47 / 59
開拓
第48話 王国の情報
しおりを挟む「じゃあ、私からねー。恐らく、皆んなと似た情報になるかな。クレイモラン領についての噂が広がっている感じ。ただ、城壁に記した文字に関しては、一部の人を除いて知らないみたい。情報規制されてるねー。」
ミィちゃんの情報に対して、全員が頷く。ミィちゃんの言うとおり、似た情報なんだろう。
「あ、あの、私もミィさんと同じです。追加の情報となるとしたらですね...クレイモラン領の調査に、アルディア王国の公爵さんが行くそうです。」
ペトラさんは、エタンセルの仲間以外と会話することはない。重度のコミ障である。どうやって、情報を収集したのか気になる。
「次は、ボクかぁ。だいたい一緒かな。ペトラの情報をより詳しく言うと、公爵家の長子が調査に行くらしいね。あと、その取り巻きの貴族。男爵、子爵の長子たち。長子だけのメンバーだから、コイツらを始末すれば跡継ぎ争い勃発だね。くふふっ。」
目をぱちくりしながら、俺の太ももを撫でるアルマさん。殺るなら、自分が殺るというサインだろうね。
「アタシも、殆ど同じ。冒険者ギルドに寄ってみたら、S級冒険者パーティが居たくらい。S級冒険者パーティに、虎の獣人の男がいた。アレは、きっと、何人か殺めている。」
冒険者に種族は、関係ないらしい。人間と獣人のハーフを敬遠されるが。それはさておき、S級冒険者ね...要警戒かな。荒くれ者に慣れている、セイラさんならではの情報だ。
「最後に俺たちか。ルナさんと一緒に商人ギルドに行ったんだけど、クレイモランの話しばっかり。有益の情報としては、アレかな。アルディア王国と隣接しているニーデルニア帝国が戦争の準備をしているらしいよ。この国に対して宣戦布告をするのも間近。商人にとって稼ぎ時だね。」
さて、ルナさんにまとめてもらおう。俺は、ルナさんに目を合わせ、アイコンタクトをしてみる。
「そんなに見つめられると照れるわ。」
「むっ。アタシも見つめて。ナインさん。」
ルナさんの言葉に、すぐ反応したセイラさん。そして、セイラさんは、俺の太ももを撫で続けているアルマさんを見て、みけにシワを寄せる。
「ボクっ娘淫乱ドS女、その手を離せ。図々しい。」
「えー、ボクのことかな?色んな装備足さないで欲しいなぁ。それを言うなら、お腹と谷間を見せる服を着るのやめてよね。ボクへの挑発かな?ボクが直々にひん剥いてあげようか?」
「ちょっと!ストーップ。はい、アルマさん。そろそろ手を退けてね。あと、ルナさん、セイラさんを誘導しないの。はぁ。情報の整理をするよ。」
・クレイモラン領の噂は、王都全域に広まっている。
・城壁に書いた文字について知っているのは貴族。それも、上流階級のみの可能性が高い。
・クレイモラン領について、情報規制がされている可能性が高い。
・クレイモラン領の調査に公爵家の長子と各貴族の長子が行う。
・S級冒険者、要警戒。
・王国と帝国は、戦争になる。
「情報収集一日目にしては、上出来だよ!ありがとう。そして、改めて、各情報を更に詳しく調査して欲しい。また、追加の情報も。些細な情報でもいい。お願いね、皆んな。」
「まっかせてよねー!えへへっ。今日は、久しぶりに人間を観察して楽しかったよー。コイツらを地獄に落とせると思ったら、にやけちゃった。」
笑顔で、サラッと恐ろしいことを言うミィちゃん。工作部隊の隊長としての表情ではない。個人としての発言であり、並々ならぬ想いがある表情。
「ミィちゃん、復讐の相手の情報が一番だからね?無理して、エタンセルのための情報を集めなくていいよ。」
「えへへー。ナインさんには、バレちゃうかー。そうだね、きっと、この街にいるかな。私の耳をちぎった人間が...」
エタンセルとしての復讐だけが、旅の目的ではない。最優先事項は、各々の復讐である。それを今から、話し合う。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
異世界の剣聖女子
みくもっち
ファンタジー
(時代劇マニアということを除き)ごく普通の女子高生、羽鳴由佳は登校中、異世界に飛ばされる。
その世界に飛ばされた人間【願望者】は、現実世界での願望どうりの姿や能力を発揮させることができた。
ただし万能というわけではない。
心の奥で『こんなことあるわけない』という想いの力も同時に働くために、無限や無敵、不死身といったスキルは発動できない。
また、力を使いこなすにはその世界の住人に広く【認識】される必要がある。
異世界で他の【願望者】や魔物との戦いに巻き込まれながら由佳は剣をふるう。
時代劇の見よう見まね技と認識の力を駆使して。
バトル多め。ギャグあり、シリアスあり、パロディーもりだくさん。
テンポの早い、非テンプレ異世界ファンタジー!
*素敵な表紙イラストは、朱シオさんからです。@akasiosio
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる