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開拓
第49話 小休憩、雑談
しおりを挟む「王国の現状の情報は、ここまで。次からは、別の情報の提示をお願い。仲間の復讐相手の情報でも構わない。最初に、俺から情報を出すね。」
「ちょっと、待ってくださーい、主。議事録の入力と保存が終わってないです...」
ノートパソコンで議事録を作成。その内容を打ち込んでいるペトラさんから、悲痛の叫びが上がる。
「ごめん、ごめん。ペトラさん。ペトラさんの休憩込みで1時間後に、話し合いの続きをしようか。各々、好きなように休憩しておくれ。」
俺は、ペトラさんの作業のお手伝い。それ以外のメンバーは、好きに時間を使って、休憩をする。
事務仕事は、結果が表面化しにくい。だが、俺は、知っている。情報を制した国や人は、負けない。日本の歴史が証明している。常に新しい情報を、精査し、吟味し、進化や成長をしていかなければ衰退していくだけ。
「ペトラさん、お疲れ様。何か飲む?」
「いつも、すみません。カフェオレでお願いします。」
支援部隊には、多くの情報が集まる。パソコンの入力を行うだけでも、大変なのだ。だから、俺は、支援部隊の皆んなには、最高の労働環境を提供するために頑張る。
「手作りでいいかな?」
「あっ!はい!主のカフェオレが一番好きです!ふふっ。」
それは初耳。よく、支援部隊の子たちに振る舞っていたんだけど、好きだったのね、カフェオレ。
「じーっ。じーーーじーーーーっ。いいなー!いいなー!私も飲みたいっ!アイスカフェオレプリーズ!」
ミィちゃん、どこでそんな言葉を覚えたんだよ。
「分かった分かった。ミィちゃんの分も...」
「私も欲しいわ。」
「アタシは、ブラックで。」
「ボクは、牛乳多めがいいなー。」
「さり気なく注文しやがって...分かったよ。皆んなの分も用意するから、ミィちゃんは、ベッド上から降りなさい。ゲームばかりしていると目が悪くなるよ?」
「えー、いいじゃん!みんなやってるもん!」
ベッドの上で足をバタバタさせる、ミィちゃん。ゲーム機を配布したのは間違えだったかも。たまに、ゲーム大会が行われるほど、人気になってしまった。ここにはいないが、ステラちゃんは、BLゲームに沼ってしまっている。
「確かに、みんなやってる。格ゲーでキャラクターが繰り出す技が出来ないか、黒騎士の訓練に取り入れてる...」
ドヤ顔で説明するセイラさん。おれは、知らないが黒のスキニーのところどころ割いている。
「おっ!いい事、思いついちゃた!S級冒険者の実力を測りに行こうよ。特にゲームの技を使ってさっ!みんなこっそり技の練習しているの隠し撮りしているんだよ?バレバレだよ。あははははっ。」
「望むところ。盗撮やめて。」
「ボクも賛成。格ゲーだけの攻撃だったら、何でもいいよね?弱味を握ろうとするの辞めてよね、ミィ。」
「それなら、私は、アレで...」
「そうね、私も修得した技が実践で使えるか、試してみたいわ。悪趣味ね、ミィ...」
S級冒険者パーティ相手に、縛りプレイで戦う話しをしている彼女たちへ、それぞれ注文した飲み物を渡していく。
手元に来た飲み物で喉を潤し、話し始める。格ゲーの話しがどうして、S級冒険者パーティに挑むことになるのやら。
「ねぇ、格ゲーの技だけじゃ、さすがにS級冒険者に通用しないんじゃないかな?」
俺も話しに混ざり、疑問をぶつける。
「ナインさん、どういうことー?」
「格ゲーの技って、再現不可能な技が多々あるんだよね。例えば、腕が伸びたりとか。必殺技に限って言えば、再現するのは出来ない。皆んな、ストリートファイターシリーズをやってるよね?」
彼女たちが頷き、話の続きを目で促す。
「ヨガシャングリラ。あれとか、もう、ハーフエルフ、獣人でも絶対無理。あの必殺技は、相手を掴み、ひねりを加えながら両腕を最大限まで伸ばした反動で、脳天への頭突きで相手を昇天させる。どう考えても無理だろ。」
「うぐっ。痛いところついてくるね!確かに、その技は無理だけど、他は出来るもん!」
豪鬼の瞬獄殺とか、光っている間に攻撃されているし、無理だろ。
「はぁ、分かったよ。その諦めない心と、真剣な目を信じて、S級冒険者パーティとの模擬戦をなんとか、組んでみるよ。」
「やったー!うしししっ。私の昇龍拳が炸裂するぞっ!」
「人間相手に、あの技を試せるなら、これ以上の喜びはない...」
やる気になるミィちゃんに、闘志を燃やすセイラさん。ペトラさん、アルマさん、ルナさんは、腕を組んで、技のイメージをしている。どうなることやら...
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