転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

エリック隊長の爆買い

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 2人の女性たちの叫びに呆気にとられていると、奥から2人を呼びに行った店員さんが走って来た。

「はぁ、はぁ。ララ様、ルル様、エリック様が連れて来られた方はその方です。はぁはぁ。女性ではなく、女の子です!人の話しを最後まで聞いて下さい。ホントお願いだから…」

 うん、なんか可哀想なんだけど。すごく息上がってるよ。

「ではこの子の服をお求めなのね!」

「やったワ!」

「つまり、ララとルルは頼まれてくれるんだな?」

「「もちろん喜んで!!」」

 おうおう。息ピッタリだなぁ!

「私、ティアって言います。よろしくお願いしますなの。」

「「きゃっ、かわいい~」」

「ふぇっ!?」

「ララ様、ルル様ちゃんと自己紹介して下さい。困っていらっしゃいますよ!」

 ナ、ナイスです店員さん!

「あらごめんなさいね。私はラルラルの店の店主の1人、ララよ。」

「私はルル。ララと私がこのお店の店主デスわ!」

「よろしくなのー」

「「こちらこそ、そしてこれから先もずっとご贔屓に!!」」

 これから先も…少し怖いくらいの勢いがあったんだけど。普通のお店だよね?大丈夫だよね?


 どうやら2人の女性は双子らしい。ララさんは右耳に、ルルさんは左耳にピアスをしている。

 2人ともそっくりだなぁ!双子ってホントにそっくりなんだね!

 ティアが1人で感心していると、エリックはティアを床に降ろした。

「では、頼む。いくらになろうと構わない。だが、必ずティアに似合うものだ!」

「「かしこまりました!!!」」

「それではティアちゃんはあちらへどうぞ。」

 エリック隊長!いくらになろうと構わないってカッコいい事言ってるけど、別にいいのに!!私に似合うものって…着れれば問題ないんだよ?店員さんだけが私の味方だよ。

「その…ティアちゃん頑張って下さいね…」

「え???」

 ちょっと!!店員さん!!何?なんなの?その何かを含んでる感じ!怖いよ?私今から何されるの?服買うだけなんだよね?味方じゃなかったのぉぉぉ。あ、急に鳥肌が……








♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


「ふにゃあーー!!」

「ララこれも似合うワ!」

「ルル流石ね!でも、この色も捨てがたいわ!」

「ふみゃ…もう、これくらいで…おわりょうよぉ」

 もう最後の方は舌が回らなくなってるや。次々に服を着せられたティアはくたくたになっていた。




♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

「お疲れ様でした…」

 私は店員さんをじとーっと見つめた。すかさずにサッと視線を逸らす店員さん。くそぉー!!助けてくれてもいいじゃないか!

「終わったようだな!」

「うん…やっと…」

 エリック隊長が声をかけてきたので返事をして振り向く。

「!!!」

 なんかものすごーくガン見してるんだけど!着せられた…違う違う。着せてもらった服を見て何か言いたげ。



「ララ、ルル!どういうつもりだ!こ、こんな格好させて……」

 おや?もしや似合わないのかな……

「…これだと、可愛すぎて外に出せないだろ!!」

「なんでやねん!」

 ツッコミ入れた私は間違ってない!今の私は薄いピンクのワンピースを着ている。可愛らしい花模様付きだ。髪は服に合わせて編み込みされている。

「ふふふ。どうですか?もともと可愛いティアちゃんでしたが、さらに可愛くなったでしょう?」

「ああ!」

「私たちの手にかかればこれくらい当然デスわ!」

「さすがだ!」

 もう!エリック隊長、自分のことみたいに喜ばないでよー

「他にも何着か見繕っておきましたワ。」

「そちらはどうします?」

「もちろん買い取らせてもらう!」

 え?めちゃくちゃあったよ?大丈夫なの?てか、そんなにいらないよ?

「「ありがとうございます~♪」」

 私がオロオロしている間にすでに会計を済ませたエリック隊長。早すぎます。

「エリック隊長、ホントにいいの?」

「心配するな。俺がプレゼントしたいんだ。」

 そんな風に言われたら貰うしかないじゃないか。

「ありがとう!!」

 満面のスマイルプレゼントだ。

「「「「…っ!!」」」」
 
 エリック隊長、ララさん、ルルさん、店員さんが息をのんだのがわかった。ララさんとルルさんに至っては手を頬に添えて、尊い!とか言ってる。

「そ、それじゃあ帰るか。」

「はーい!」

 帰ると聞いてララさん達がガックリと肩を落とした。そんな残念そうにしないでよ~

「いつでもまた来て下さいね。ティアちゃんが来るのを待ってますから!!!」

「絶対来て下さいネ!!!」

「は、はい。」

 そんな必死に言わなくてもいいのに。

「またのご来店お待ちしております。」

 店員さんは、、、うん、目がまた待ってますって言ってるね。

「またね~!」

 私とエリック隊長はラルラルのお店を後にした。
 





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 次の話からはギルドで出会ったギルマス達の視点になります。なので時が少し遡ります。
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