どーも、反逆のオッサンです

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サツキ公国編

第134話 どーも、新たな門出です(振り返り)

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前書き

前回のあらすじ

心の底から笑えた主人公


本文


 隠れていたと言っていいのか分からないが、数日間お世話になった家を出るおっさんたち。悲壮感に満ちた公国を出る人間の流れに加わる。顔を隠すようにフードを被り歩いていくが誰も俺たちの方を見ない。公国を出る人間は勇気があると思っていたのだが...

 「これでは地獄へ向かって歩いているみたいだな。まだ、街が残っているんだからシーワーズ帝国の惨状よりマシだろうに。」

 「ケンさん、中途半端に残った街より完全に崩壊した街の方が気持ちが吹っ切れるのでは?」

 「そうね。私もネイレスと同じ意見よ。希望があるのか分からない...不安しかない。そんな未来を思いながら生きていくのは苦痛ね。ネイレス、今どんな気持ち?」

 肩を震わせ笑いながら俺とユリさんに向かって言い放つ。

 「ざまぁー、です。」

 「ふふふっ。私も、貴女のように笑えると良いわね...」

 歩いて2時間ほどして、もはや城壁とは言えない残骸を通り抜ける。シーワーズ帝国と比べ長い期間いたサツキ公国。初めは海の幸を楽しみに公国に行くつもりだったんだよな...それがシーワーズ帝国と同じく国を落とすことになるとは思ってもいなかった。

 出会いは突然。偶然なのか必然だったのか分からないけどネイレスさんに出会った。その出会いから公国の破滅が始まった。

 ネイレスさんと契約していた海龍。確か名前は...カイリ。あの時は左目が疼いて厨二病よろしく状態だった。そんな状態でカイリは、俺の左目である神龍眼の元である神龍(シャロン)にフラれた女と告げた。抵抗しようにも左目が痛すぎて太刀打ち出来なかったのは苦い記憶。海龍ことカイリを静めてくれたユリさんには本当に感謝だ。

 あー、公国に入る前に面倒なことがあったな。えーと...自称、神に愛されし男イロス。ネイレスさんのストーカー。シンプルにヤバい奴だったな。自称の称号が多かったしね。最速の男であると言っていたが、俺にすぐ対応され大魔猿コングに食われ最期を迎えた。俺がイロスに付けた称号は、大魔猿コングに愛されし男。今思うとクッソ笑える。

 無事ストーカーを撃破した後は正式にネイレスさんを仲間に加えて公国に乗り込んだ。酒飲んで記憶を飛ばしたり、俺、ユリさん、ネイレスさんの3人で買い物という買占めをして公国を楽しんだ。そして、死の商人のプルトスと商談した。やり手の商人、帝国の頃からの面識で専属商人として契約はしていないもののお願いしたんだが、奴の策略に振り回された。今度あったらやり返したい。

 騙された、もしくは裏切られたと言ったら海龍ことカイリだな。ネイレスさんの身体に憑依したカイリと対決した。俺が持つゴウケツの性能のおかげでなんとか退けたから良かったのだが、死にかけた。冗談ではなく、もう少しで死んでいたよ。その時もユリさんに救われたんだっけ。ユリさんに救ってもらってばかりだな。

 それからは身体を休めてすぐに戦闘、戦闘、戦闘。もう戦いの毎日だった気がする。キサラ法国の守護者、アイツらマジで強かった。その後はネイレスママをぶっ殺して...あ、その前にパーティ名の公表したね。その名は、復讐者アベンジャー。まぁ、それは置いといて話を戻すと、ネイレスママの後は公国の本隊と激突した。

 罠にかかり、そこでも死にかけた。もう、毒は経験したくない。早く殺してくれって少し思ったもんだ。残念ながらネイレスの兄であるレスト王に逃げられてしまった。でも、暴れに暴れたな。本当に色々あった...

 極めつけは、やっちまったことだ。あれよあれよでユリさんとネイレスさんと性行為しちまった。でも、もう後悔していない。

 「ケンさん。公国を出たら私の名前変わるのですよね?」

 ネイレスさんの声で現実に戻った俺は返事をする。

 「ヨリ、ヨリヒメ。うーん、呼び名はヨリでいい?」

 満面な笑顔で頷くネイレスさんことヨリヒメさん。それを見てユリさんも嬉しそう。なぜ嬉しそうなのか分からないけど。

 「さーて、新しい門出だ!いざ、カンナ王朝へ!」

 俺の掛け声と共に拳を突き出し、2人は声を揃えて言う。

 「楽しい復讐を!」
 「楽しい復讐を!」


後書き

サツキ公国編を最後まで読んで頂き感謝、感謝です。

もし良ければ評価して頂けると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いします。

次章、カンナ王朝

次回 前の世界
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