。芸術サークルだったかな?春樹に誘われて俺も入ろうと思う。また、その時はよろしくな」

「こちらこそ、よろしくね!水原くん!」

柚葉と別れ、俺はタイミングをズラす為少しの間学校に残った。

タッタッタッタッタッタッタッタッ!!

椅子に座りロビーで一人ボッーっとしていると奥から勢いよく俺の方へ向かってくる足音が聞こえてくる。

「あんたね!!あれほど柚葉ちゃんに会わないでって言ったよね?私に喧嘩でも売ってるの?」

そこに立っていたのは朝比奈百桃と俺と柚葉を会わせたであろう張本人、春樹の姿があった。

「まあまあ、水原くんは別に柚葉さんに害は無いと俺は思うけどね、ただ少し会わすのは早かったかもしれないね」

春樹がそう言うと、百桃が春樹を睨みつけていた。

「春樹と百桃は、俺と柚葉の事を知ってるのか?柚葉に何があったのか教えて欲しい」

二人して俺を見るなり百桃から順に話し始める。

俺の解釈では、恐らく春樹と柚葉は付き合っていて、柚葉から聞かされていた昔付き合っていた相手が現れることで、邪魔になると思い会われる事を百桃は嫌がっていたのであろう。

それでも、少し引っかかるのは何故春樹は柚葉と俺を会わせようと考えたのかである。
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