どーも、反逆のオッサンです

わか

文字の大きさ
上 下
137 / 145
カンナ王朝編

第136話 どーも、前の世界2です

しおりを挟む
前書き

前回のあらすじ

日本の話をする主人公


本文


 前の世界を羨ましく思うヨリさん。ヨリさんとユリさん、どちらも顔だけは良いから日本では、女優やらモデルで稼ぎそう。俺とは会うことがない世界。人生何が起こるか分からないな...

 「ヨリ、妄想はほどほどにしなさいよ。」

 「イギャっ!」

 ヨリさんが盛大にコケる。ドMで変態でドジっ子属性も持っているのかよ。いや、たまたまだろ。たぶん。

 「はぁ。言わんこっちゃない。貴女、ボロが出すぎてケンさんに愛想を尽かされるのでは?ふふっ。そしたら私が独占出来るからいいのだけど。」

 「ヨリさん、大丈夫?ほら、立って。あと、ユリさん煽らないで。」

 俺が差し出した手を握り立ち上がるヨリさん。ユリさんは眉を上げ目を細め、ヨリさんを睨めつける。

 「ケンさん、ヨリに甘いわ。私、嫉妬してここでこの女殺したくなる。」

 「ふふっ。ユリ。ケンさんは私の旦那様です。」

 「あ、はーい。ストップ、ストップ。2人が暴れたら面倒。こんなところで無駄な体力を使わないでくれ。」

 渋々ではあるが両者とも殴り合いの構えを解き、俺の両隣りにひっつく。

 (普通1人の女性をめぐって喧嘩するものでは?)

 「ほら、次の質問ないの?」

 「そうねぇ...ケンさんがいた国、日本はどんな料理があるのかしら?ケンさんが作る料理のレシピは日本なんでしょ?」

 「そうだなぁ...何気に1番難しい質問かも。えーと、なんでもあるよ?日本にいる頃は、レシピと食糧さえあれば世界の名物料理も再現出来たし。俺なんてまだまだ。あっ、今度どんぶり作るよ!絶対、美味しい!」

 「ふふっ、ケンさんが美味しいって言うなら、それは絶対に決まっているわ。どんぶり、どんぶりってどんな料理なの?」

 どんぶり料理を説明しているとヨリさんのお腹が鳴り、そろそろ昼ご飯の時間だと気付く。お腹を鳴らしたヨリさんは顔を真っ赤にしているが、気にしない。

 「ぅう、うう。恥ずかしい...です。」

 「気にしない、気にしない。料理の話しをしていたら簡単で激うまご飯を思い出したから、今から作るよ。」

 俺たちは、公国の人間たちから離れた場所にテントを設置して調理に取りかかる。今の今まですっかり忘れていたあの料理を作る。ご飯を炊いて、それから...

 調理すること1時間、手をお腹にあてた2人が皿に盛り付けられている料理を見つめる。

 「な、なにこれ。すっごく、美味しそうな匂いがするのだけれど!?」

 「ええ、ええ!は、早く食べましょ!」

 スプーンを手に取り料理をすくい口の中にいるユリさんとヨリさん。2人の目がカッと見開き、感嘆な声を上げる。

 「し、幸せだわ!」

 「お、美味しすぎるです!」

 「ふっ。俺がレシピを見ずに作れる自信作の料理の1つ。炒飯チャーハンだ!それと、卵スープ。どうだ、美味いだろ?」

 うんうん。(コクコク)

 何度も頷きながら炒飯チャーハンを掬うスプーンが止まらない。この世界にも中華鍋らしきものがあって良かった。火力も申し分なくパラパラの炒飯チャーハンが出来上がり、俺は大満足。
 俺が調理している間、見張りをお願いしていたのだが、炒める音と匂いに釣られてテントの中に入ってきた時は、少し焦ったけど、2人の満足した顔を見たら外のことなんてどうでも良くなった。

 「腹八分目にしとけよー。化け物モンスターと戦闘になるかもしれないんだから。」

 コイツら聞いちゃいねぇ。夕飯分の炒飯チャーハンも平らげやがった。そして、食べ終わった2人から批難される。

 「どうして、どうしてもっと早く作らなかったのよ!?」

 「そうですよ!こんな美味しい料理、もっと早く思い出して下さい!まだ何かあるのではないですか?」

 「えぇー...あるにはあるけど、この世界では作れないかも。日本だと簡単に手に入る食材がこっちの世界だと入手先が分からない。だから、入手出来た際にはちゃんと作るから、落ち着いて2人とも。ね?」

 (本当、こういう時だけ息ピッタリ。はぁ。普段からこれくらい仲良ければいいのに。)

 「分かったわ。私たちにとって、この炒飯チャーハンは異世界飯ってことね。カンナ王朝の後は、食材探しの旅にしましょ?」

 「いいですねー!未知の料理の為に旅をする。最高の冒険になりますね!」

 これは...料理名を言ったら作れと言い出すに決まっている。料理の話しは今後控えよ...

 「さて、食後休みに日本の話しの続きをしますか。日本はね...」

 食事後、日本の法律や学問について話しをした。なぜその話をしたのかというと、俺の常識とこの世界の常識に違いが生じているから。例えば、1日の食事の回数。この世界の1日の食事の回数は2回らしい。朝と夕。日本では朝、昼、夕(夜)の3回。あと、手を洗う習慣がこの世界はない。衛生面大丈夫か?と思ったが生活魔法であるクリーンを食事前にかけるのが一般的らしい。

 「常識のズレ。少し慣れてきたけど、今後また出てきそうだな。仕方ない、俺も2人に見習って習慣化出来るやつからはじめていくよ。」

 長い食休みの間の話しが終わり、テントから出て再び歩き出す。今日、このまま何も起きませんよーに!


後書き

次回 夜襲


しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

劣等冒険者の成り上がり無双~現代アイテムで世界を極める~

絢乃
ファンタジー
 F級冒険者のルシアスは無能なのでPTを追放されてしまう。  彼は冒険者を引退しようか悩む。  そんな時、ルシアスは道端に落ちていた謎のアイテム拾った。  これがとんでもない能力を秘めたチートアイテムだったため、彼の人生は一変することになる。  これは、別の世界に存在するアイテム(アサルトライフル、洗濯乾燥機、DVDなど)に感動し、駆使しながら成り上がる青年の物語。  努力だけでは届かぬ絶対的な才能の差を、チートアイテムで覆す!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

処理中です...