どーも、反逆のオッサンです

わか

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サツキ公国編

第111話 どーも、守護者です

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前書き

前回のあらすじ

主人公 公国を潰すことを決意する?


本文


どーも、何となく発した言葉が拡大解釈されてしまったオッサンです。
口は災いの元と良く言うが、正にその通りになっちまったよ。あーあ、どうすんだよ、これ。
いやね?俺もユリさんとネイレスさんの返事に乗っかって恐怖と絶望を与えるなんて言ってみたけど、本当はそんな事したくないんだよ?だって、死ぬかもしれないから。
でも、今さら冗談とは言えないだろ?やるしか無いんだよ。後悔しても仕方ない。プラスに考えてみろ、俺。

「なんも、思いつかない...」

「どうしたの、ケンさん?」

俺たちは、隠れ家に向かって移動中。
MPの消費を抑えるため、身体能力向上スキルは使用していない。

「何でもないよ、ユリさん。それより、この路地見覚えないんだけど家まで辿り着けるの?」

「分からないわ。ねぇ、ネイレス。どこに向かっているのかしら?」

「私も適当に走っているだけですよ?巡回する兵や騎士達、それと私たちを尾行している者を撒くためです」

先頭を走っているネイレスさんの言う、俺たちを尾行する者の存在は俺も気付いていた。
現在、真夜中。まだ日が昇る様子もない。そんな真夜中で俺たちを尾行出来るなんて...只者ではないと思う。

「何者かしら?1人で私たちを尾行しているみたいだけど。ッ!」

尾行者の方へ顔を向けたユリさんが突然ケツメイを構えて死角から出てきた神官のロッドを受け止める。

「ふむ、この攻撃を受け止めるか」


聖なる光の礫ホーリーグラブル


「チッ。魔力障壁!!」

俺は、ロッドの先端が光った瞬間、魔力が集まり拡散するのを神龍眼で捉え、ユリさんの身体魔力障壁を纏わせる。
ユリさんの名前を呼ぶのは躊躇われる。敵に知られたくない。なんかないか?ギリシャ語、ドイツ語、中国語、日本語...きっとユリさんとネイレスさんなら即興で合わせてくれるはず!!

「アインス!!その神官から距離をとれ!ツヴァイ、後ろから来る敵の相手を頼む!」

「了解」
「了解」

ユリさんは神官服を着崩している男のロッドを弾き距離をとる。
後方から尾行していた者、こちらも神官。ロン毛の男で優男という印象。
神官服を着崩した男と優男の神官に進路を塞がれる。

「お前たちは何者だ?何故、こんなことをしている?」

神官服を着崩している男の問に俺は、含み笑いをした後答える。

「くふ。くっくっく、俺たちはアベンジャー。制裁、復讐をする者。俺の名はゼロ。よろしくなっ!名も知らない神官さんよぉ!!」

コッケンを抜き、魔力を流し神官服を着崩している男に向け魔力暴走したドス黒い魔力の塊を放つ。
実は、別に詠唱しなくても良いのだ。
ユリさんやネイレスさんにどんな魔法を放つか知られるために今まで唱えていた。
無詠唱からの魔法攻撃は、常々考えていた。奇襲にはもってこいだし。

「なに!?」

ドス黒い魔力の塊を受け止められず吹き飛んでいく神官。


『風爆』
『水爆』


ユリさんとネイレスさんが優男の神官に向け同時に魔法を行使する。
爆の文字通り水と風による爆発が起き、優男の神官がいた場所一帯が更地になる。

「今のうちににげ...は?」

「信じられません。私たちの魔法による攻撃を受けたにも関わらず生きているなんて」

「中々の攻撃だったぜ。神官服が丈夫で良かった。ゼロとその仲間、お前たちは危険だ。ここで始末させてもらう」

至る所に傷を負っている神官が自分に治癒魔法を施し、俺たちの前に再び現れる。
ユリさんとネイレスさんの魔法を食らったはずの優男の神官も傷を負っているが治癒魔法をしながらこちらに向かって歩いてくる。

「お待ちなさい。グレン」

「なんだよ、ランディ?お前、怖気付いたのか?」

「そうではありません。この者たちが光の神官長を殺したと思われます。風の神官長からの報告から推測して間違いないでしょう。グラン。私たちは法国の守護者であり、国外での力の行使は魔人族以外認められていません。お忘れですか?」

「分かっている。だが、コイツらを放置は不味い」

「さっきからごちゃごちゃうるせぇ。法国の守護者が俺たちになんの用だ?」

守護者2人の会話に割り込んで、俺は問う。
俺の問いに答える、守護者ランディ。

「貴方たちは、魔人族に敵対する者ですか?」

「ああ。目を付けられているからな。魔人族が俺たちに敵対するなら殺す。この解答で満足か?」

「ええ。アベンジャーのゼロさん。それが聞けて良かったです。私は、この国がどうなろうと構いません。極論、魔人族と敵対していれば良いのですよ。グレン、本国に帰りますよ」

「お前たち、命拾いしたな。せいぜい魔人族を引き付けて数体殺してくれよな」

捨て台詞と共に姿を消す、守護者2人。
俺は大きく息を吸って吐く。

「はぁー。法国を侮っていた...俺たちの攻撃を受けても致命傷にならないなんて。まだ、上がある事が知れて良かったと考えよ?」

神妙な面持ちで頷くユリさんとネイレスさん。
神龍眼では、魔力の大きさは測れなかったが濃密な魔力を練っていたのは分かった。

「あのまま戦闘になっていたら、間違いないなく殺さていたわ。守護者なんて初めて聞いたわよ」

「そうですね。あの濃密な魔力…私たちの知らない魔力の使い方がありそうです。放出する魔力の大きさだけで強さを判断すると痛い目に会いそうですね」

ユリさんとネイレスさんに激しく同意だわ。
くそっ、1歩間違っていたら死んでいた。
今更になって手が震える。死んでいたかもしれない事実に俺は恐怖した。



後書き

次回 抱擁
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