どーも、反逆のオッサンです

わか

文字の大きさ
上 下
123 / 145
サツキ公国編

第123話 どーも、再びです

しおりを挟む
前回のあらすじ

主人公 王宮に向かって移動中


本文



どーも、最終決戦なのかは分からないけど、ネイレスさんの指示の元、王宮の方へ移動しているオッサンです。
サツキ公国に対してキサラ法国が戦争を仕掛けるように俺たちの手によって誘導する予定が現在、別の人間が誘導してクーデターという形でサツキ公国に攻撃を仕掛けている。
この状況を作り出したのは、商人のプルトスさんだと俺は思っている。

「商人のプルトスさんとの関わりを今後見直した方がいいな。今まで想定外も多々あったけど、俺たちの行動の先回りをやられると厄介すぎる」

ユリさんとネイレスさんが顔をしかめて俺を責める。

「ケンさんはあの商人を高く評価していたようだけど、私は胡散臭いと前から思っていたわ。ケンさんって、頭良いのにあの手の人間に騙されやすそう」

「私は、特に何も思いませんでしたけど、今後の行動に支障が出そうです。信頼や信用という言葉は、商人が言うとユリの言う通り胡散臭いですね。ケンさん。これからは、私とユリが交渉事を行います。いいですね?」

「あ、はい。分かりました...」

完全に騙されているよお前。みたいなことを、暗に言っている気がする。
そういえば前の世界でも、親に反対されたけど友人?に勧められた商品を爆買いしたっけ?100万円分買って家にまだ残っているはず。もし、俺が前の世界に帰れないなら処分してくれ、親父。

「ところで、このまま堂々と仮面つけたまま王宮に行くわけ?」

俺は、話題を変えるためにネイレスさんに質問する。

「話しを変えましたね。ふふ、ケンさんにも弱点があって良かったです。面倒なのでこのまま行きましょう。きっと道なんて、怖がって開けてくださいますから」

「そうね。MPの節約にもなるし、開き直って強引に攻めましょ。ふふふ、楽しくなってきたわね」

アレの日も重なっているのか、やたら好戦的だな。
はぁ、今まで慎重にやってきたのに...
ルンルンになって歩いている2人の後ろ姿を見て、まぁいいやっと思う俺。丸くなったのか分からないけど、この2人がいて良かったよ。

「よお、楽しそうにしてるじゃねーか」

また、突然に現れた守護者のグレン。
全く気配がなかった。
俺たちの前に現れてからのグレンからは、チリチリと肌が焼けるような熱を放出させている。
そんな、グレンにネイレスさんが...まさかの行動に移る。

「キモッ。汚い。熱い。臭い。死んで欲しい。消えてください」

グレンに言葉による暴力を振るう。

「は?て、てめぇ、俺がくせーだと!?」

地味に効いている言葉攻め。笑える。
追撃とばかりにユリさんからも罵倒がとぶ。

「ツヴァイの言う通り。貴方は気持ち悪いわ。あと、そのダサい格好なんとかならないのかしら?気持ち悪くて吐きそうになる、うぇ」

あ、グレンの顔が真っ赤になっている。笑える。

「死にてぇよォだなッ、オイイイ!」

「アハハはは!何怒ってんの、グレンさんよー?」

俺は、罵倒ではなく煽る。それはもう、怒りの感情で周りが見えなくなるくらいに煽る。

「ンだァ、てめぇ!確か、ゼロと言ったな。コロスぞッ、ゴラァッ!!」

「アハハはは!マジでウケんだけど。死ぬとか殺すとかしか言えないのか?三下?」

「てぇメェエエ!!」

え?みえ...
殺気を察知して俺は顔を横に倒す。
俺の顔があった場所に拳が...

「誰がぁ、三下だァ!!」

「あ?お前だよ、燃えカスが」

「シネェエッ!」

ゴウケツで炎を纏う拳を受け止める。
こいつ、第2関節だけで剣を殴りやがった…ってことは次の衝撃も来るはず。

「オラァッ!」

「二段突き!?」

原理は分かっているんだけど、力が強すぎて耐えるので精一杯。反撃に出れない。一応、身体能力向上を使っているんだが。
二段突きを耐えたのは良いけど、俺の後ろにあった道や建物が吹き飛んでいるんだけど!!

「今のを耐える奴は中々いねー。ゼロ、次は...」

俺は、剣の間合いに距離をとり戦闘態勢をとる。もちろん、グレンも腰を落とし魔力を体内に向かって練っている。
なるほど、心臓に向かって魔力を集めているのか。

「そこまで!グレン、ここで何をしているのですか?復讐者アベンジャーに確認するために探していたのではなかったのですか?」

「チッ。邪魔すんなよ、ランディ!確認なんて1人殺しても出来るだろうがッ!」

俺の背後に現れたもう1人の守護者ランディ。
やられた。グレンに集中し過ぎて、ランディが来るのを頭から抜けていた。
ここは、ランディに乗っかるしか退路はなさそう。

「燃えカス。落ち着けよ。守護者たるもの冷静さが欠けていたら、殺れるやつも殺せないぞ。おん?」

「今回ばかりはゼロさんの言う通りです。グレン、引きなさい。それに貴方の背後から何時でも攻撃出来るような物を構えている2人がいます。ゼロさんだけでも厄介な存在なのに、3人で攻撃を仕掛けられたらグレンでも死にますよ」

「次もへらず口をたたいたらコロス」

「はいはい、良いから構え解けよ。俺も解くから」

俺とグレンは戦闘姿勢を崩し、涼し気な顔をしているランディの確認とやらを聞く。

「それでなんの確認だ?」

「コホン。貴方たち...復讐者アベンジャーは、このクーデターの首謀者ですか?」

うん?守護者であるランディすらクーデターの首謀者が分からない?そんな事あるのか?

「いや、全く関係ない。むしろこっちは、襲われた側。お前たち、もしくは別の者が扇動していると思っていたんだけど。どうやら、何も知らないみたいだな」

優男のランディが顔を横に振り、ため息を吐く。

「はぁ、そうですか。貴方たちではないとしたらあの商人しか考えられないですね。前にも言いましたが公国がどうなろうとどうでもいいのです。ただ、治癒が使える神官をこれ以上無駄死をさせるのは非効率のも確か。クーデターは、こちらで何とかしますから公国のトップを貴方たちでどうにかしてください。これは提案ですけどね」

「元々そうする予定だったが、邪魔が入ってそれどころではなくなったんだよ」

満足そうに頷く優男ランディ。ムカつく。

「そうですか。今回ばかりは目に余る。レスト王によろしくお伝えください。行きますよグレン」

「チッ。今回も命拾いしたな。ゼロ!」

グレンとランディが去っていくのを見て、俺は耳から血が流れていることに気付く。鼓膜が...


治癒ヒール

連続で治癒ヒールを行い、やっと正常に戻る。
魔力を練って繰り出した拳がここまで強いとは。でも、原理が分かれば俺たちにも使えるはず。
幸先が不安だ...



後書き

次回 公国と激突
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

処理中です...