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開拓
第38話 嘘つくと上半身破裂するで?
しおりを挟む※アマンダ視点
「アンタらが聞いたんや...ドン引きされると、ウチ悲しい...およよよよっ。」
「嘘泣きなの。」
「さて、無駄話しはここまでにして...ナインはんを何度も待たす奴らに苦痛を与えなあかん。ソフィア、ジュシカ、いつでも殺せるようにしてやー。」
影が移動している。ウチなら影を追いかけてぶん殴るけど、隠れている兵士は、影に気づいてない。
「いつまでも、監視されるのごめんやわ。隠れてないで、はよ、出てきて姿現せボケェ。」
隠れている人間に聞こえるよう、声を張る。数秒待っても反応なし。聞こえなかった可能性を潰すために、もう一度、声を張り、尋ねる。
「バレバレや。はよ、姿現せぇ!ボケェッ!」
さっきよりも大きな声を出したんだけど...。ウチがなんもないところで、一人で騒いでるだけに見えるから恥ずかしい。
「もうええわ。ウチがアンタらの方へ行く。」
1歩、また1歩、敵兵に近づく。さすがに、接近されるのが嫌だったのか、姿を現し、武器を構えて、ウチを警戒する。
「なんで、1人しか出てこんの?あと2人いるはずやけど...そんなにウチと会いたくないんか?しゃあない、ウチが会いに行って...」
地面を思い切り足裏で踏みこんで、たった1歩で隠れていた敵兵の前に出る。
「会いに来たよ?もう1人...」
再度、地面を力強く踏み込み、隠れていた兵士の前に出る。
「ばぁ!何してんの?さっさとツラ出せや。」
隠れていた最後の兵士の顔、驚愕で目がパッチリ。おもろい。もう少し遊ぼう。
「なんや、なんも話さんのか?ウチらをストーカーしてた理由教えてや!」
衝撃波を兵士の腹にぶち込む。少し、力入れ過ぎたせいで上半身破裂させてしまった。
「うーん、身体半分隠れてもうた...次は、2番目に顔合わせたアンタに聞く。なんでストーカーしたんや?」
ガタガタ膝が震えていておもろい。ウチも小さい頃、知らん人に叩かれる前は、ガタガタ震えていた。昔のことを思い出して、少しイライラするけど我慢。
「た、たまたま、ここを、と、通り過ぎた、だけだ。」
恐怖で声が、たどたどしい。おもろい。
「偶然やと?門から離れてから、ずっといたやん。アンタ。知ってる?嘘つきは、上半身爆発すんねん。」
さっきより力抜いて殴ったけど、上半身破裂してしまった。キメラばっかり相手にしていたから、力加減が上手く出来ない。
手をひらひらさせ、肩の力を抜く。最初にウチの前に出た兵士が、ウチに向かって来たから反射で殴ってしまい、上半身破裂した。
「隠れていた兵士は、これでお終いや。あとは...」
兵士の更に距離をとって、こちら伺っていた男3人。確か名前は、ルージュ、ウンコ、クロックだったけ?
「また会ったなぁ。ルージュ、ウンコ、クロック。何しにきたんや?」
圧倒的な暴力を見たんだ。尻もちついて小便垂らす気持ちは分かる。でもウンコしちゃダメ。くさい。獣人だから鼻が人間よりも優れている。ちゃんと指摘しないと。
「ウンコがうんこしたらあかんやろ。」
「せ、拙者はウンケイだ!」
「これは失敬。ウンコくんやなかったか。それで、アンタらも上半身破裂させれに来たん?」
尻もちをついていたルージュが恐る恐る立ち上がり、ウチに吠えた。
「もう、俺たちは終わりだ!貴様らのせいで終わってしまった!それでも、クレア様の言伝を伝え生き延びたら、また普通の生活に戻れる!」
ウンケイことウンコも立ち上がり、ルージュに続く。
「拙者も破門されてしまった...ルージュと同じで御館様からの言伝を預かっておる!これを伝え、生きて戻れたら破門は、取り消しになる!」
えっ?なにそれ?みたいな顔になり、怒り出すクロック。こいつは、何も許されなかったらしい。
「お、俺は、死んでこいとしか...。ふざけるなっ!ルージュ、ウンケイ!俺を盾にして逃げるつもりだろ!」
「あー、うるさいなぁ。クロックくん、君は黙ってて。3人とも、逃がしてあげるから。人生やり直せるから、安心してや。」
ルージュくんが疑心になってウチに確認するが、約束は守ると言い張り。手土産を、それぞれ渡す。
「その箱の中身見てみぃ?盗品の一部や。」
箱を恐る恐る開け、中身を確かめる3人。目を見開き、喜び合う。人間の男が抱き合うところみて、何がおもろいねん。
「これで分かったやろ?それじゃあ、言伝を教えてーなぁ。」
「あ、ああ。クレア様からは、契約書は無効。紋章が入ったナイフを返還しないのであれば、兵を率いて奪還する。返還するのであれば見逃すと...。」
「ふぅん。ルージュくんに渡した箱には、ナイフが入っていたでしょ?これで見逃すんだよね?」
「ああ...もちろん、約束は守るお方だ。」
ナインはんの約束破ってんじゃん。死ねよ。いや、殺す。
ウチは、ウンコくんの方を向き、言伝を話すよう顎で促す。
「拙者から御館様より。金貨は一枚たりとも渡さん。死にたくなければ、盗品の全てを返還しろ...と。」
「ふぅん。それは、後で返すと伝えてや。」
「承ったでござる...」
殺す、殺す、殺す、全員、殺す。思い上がるのもいい加減にしろよ...。ウチらを、とことん舐めている。ナイン様であれば、上手く言葉を紡ぐことが出来るだろうけど、ウチには無理だ。我慢するので精一杯。
「そ、それでは、俺たちは、帰らせてもらう。」
言伝をしっかり伝え、役目が終わり、気が変わる前にここから離れたい。手に取るように、敵の気持ちが分かる。だって、ウチ、笑ってないから。もう、表情作る必要ないでしょ?
「見逃してやる。早くここから消えろや。」
携帯を取りだし、最強の仲間に電話する。
「セレナ?せや、ウチや。えっ?もう準備終わってる?さすがや、ナイン様は!あ...うん。もう、この街、要らないから全力でやっちゃって。ちゃんとサポートするから...うん。またな。」
さすがや、ナイン様。ウチの思考、行動が読んで先回りしてはる。もう、我慢しなくてええみたいやし...
「反撃の狼煙は、ウチが上げさせてもらうで!」
先程の3人が、門の中に入っていったのを見て、起爆スイッチを押した。
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