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「という事がありまして。ムバード様の部隊は絶対安静者ばかりなのです。特にムバード様は最前線でしたので重症なのです。」
「ムバードって言えばラザージャの三獣の1人じゃなかったか?そのムバードがやられたってのか!?」
「ムバード様は仲間を護ろうとなさったのです。本来ならば、まともに喰らうことはなかったはずです。しかし周りにはまだ退避していない仲間たちがいたのです。ムバード様が受け止め、勢いを殺さなければ多くの者たちは…」
「それで重症ってわけか。いいのか?そんな国の最重要内容を俺らに話して。三獣の重体なんて知られちゃ国として不味いだろう?」
ラザージャの守護者である三獣の1人が現在負傷しているなど弱みでしかない。
「私は…必ずヤヤを含めたこの組織を潰すと王に誓ったのです。私はエリックさん達なら信頼出来ると判断しました。それに、卑怯ではありますが…あなた方は私とアルベルタ様に貸しがあるはずです。私たちが皆さんの大切にしているティアちゃんを見つけ、無事送り届けた。それに、、、おそらくティアちゃんも狙われています。」
「「「何だと!?(何ですって!?)」」」
「この宿へ送り届ける際、しきりにティアちゃんを見る者たちがいました。路地裏や店客に紛れ、ティアちゃんに目をつけていました。」
エリックはビスの言葉にスノウを見る。
〈本当だよ。アルベルタたちと会って、街を歩いていた途中から複数の嫌な視線がビシビシ伝わってきてたからね。アイツらも僕やビス、アルベルタが常に離れずいたから何もしてこなかった。でも、アレは諦めてはないと思う。〉
「マジか…ふざけるなよ。俺の娘に手を出そうってなら容赦しねぇ。もとより手放しにしてはおけねぇって思ってはいたが今のでこの組織を潰すのは決定事項だ!」
エリックの言葉に他のメンツも同意する。
「そのヤヤって奴はパッチーナにいるんだな?」
「えぇ。間違いありません。そしてボスと呼ばれる人物もこちらに滞在しているようです。ラザージャで捕らえた者に意地でも吐かせた情報ですので。同時にその者は死にましたけど。おそらく何かしらの術が掛けられていたのでしょうね。」
ビスは淡々と話す。
「ふーむ。どうやらヤヤって奴は戦闘能力に長けていて、そのボスってやつはヤヤよりも強いってわけか。さらに正体不明のヤベェ代物まで使っていて、仲間を駒としか見てないわけか。そういう奴が1番嫌いだぜ全く…」
「エリックさんの言う通りですね。私としては口を挟むつもりはなかったのですが、冒険者ギルド職員がこの組織に関わっているとなると別ですし。なにより見目のいい子供を攫っていたりとティアさんの害になる可能性がある以上、介入するつもりではありましたが、本当にティアさんを狙うとは……潰すでは生ぬるい。塵と化せねばなりませんね。あぁ、でも塵にしては勿体ないですね。むしろ殺してくれと懇願する程度には壊さないと。その薄汚れた目でティアさんを見たなんて罪だと刻んでもらわないと。」
〈僕、絶対ニールは敵に回さない…〉
スノウの呟きを聴き取れる者たちは声には出さないが激しく共感し、身を震わせた。
「あ、そうそう!それで領主の息子は泳がしてる最中で、明日あたり動きそうなんだよ。一応今も見張りを付けてるが、今日の所は警戒してというかビビって動きは見せないだろう。明日、ビスのお仲間さんたちの所に行くから付いてこいよ。ビスがいた方が話も効率よく進めれそうだしな。」
「はい、ありがとうございます。」
「という事で……聞かせてもらうぞ?」
エリックはポンと手を叩くとビスに攻め寄った。
ジッ~(ビスを見つめる複数の目)
「え、えっと、組織については今話したと思うのですが…」
「「「違う!!!」」」
「うわっ!」
目が据わって否定するエリックたちにビスは困惑。
「俺たちが聞きたいのは、ティアの話だ。俺の知らない所での可愛いティアを知りたいじゃないか!それに迷子になっていた時の事とか詳しく聞かせろ!!」
ダン!!と机を叩くエリックに困惑から呆気にとられるビス。他の面子(ニールたち)を見るが誰も何も言わない。ただ顔で早く言えと促してくるのだ。
「わかりました、分かりました!私が話せるのはティアちゃんを見つけてからの事だけですからね!?」
ビスが口を開くと同時に耳をすませて、一言一句聞き逃さまいとしている彼らにビスは顔を引き攣るのを隠せなかった。
「ムバードって言えばラザージャの三獣の1人じゃなかったか?そのムバードがやられたってのか!?」
「ムバード様は仲間を護ろうとなさったのです。本来ならば、まともに喰らうことはなかったはずです。しかし周りにはまだ退避していない仲間たちがいたのです。ムバード様が受け止め、勢いを殺さなければ多くの者たちは…」
「それで重症ってわけか。いいのか?そんな国の最重要内容を俺らに話して。三獣の重体なんて知られちゃ国として不味いだろう?」
ラザージャの守護者である三獣の1人が現在負傷しているなど弱みでしかない。
「私は…必ずヤヤを含めたこの組織を潰すと王に誓ったのです。私はエリックさん達なら信頼出来ると判断しました。それに、卑怯ではありますが…あなた方は私とアルベルタ様に貸しがあるはずです。私たちが皆さんの大切にしているティアちゃんを見つけ、無事送り届けた。それに、、、おそらくティアちゃんも狙われています。」
「「「何だと!?(何ですって!?)」」」
「この宿へ送り届ける際、しきりにティアちゃんを見る者たちがいました。路地裏や店客に紛れ、ティアちゃんに目をつけていました。」
エリックはビスの言葉にスノウを見る。
〈本当だよ。アルベルタたちと会って、街を歩いていた途中から複数の嫌な視線がビシビシ伝わってきてたからね。アイツらも僕やビス、アルベルタが常に離れずいたから何もしてこなかった。でも、アレは諦めてはないと思う。〉
「マジか…ふざけるなよ。俺の娘に手を出そうってなら容赦しねぇ。もとより手放しにしてはおけねぇって思ってはいたが今のでこの組織を潰すのは決定事項だ!」
エリックの言葉に他のメンツも同意する。
「そのヤヤって奴はパッチーナにいるんだな?」
「えぇ。間違いありません。そしてボスと呼ばれる人物もこちらに滞在しているようです。ラザージャで捕らえた者に意地でも吐かせた情報ですので。同時にその者は死にましたけど。おそらく何かしらの術が掛けられていたのでしょうね。」
ビスは淡々と話す。
「ふーむ。どうやらヤヤって奴は戦闘能力に長けていて、そのボスってやつはヤヤよりも強いってわけか。さらに正体不明のヤベェ代物まで使っていて、仲間を駒としか見てないわけか。そういう奴が1番嫌いだぜ全く…」
「エリックさんの言う通りですね。私としては口を挟むつもりはなかったのですが、冒険者ギルド職員がこの組織に関わっているとなると別ですし。なにより見目のいい子供を攫っていたりとティアさんの害になる可能性がある以上、介入するつもりではありましたが、本当にティアさんを狙うとは……潰すでは生ぬるい。塵と化せねばなりませんね。あぁ、でも塵にしては勿体ないですね。むしろ殺してくれと懇願する程度には壊さないと。その薄汚れた目でティアさんを見たなんて罪だと刻んでもらわないと。」
〈僕、絶対ニールは敵に回さない…〉
スノウの呟きを聴き取れる者たちは声には出さないが激しく共感し、身を震わせた。
「あ、そうそう!それで領主の息子は泳がしてる最中で、明日あたり動きそうなんだよ。一応今も見張りを付けてるが、今日の所は警戒してというかビビって動きは見せないだろう。明日、ビスのお仲間さんたちの所に行くから付いてこいよ。ビスがいた方が話も効率よく進めれそうだしな。」
「はい、ありがとうございます。」
「という事で……聞かせてもらうぞ?」
エリックはポンと手を叩くとビスに攻め寄った。
ジッ~(ビスを見つめる複数の目)
「え、えっと、組織については今話したと思うのですが…」
「「「違う!!!」」」
「うわっ!」
目が据わって否定するエリックたちにビスは困惑。
「俺たちが聞きたいのは、ティアの話だ。俺の知らない所での可愛いティアを知りたいじゃないか!それに迷子になっていた時の事とか詳しく聞かせろ!!」
ダン!!と机を叩くエリックに困惑から呆気にとられるビス。他の面子(ニールたち)を見るが誰も何も言わない。ただ顔で早く言えと促してくるのだ。
「わかりました、分かりました!私が話せるのはティアちゃんを見つけてからの事だけですからね!?」
ビスが口を開くと同時に耳をすませて、一言一句聞き逃さまいとしている彼らにビスは顔を引き攣るのを隠せなかった。
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