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032:地下6階4
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「さあ次に行くわよ。これね。戻る、道、失う。登る、道、失う。今だ、まだ、6、回数、道、残る。6、回数、探す、まだ、残る。戻る道は失われ、上る道も失われた。まだ6は、えっと、5階ね。5階に道は残っている、5階に探す所はまだ残っている。幸福、祈る。今、獣、いない、少ない、探す、できる、ない。幸運、祈る。7、回数、んん? うん、メフィット、下りる、ない、祈る。幸運を祈る。まだ魔物がいないか少ない今しか探すことはできない。幸運を祈る。7だから、4階のメフィットが下りてきていないことを祈る」
「あー、それは3階のメッセージを書いたやつかもな。5階に別のルートを探しに行ったんだろう」
メモに指を這わせていたカリーナが手を止める。
「もう1枚重なっているわね。閉じる、扉、開く、ない、戻る、メフィット、追う。まさにこれのようね、閉ざされた扉を開くことができず、メフィットに追われて戻ってきてしまった。旅、出る、出発、時間、1、失う、イス。戻る、時間、再び、2、失う。出発した時には1つ失っていたイスが、戻ってきた時にはまた2つ失われていた、かしら。私、我、我々、ここ、これ、する、どう、良い。我々はこれからどうすれば良いのか」
「まさにだな。扉を開けられずに戻ってきて、悩んだ末にもう一度5階を調べに行ったんだろう。わざわざ1枚目に重ねてあるのは見たくなかったのかもな」
3階のメッセージがほぼそのままここにあり、そして書いた本人がどう思ったのか、再び5階に戻ることにしたという。相変わらずメフィットを恐れながら。それからどうなったのかはここからは読み取れない。
ただ、イスが次々に失われていることはうかがえるだろう。イスが失われたということは、そこに座る人が失われたということなのだ。
「昇る、装置、カギ、3、回数、ある、はず? 昇降機の鍵は、3だから、えー、8階にあるはずだ。私、あーっと、我々、3、初、獣、会う、時間、失う。我々が8階で初めて魔物と出会った時に失った。彼、今、持つ、信じる。彼が今も持っていると信じている」
彼らは昇降機を知っていながらなぜ使わなかったのだろうか。そしてその鍵を持って上がってきて8階で魔物と出くわし失うことになったのだ。
ただこれで彼らがどう行動すべきかの方針は決まったのではないだろうか。8階で鍵を見つけ、そして5階かあるいは10階で、昇降機を10階まで使える状態にするのだ。
「それじゃ次、右上のこれね。話す、場所、結果、彼、彼ら、下、下りる、決める。話し合いの結果、彼らは下りることを決めた。毎、日、ここ、故郷、見る、気、変わる。毎日ここから故郷を見ていて気持ちが変わった。そう、ある、だろう? そういうこともあるだろう。今日、1、人、手、ん? 手すり、乗る、越える、飛ぶ、吹き抜け。今日も1人、手すりを越えて吹き抜けに飛び込んだ。ここ、これ、以上、時、時間、かける、ない。これ以上時間をかけることはできない」
「何というか、追い詰められているな。ほぼここに閉じ込められていたようなものなのか? 5階を調べに行った仲間も戻らないのかもな」
「故郷っていうことは、向こう側に見えている世界から彼らは来たのだろうね、自分の家や町が見えるのなら、それは帰りたくもなるかもね」
「だがなあ、わざわざこんな所まで上ってきたんだぞ? 何か理由があるんだろう?」
ここまでのメモでは上を目指していた理由が分からない。
行き詰まってもなお、帰る者を見送って、そしてさらに上を目指す者たちがいたのだと読み取れるが、結局のところ、なぜ上を目指していたのだろうか。やはりそれが知りたかった。
「残りは1つ。これは長いわね、ほぼ手紙な長さよ。今日、遠く、城、上、竜、見る。今日は遠く城の上にドラゴンが見える。我、私、生まれる、町、森、埋める? 見る、ない。私の生まれた町は森に埋まって見ることができない。これ、この、世界、神、地上、追う、地下、送る、神、祝福、受ける、呪い、呪う。えー? と? この世界は神に祝福を送られた。呪われて地上を追われて地下に来た? 変ね、うーん? この世界は神によって地上を追われ地下に送られた。神の祝福を受けて、呪われた?」
「どちらでも通じそうだが意味は変わるな。神に祝福されたが別のものに地下送りにされたのか、それとも神に呪われて地下に送られたのか」
「そうね、うーん? とりあえず保留。えーっと、1000、年、2000、年、時間、ない、長い、長い、長い、時間、無意味、生きる、我々。え、何これ。毎、日、食べる、復活、食べる、寝る、死ぬ、毎、日、復活、生まれる、死ぬ、失う、意味、食べる、生きる、死ぬ、未来、失う、ない、文化、死ぬ、生きる、死ぬ、生まれる、死ぬ、明日、ない、復活、死ぬ、終わり、ない」
「何だよ? え、正しく呪いなんじゃないのか?」
「1000年か2000年か、生まれて食べて寝て死んで復活して死んで? 毎日繰り返しているっていうこと? え、呪いなんじゃないの?」
「私、あー、我々、祝福、神。ここ、生きる、祝福。決まりじゃないかしら、神にここで生き続けろと、祝福という名の呪いを受けたっていうことね、きっと。それ、すで、もう、祝福、ない。うん、そう思うわよね。それはもう祝福ではない。私、ただ一度、もう一度かしら、地上、行く。目指す。これから、6、階、行く。すでに、ここ、私、だけ、いない。これ、この、書く、置く。もう一度地上を目指して5階へ行く。すでにここには私しかいない。このメモは置いていく。今、これ、読む、誰、いる、人、か? いる、の、なら、願う、どうか、――――」
カリーナの読む声も、指も、止まる。
「どうした、‥‥ああ、」
その先を見たクリストも止まるしかなかった。
書く文字はなく、ただ雑多に、めちゃくちゃに書き殴られた線が乱雑な模様を描き出しているだけだった。続きを書くことはできなかったのだ。
果たしてこれを書いた誰かは何を願おうとしたのだろうか。
「これで決まったと言っていいだろう。下から上って来た誰かは、あの向こう側の世界から来て、呪いを逃れて地上を目指そうとした。そしてここで行き詰まったんだろう。このイスの花は失った全員の分の花だろう。帰ろうとした誰かも、地上へ行こうとした誰かもそれからどうなったかは分からない。ただ地上へは恐らく誰もたどり着けなかったんだろうな。もう少しだったのに。でだ、ここからの方針も決まったようなものだ。8階にあるという昇降機の鍵を目指す。5階でそれが使えればよし、使えなければそのまま10階を目指す。そして物置の鍵を使うものを見つける」
「そうだね、いいと思う。僕は賛成だ。こうなると見たくなるよ、その祝福された世界っていうものを」
「うん、私も賛成。何だろ、おなかの奥の方がぐるぐるする感じ。良くないよ、こういうの。ねえ、私にもあるんだよ、神の祝福」
「そうね、私にもあるわ。ギフト、神の祝福。これって何なのかしらね。はあ、まったく知らない誰かさんたちの話なのに、こんな風に感じるなんて。こんな生まれる死ぬを連ねるような想いを受け取るのは私たちの仕事じゃないと思うのだけれど」
「ね、つらい。あー、嫌なこと考えちゃった。さっきカリーナが嫌がらせみたいって言っていた」
「あー‥‥あー、ね。私も嫌なことを考えたわ。呪いから逃れて地上を目指して子供を失った女性に子供を返さずに像にして、それで祝福をって言う。嫌がらせ以外の何物でもないじゃない」
「やめてくれ、倒しちまったぞ、ゴースト」
「うわぁ、しかもあのゴースト、復活するんじゃないの? 何度でも復活して、そして倒される役目なんじゃないの?」
「‥‥本当に立入禁止してもらうか、あの部屋」
神の祝福という名の呪いを受けた人々がどうなったのか、そのうちの1人はまさか地下1階でゴーストを召喚するための像にされていないだろうか。
そんなことは許されることなのだろうか。
もっと言ってしまおう、自分たちの持っているギフトは、神の祝福とは何なのか。その答えは教会からも聞いたことはなかった。
「なあ、」
エディが言いかけて、止める。
「どうした? 何かあるなら言ってくれ。今はちょうどいいタイミングだ」
「なあ、ここは見に来られる場所じゃないか?」
「うん? どういう意味だ」
「いや、俺たちは昇降機の鍵を持っているよな。でだ、昇降機からここまで、魔物は出ると思うか?」
5階の昇降機を降りた部屋からこの6階のガラス壁のエリアまで、確かに一度も魔物と遭遇はしていない。考えてみれば地下1階の昇降機まではせいぜいがラットかジャイアント・ラットだ、大した魔物ではない。
そして6階のこの場所に来てから、結構な時間が過ぎているはずだが、一度も魔物は現れてはいないのだ。
「‥‥そうだな、この場所の説明をして信じてもらえるかと言われるとな、見せた方が早い。鍵を持っているからな、まず俺たちが先行して安全を確保、それから1人戻って、まあ俺でいいか、俺が戻って何人か連れてもう一度降りてくる、できるな」
「そうすればあの、向こう側の世界を見せられる。で、このメモもだ。本物だってのをこの場で鑑定させればいい。確実だ。それでこの先がどうなっているか理解ができるんじゃないか」
「いい案だ。なあ、俺からも1つ。今までのままの調査はここまででいいんじゃないか。5階まででおおよそ調査は済んだと考えてもいいだろう。で、内容を変えたい。俺たちは10階を目指す。その間にな、見つけた物、手に入れた物を自分たちで使いたい。ここの鍵もそうだ。それにな、ここまでで宝箱から出たものが良すぎるだろう。まだ6階に入ったところだぞ。この先使いたい物が見つかった時のことを考えれば、契約内容を変える方がいい」
今までは発見したものは全てギルドに渡している。
唯一3階に必要な板鍵だけは持っているが、それも4階でもう1枚入手することでギルドに渡す分とは別にした。恐らく5階の板鍵も昇降機の鍵も、もう1つ手に入れることができるだろう。
だがここにある、10階で使えという鍵は1本しかないというのだ。これをギルドに渡すことはできなかった。
「同感だ。正直に言おう。オークが持っていたグレーターアックスはさっさと使いたかった」
「だろうな、そんな気はしたよ。言って良かったんだぞ? 何本も手に入ったんだから1本くらい分からんさ」
「一応な、これでも高評価で長くやっている冒険者だ、配慮はするさ」
発見したものは余さずギルドに渡している。ギルドに正しく報告している。そういう評価もまた積み重なって冒険者の評価につながっている。
どこかで1つでも自分のものにしてしまえばそこから自分自身が変わってしまうという可能性だってあるのだ。
「いいね、僕も賛成しよう。ただ言い訳は用意しておいた方がいいと思うな。まず今日までの成果はちゃんと持ち帰る。それでこういう理由でっていうのを説明して、ここの鍵は僕たちで預かる。その上でこの先はどう考えても時間がかかるから、ダンジョン内で発見したものを利用して探索を継続できるようにしたいっていう形にしてもらう。宝石だとかはさ、僕らはそこまで欲しくないじゃない。そういうものは全部引き渡し、使わなかったもの、使わないものも引き渡し、それで大丈夫じゃないかな」
「‥‥何階だったかしら、巨人の力が手に入るポーションがあったわよね。ねえ、あれを使えばこの先のがれきがどかせたんじゃないの?」
「あー、あったな。あー、使えそうだな。もう売却リストに載っちまっているよな。よし、これで方針は決まりでいいだろう。ギルドに戻って相談する。まずは鍵を回収、でだ、次に来た時に復活しているかどうかを確認。あと、おがくずか、あれも一袋だ。鍵だけが対象なのか、部屋にあるものなら全部なのか、それで分かるだろう。ついでに、そうだな、ゴブリンの武器でいいか、こいつを物置に置いていこう。消えなければあの部屋は物を置きっぱなしにしてもいい部屋ってことになる」
これからどうするかの相談はこれで終わりだ。
あとはギルドとの話の内容次第ということになる。契約を修正するという形で持って行けるのではないかと考えられたが、上司に相談が必要という理由で保留になるかもしれなかったし、もっとはっきりと不可ということもあり得た。
であれば、ギルドとの話ではなくセルバ家との話に切り替えてもいい。その場合はブルーノかアーシアか、もしかしたら冒険話の好きそうなステラの方が簡単に乗ってくるかもしれない。そういったこともまた、ここへ連れてきて向こう側を見せれば説得力を増すのではないか、10階よりもはるか先があるのだと理解してもらえば説得も容易なのではないかと思えた。そのためにもまずは6階でやることをやって引き返さなければならない。
部屋を出ると通路を先に進んで突き当たりのがれきの状況を確認する。それによってはここを何とか通れるようにすることも考えなければならないのだ。
メモを読む限り、このがれきの向こうに広間に続く扉があり、そして広間の向こう側には吹き抜けがあるはずだった。もし自分たちが先ほど見た吹き抜けと同じものであるならば地図も6階のかなりの部分を埋めることができるということになる。どうにかしてがれきの先を見ておきたかった。
だが見た限りでは人の力で動かせそうもない巨大な岩が積み上がっていてどうしようもない。しかも左手にある通路の先の扉がゆがんでいるのが分かる。吹き抜けから上がってきたという魔物だろうか。確か扉をたたく音が聞こえるというメモがあった。そしてアーティファクトを使って岩を積むという話だったはずだ。
ダンジョンの扉をゆがませるというのがどれほどの力なのか、果たしてそんなことが可能なのかは分からなかった。
フリアが何とか岩をよじ登り、扉の方へと腹ばいになって進んでいったが、天井との隙間も狭く、また岩と岩の重なった場所も通るには狭く、扉に近づくことはできなかったようだ。
「こんなのがあった」
だが何かしら成果があったようで、手に長細いひものような、いや青白い色をした動物のひげのようなものを持っていた。すでに乾いてしまっているのかしなびているが、これが切れたときにはもっと太く長かったかもしれない。もしこれがその魔物のものだとしたら、もしかしたら6階よりも下、7階か8階か、そこの魔物の脅威度を知ることにつながるかもしれなかった。
岩をどかすことは難しい。その先の扉の状態から見てもわざわざどかす手間はかけなくても良いと考えていいだろう。通路を引き返し、最初に確認した物置へ戻る。ここの奥の木箱の上に置かれていた鍵を持ち帰るのだ。さらにおがくずを革袋に一つ分、もらっていく。そして入り口近くの壁際に不要なゴブリンの武器を置いていく。
これらが次に来た時にどうなっているかの確認もまた重要なことだった。
まずは鍵が本当に1つだけなのかどうか。
鍵が復活せずにおがくずが復活するのならば1つだけなのは鍵だけということになる。だがおがくずも復活しないのならば、この部屋の物はどれもが持っていけば終わりということになるのだ。
そしてもしもゴブリンの武器がそのままになっていたら、この部屋に関してはダンジョンの復元する現象から外れ、全てがあるがままにおかれるということになる。
鍵が復活する、罠が復活する、宝箱が復活する、魔物が復活する、そういう現象だ。それがない部屋ということになれば、それこそここに予備の保存食や備品や、そういったものを置いておくことができるようになる。
昇降機も近い。探索の成果を一時保管しておく場所としても使えるかもしれなかった。
その可能性は確認しておかなければならない。そのための準備だ。
作業が終わると自分たちが持ち帰るべき荷物を確認し、そして通路を引き返す。5階への階段を登り、昇降機へ。
籠はそこまで広くはなかったが、どうにか全員が荷物ともども乗り込み、鍵を奥の装置に差し込む。1と5の数字が書かれた丸いボタンが点灯したところで1を押すと、ガコン、ギギギときしむ音をさせながらゆっくりと籠が上昇し始めた。
前後左右全てが石組みの縦坑の中をゆっくりと上がっていく。
これで1階に無事到着したら、次はギルドに戻って報告だ。
この1泊2日の探索は非常に密度が濃かった。発見した成果が大きかった。ギルドだけでなくできればセルバ家にも直接報告したいくらいのものだ。きっと驚く顔が見られるだろうと、ガタガタと揺れながら上がっていく籠の中で想像され、自分たちもまた楽しくなるのだった。
「あー、それは3階のメッセージを書いたやつかもな。5階に別のルートを探しに行ったんだろう」
メモに指を這わせていたカリーナが手を止める。
「もう1枚重なっているわね。閉じる、扉、開く、ない、戻る、メフィット、追う。まさにこれのようね、閉ざされた扉を開くことができず、メフィットに追われて戻ってきてしまった。旅、出る、出発、時間、1、失う、イス。戻る、時間、再び、2、失う。出発した時には1つ失っていたイスが、戻ってきた時にはまた2つ失われていた、かしら。私、我、我々、ここ、これ、する、どう、良い。我々はこれからどうすれば良いのか」
「まさにだな。扉を開けられずに戻ってきて、悩んだ末にもう一度5階を調べに行ったんだろう。わざわざ1枚目に重ねてあるのは見たくなかったのかもな」
3階のメッセージがほぼそのままここにあり、そして書いた本人がどう思ったのか、再び5階に戻ることにしたという。相変わらずメフィットを恐れながら。それからどうなったのかはここからは読み取れない。
ただ、イスが次々に失われていることはうかがえるだろう。イスが失われたということは、そこに座る人が失われたということなのだ。
「昇る、装置、カギ、3、回数、ある、はず? 昇降機の鍵は、3だから、えー、8階にあるはずだ。私、あーっと、我々、3、初、獣、会う、時間、失う。我々が8階で初めて魔物と出会った時に失った。彼、今、持つ、信じる。彼が今も持っていると信じている」
彼らは昇降機を知っていながらなぜ使わなかったのだろうか。そしてその鍵を持って上がってきて8階で魔物と出くわし失うことになったのだ。
ただこれで彼らがどう行動すべきかの方針は決まったのではないだろうか。8階で鍵を見つけ、そして5階かあるいは10階で、昇降機を10階まで使える状態にするのだ。
「それじゃ次、右上のこれね。話す、場所、結果、彼、彼ら、下、下りる、決める。話し合いの結果、彼らは下りることを決めた。毎、日、ここ、故郷、見る、気、変わる。毎日ここから故郷を見ていて気持ちが変わった。そう、ある、だろう? そういうこともあるだろう。今日、1、人、手、ん? 手すり、乗る、越える、飛ぶ、吹き抜け。今日も1人、手すりを越えて吹き抜けに飛び込んだ。ここ、これ、以上、時、時間、かける、ない。これ以上時間をかけることはできない」
「何というか、追い詰められているな。ほぼここに閉じ込められていたようなものなのか? 5階を調べに行った仲間も戻らないのかもな」
「故郷っていうことは、向こう側に見えている世界から彼らは来たのだろうね、自分の家や町が見えるのなら、それは帰りたくもなるかもね」
「だがなあ、わざわざこんな所まで上ってきたんだぞ? 何か理由があるんだろう?」
ここまでのメモでは上を目指していた理由が分からない。
行き詰まってもなお、帰る者を見送って、そしてさらに上を目指す者たちがいたのだと読み取れるが、結局のところ、なぜ上を目指していたのだろうか。やはりそれが知りたかった。
「残りは1つ。これは長いわね、ほぼ手紙な長さよ。今日、遠く、城、上、竜、見る。今日は遠く城の上にドラゴンが見える。我、私、生まれる、町、森、埋める? 見る、ない。私の生まれた町は森に埋まって見ることができない。これ、この、世界、神、地上、追う、地下、送る、神、祝福、受ける、呪い、呪う。えー? と? この世界は神に祝福を送られた。呪われて地上を追われて地下に来た? 変ね、うーん? この世界は神によって地上を追われ地下に送られた。神の祝福を受けて、呪われた?」
「どちらでも通じそうだが意味は変わるな。神に祝福されたが別のものに地下送りにされたのか、それとも神に呪われて地下に送られたのか」
「そうね、うーん? とりあえず保留。えーっと、1000、年、2000、年、時間、ない、長い、長い、長い、時間、無意味、生きる、我々。え、何これ。毎、日、食べる、復活、食べる、寝る、死ぬ、毎、日、復活、生まれる、死ぬ、失う、意味、食べる、生きる、死ぬ、未来、失う、ない、文化、死ぬ、生きる、死ぬ、生まれる、死ぬ、明日、ない、復活、死ぬ、終わり、ない」
「何だよ? え、正しく呪いなんじゃないのか?」
「1000年か2000年か、生まれて食べて寝て死んで復活して死んで? 毎日繰り返しているっていうこと? え、呪いなんじゃないの?」
「私、あー、我々、祝福、神。ここ、生きる、祝福。決まりじゃないかしら、神にここで生き続けろと、祝福という名の呪いを受けたっていうことね、きっと。それ、すで、もう、祝福、ない。うん、そう思うわよね。それはもう祝福ではない。私、ただ一度、もう一度かしら、地上、行く。目指す。これから、6、階、行く。すでに、ここ、私、だけ、いない。これ、この、書く、置く。もう一度地上を目指して5階へ行く。すでにここには私しかいない。このメモは置いていく。今、これ、読む、誰、いる、人、か? いる、の、なら、願う、どうか、――――」
カリーナの読む声も、指も、止まる。
「どうした、‥‥ああ、」
その先を見たクリストも止まるしかなかった。
書く文字はなく、ただ雑多に、めちゃくちゃに書き殴られた線が乱雑な模様を描き出しているだけだった。続きを書くことはできなかったのだ。
果たしてこれを書いた誰かは何を願おうとしたのだろうか。
「これで決まったと言っていいだろう。下から上って来た誰かは、あの向こう側の世界から来て、呪いを逃れて地上を目指そうとした。そしてここで行き詰まったんだろう。このイスの花は失った全員の分の花だろう。帰ろうとした誰かも、地上へ行こうとした誰かもそれからどうなったかは分からない。ただ地上へは恐らく誰もたどり着けなかったんだろうな。もう少しだったのに。でだ、ここからの方針も決まったようなものだ。8階にあるという昇降機の鍵を目指す。5階でそれが使えればよし、使えなければそのまま10階を目指す。そして物置の鍵を使うものを見つける」
「そうだね、いいと思う。僕は賛成だ。こうなると見たくなるよ、その祝福された世界っていうものを」
「うん、私も賛成。何だろ、おなかの奥の方がぐるぐるする感じ。良くないよ、こういうの。ねえ、私にもあるんだよ、神の祝福」
「そうね、私にもあるわ。ギフト、神の祝福。これって何なのかしらね。はあ、まったく知らない誰かさんたちの話なのに、こんな風に感じるなんて。こんな生まれる死ぬを連ねるような想いを受け取るのは私たちの仕事じゃないと思うのだけれど」
「ね、つらい。あー、嫌なこと考えちゃった。さっきカリーナが嫌がらせみたいって言っていた」
「あー‥‥あー、ね。私も嫌なことを考えたわ。呪いから逃れて地上を目指して子供を失った女性に子供を返さずに像にして、それで祝福をって言う。嫌がらせ以外の何物でもないじゃない」
「やめてくれ、倒しちまったぞ、ゴースト」
「うわぁ、しかもあのゴースト、復活するんじゃないの? 何度でも復活して、そして倒される役目なんじゃないの?」
「‥‥本当に立入禁止してもらうか、あの部屋」
神の祝福という名の呪いを受けた人々がどうなったのか、そのうちの1人はまさか地下1階でゴーストを召喚するための像にされていないだろうか。
そんなことは許されることなのだろうか。
もっと言ってしまおう、自分たちの持っているギフトは、神の祝福とは何なのか。その答えは教会からも聞いたことはなかった。
「なあ、」
エディが言いかけて、止める。
「どうした? 何かあるなら言ってくれ。今はちょうどいいタイミングだ」
「なあ、ここは見に来られる場所じゃないか?」
「うん? どういう意味だ」
「いや、俺たちは昇降機の鍵を持っているよな。でだ、昇降機からここまで、魔物は出ると思うか?」
5階の昇降機を降りた部屋からこの6階のガラス壁のエリアまで、確かに一度も魔物と遭遇はしていない。考えてみれば地下1階の昇降機まではせいぜいがラットかジャイアント・ラットだ、大した魔物ではない。
そして6階のこの場所に来てから、結構な時間が過ぎているはずだが、一度も魔物は現れてはいないのだ。
「‥‥そうだな、この場所の説明をして信じてもらえるかと言われるとな、見せた方が早い。鍵を持っているからな、まず俺たちが先行して安全を確保、それから1人戻って、まあ俺でいいか、俺が戻って何人か連れてもう一度降りてくる、できるな」
「そうすればあの、向こう側の世界を見せられる。で、このメモもだ。本物だってのをこの場で鑑定させればいい。確実だ。それでこの先がどうなっているか理解ができるんじゃないか」
「いい案だ。なあ、俺からも1つ。今までのままの調査はここまででいいんじゃないか。5階まででおおよそ調査は済んだと考えてもいいだろう。で、内容を変えたい。俺たちは10階を目指す。その間にな、見つけた物、手に入れた物を自分たちで使いたい。ここの鍵もそうだ。それにな、ここまでで宝箱から出たものが良すぎるだろう。まだ6階に入ったところだぞ。この先使いたい物が見つかった時のことを考えれば、契約内容を変える方がいい」
今までは発見したものは全てギルドに渡している。
唯一3階に必要な板鍵だけは持っているが、それも4階でもう1枚入手することでギルドに渡す分とは別にした。恐らく5階の板鍵も昇降機の鍵も、もう1つ手に入れることができるだろう。
だがここにある、10階で使えという鍵は1本しかないというのだ。これをギルドに渡すことはできなかった。
「同感だ。正直に言おう。オークが持っていたグレーターアックスはさっさと使いたかった」
「だろうな、そんな気はしたよ。言って良かったんだぞ? 何本も手に入ったんだから1本くらい分からんさ」
「一応な、これでも高評価で長くやっている冒険者だ、配慮はするさ」
発見したものは余さずギルドに渡している。ギルドに正しく報告している。そういう評価もまた積み重なって冒険者の評価につながっている。
どこかで1つでも自分のものにしてしまえばそこから自分自身が変わってしまうという可能性だってあるのだ。
「いいね、僕も賛成しよう。ただ言い訳は用意しておいた方がいいと思うな。まず今日までの成果はちゃんと持ち帰る。それでこういう理由でっていうのを説明して、ここの鍵は僕たちで預かる。その上でこの先はどう考えても時間がかかるから、ダンジョン内で発見したものを利用して探索を継続できるようにしたいっていう形にしてもらう。宝石だとかはさ、僕らはそこまで欲しくないじゃない。そういうものは全部引き渡し、使わなかったもの、使わないものも引き渡し、それで大丈夫じゃないかな」
「‥‥何階だったかしら、巨人の力が手に入るポーションがあったわよね。ねえ、あれを使えばこの先のがれきがどかせたんじゃないの?」
「あー、あったな。あー、使えそうだな。もう売却リストに載っちまっているよな。よし、これで方針は決まりでいいだろう。ギルドに戻って相談する。まずは鍵を回収、でだ、次に来た時に復活しているかどうかを確認。あと、おがくずか、あれも一袋だ。鍵だけが対象なのか、部屋にあるものなら全部なのか、それで分かるだろう。ついでに、そうだな、ゴブリンの武器でいいか、こいつを物置に置いていこう。消えなければあの部屋は物を置きっぱなしにしてもいい部屋ってことになる」
これからどうするかの相談はこれで終わりだ。
あとはギルドとの話の内容次第ということになる。契約を修正するという形で持って行けるのではないかと考えられたが、上司に相談が必要という理由で保留になるかもしれなかったし、もっとはっきりと不可ということもあり得た。
であれば、ギルドとの話ではなくセルバ家との話に切り替えてもいい。その場合はブルーノかアーシアか、もしかしたら冒険話の好きそうなステラの方が簡単に乗ってくるかもしれない。そういったこともまた、ここへ連れてきて向こう側を見せれば説得力を増すのではないか、10階よりもはるか先があるのだと理解してもらえば説得も容易なのではないかと思えた。そのためにもまずは6階でやることをやって引き返さなければならない。
部屋を出ると通路を先に進んで突き当たりのがれきの状況を確認する。それによってはここを何とか通れるようにすることも考えなければならないのだ。
メモを読む限り、このがれきの向こうに広間に続く扉があり、そして広間の向こう側には吹き抜けがあるはずだった。もし自分たちが先ほど見た吹き抜けと同じものであるならば地図も6階のかなりの部分を埋めることができるということになる。どうにかしてがれきの先を見ておきたかった。
だが見た限りでは人の力で動かせそうもない巨大な岩が積み上がっていてどうしようもない。しかも左手にある通路の先の扉がゆがんでいるのが分かる。吹き抜けから上がってきたという魔物だろうか。確か扉をたたく音が聞こえるというメモがあった。そしてアーティファクトを使って岩を積むという話だったはずだ。
ダンジョンの扉をゆがませるというのがどれほどの力なのか、果たしてそんなことが可能なのかは分からなかった。
フリアが何とか岩をよじ登り、扉の方へと腹ばいになって進んでいったが、天井との隙間も狭く、また岩と岩の重なった場所も通るには狭く、扉に近づくことはできなかったようだ。
「こんなのがあった」
だが何かしら成果があったようで、手に長細いひものような、いや青白い色をした動物のひげのようなものを持っていた。すでに乾いてしまっているのかしなびているが、これが切れたときにはもっと太く長かったかもしれない。もしこれがその魔物のものだとしたら、もしかしたら6階よりも下、7階か8階か、そこの魔物の脅威度を知ることにつながるかもしれなかった。
岩をどかすことは難しい。その先の扉の状態から見てもわざわざどかす手間はかけなくても良いと考えていいだろう。通路を引き返し、最初に確認した物置へ戻る。ここの奥の木箱の上に置かれていた鍵を持ち帰るのだ。さらにおがくずを革袋に一つ分、もらっていく。そして入り口近くの壁際に不要なゴブリンの武器を置いていく。
これらが次に来た時にどうなっているかの確認もまた重要なことだった。
まずは鍵が本当に1つだけなのかどうか。
鍵が復活せずにおがくずが復活するのならば1つだけなのは鍵だけということになる。だがおがくずも復活しないのならば、この部屋の物はどれもが持っていけば終わりということになるのだ。
そしてもしもゴブリンの武器がそのままになっていたら、この部屋に関してはダンジョンの復元する現象から外れ、全てがあるがままにおかれるということになる。
鍵が復活する、罠が復活する、宝箱が復活する、魔物が復活する、そういう現象だ。それがない部屋ということになれば、それこそここに予備の保存食や備品や、そういったものを置いておくことができるようになる。
昇降機も近い。探索の成果を一時保管しておく場所としても使えるかもしれなかった。
その可能性は確認しておかなければならない。そのための準備だ。
作業が終わると自分たちが持ち帰るべき荷物を確認し、そして通路を引き返す。5階への階段を登り、昇降機へ。
籠はそこまで広くはなかったが、どうにか全員が荷物ともども乗り込み、鍵を奥の装置に差し込む。1と5の数字が書かれた丸いボタンが点灯したところで1を押すと、ガコン、ギギギときしむ音をさせながらゆっくりと籠が上昇し始めた。
前後左右全てが石組みの縦坑の中をゆっくりと上がっていく。
これで1階に無事到着したら、次はギルドに戻って報告だ。
この1泊2日の探索は非常に密度が濃かった。発見した成果が大きかった。ギルドだけでなくできればセルバ家にも直接報告したいくらいのものだ。きっと驚く顔が見られるだろうと、ガタガタと揺れながら上がっていく籠の中で想像され、自分たちもまた楽しくなるのだった。
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