100 / 145
サツキ公国編
第100話 どーも、風前の灯火です
しおりを挟む
前書き
主人公 銃に撃たれて負傷する
本文
どーも、ユリさんたちを逃がすための時間稼ぎをしていたオッサンです。
くそっ。弾が貫通した腹がいてぇ。ポーションじゃ回復しないようだ。何処に進んでも人、人。呼吸が荒くなって視界が狭くなる。
「はぁ、はぁ、はぁ。やべぇ、このままじゃ...」
街路から路地に入り壁に、もたれながら座る。周りに人がいない事を確認したのち仮面を外し雨空を見ながら呼吸を整える。
「ふぅ。ユリさん、早く俺を見つけてくれないかな」
マジックバックからポーションを取り出し、開いた傷にかける。戦闘中は気にしなかったが、傷口にポーションかけると沁みるのね。
「いてぇ。神龍眼を温存するんじゃなかったわ。まさか銃があるなんて思っていなかった」
きっと追手がくるだろうし、さっさと...
『水球』
神龍眼で魔力を察知出来たが身体が言うこと聞かず魔法が直撃し倒れ伏す。
「かはっ、もうここまで追って来たのか」
「そうよ。私の夫を殺した殺人鬼!ここで死になさい!」
顔を見られて死ぬわけにはいかない。コロス...
『水針』
水で出来た針が襲う。俺は力を振りしきり転がって回避する。胸元に隠していた銃を取り出し、額に狙いを定めて発砲する。
パァァンッ
額に命中し、倒れ込む女。ちくしょう、血で滲んで視界が真っ赤じゃねぇか。魔法に銃声、これだけの音がすれば必ず誰か来る。念のため仮面を装着して...やべ、身体に力が入らん。
「ケンさん!」
「ユリさんか?」
「そうよ!そのままじっとしていて!」
『上級治癒』
ユリさんの声以外も聞こえる。さっきの女魔法使いの他にも俺を追って来たのかな?
「ケンさん、もう安心して。ここからは私が敵を殺すわ」
「はは、やめとけユリさん。敵は人海戦術を使って絶え間なく襲ってくる。早くこの場から逃げよう」
上級治癒のおかげで止血が済み、なんとか意識を保てる。
「この借りは必ず返すわ。ケンさん痛いかもしれないけど我慢して」
俺は、ユリさんにお姫様抱っこされる。恥ずかしい。恥ずかしいからユリさんの胸に顔を埋める。
「ふふ、ケンさん恥ずかしいのね」
『超身体能力向上・隠密』
この匂い落ち着くな。っておい、何考えてんだよ俺!でも、たまには助けられるのも悪くないな。
「ケンさん、大丈夫?ねぇ?私の胸、気持ちいい?」
「それ、今聞くこと?」
「ふふ、だって耳真っ赤。それにこんな機会滅多にないんだから聞かなきゃ損よ」
「そうだな、安心する。迎えに来てくれてありがとう、ユリさん」
「うっ...」
「どうした?」
「ケンさん、このままお持ち帰りして食べていいかしら?」
俺はユリさんの顔をみる。紅潮している頬に、目がギラギラ。その顔を見て、いつものユリさんだと思いながら再度胸に顔を埋める。
「うーん、食べちゃダメ。でも一緒に寝よう。久しぶりに死を感じた。ユリさんと一緒にいたい」
「えっ?えっ?」
「さっきからどうした?」
「だって...ケンさん変よ。いつもと違うわ」
あっ、ユリさんの心拍数が上がっている。緊張しているのかな。
「ドキドキしているのか?ユリさん」
「えっ、ええ。素直なケンさんに少し動揺していのかも」
「そう、いつもドキドキさせられている俺の気持ちが分かった?」
「さっきから何よ!私を、私をどうしたいのよ。ドキドキさせられていたとか、私の胸に顔を埋めるとか」
「嫌なの?」
「嫌じゃないわ。胸が熱くなってきた...」
ユリさんは、建物の上を駆け抜けており隠れ家の近くまで着き、一旦下に着地する。ユリさんの龍眼化、俺の神龍眼で周囲の警戒を15分から30分ほどしてから隠れ家に入る。さすがユリさん、追っ手を完全に撒いたな。隠れ家の扉を開けると、全裸のネイレスさんが立っており俺を見た瞬間、土下座をする。
「この度は、本当に誠に申し訳ありませんでした!ケン様にユリ、私に対して相当の罰をお与えください。死ねと言われればここで自害します」
「俺からの罰は、服を着てひざ枕して欲しい。風邪引くよ、ネイレスさん」
「そうね、服を着なさいネイレス。あと今日のケンさんは甘えん坊だから私にひざ枕譲りなさい」
「はい...」
さて、血の補充やら体力、MPの回復に専念しなければ。
後書き
次回 ユリ発情
主人公 銃に撃たれて負傷する
本文
どーも、ユリさんたちを逃がすための時間稼ぎをしていたオッサンです。
くそっ。弾が貫通した腹がいてぇ。ポーションじゃ回復しないようだ。何処に進んでも人、人。呼吸が荒くなって視界が狭くなる。
「はぁ、はぁ、はぁ。やべぇ、このままじゃ...」
街路から路地に入り壁に、もたれながら座る。周りに人がいない事を確認したのち仮面を外し雨空を見ながら呼吸を整える。
「ふぅ。ユリさん、早く俺を見つけてくれないかな」
マジックバックからポーションを取り出し、開いた傷にかける。戦闘中は気にしなかったが、傷口にポーションかけると沁みるのね。
「いてぇ。神龍眼を温存するんじゃなかったわ。まさか銃があるなんて思っていなかった」
きっと追手がくるだろうし、さっさと...
『水球』
神龍眼で魔力を察知出来たが身体が言うこと聞かず魔法が直撃し倒れ伏す。
「かはっ、もうここまで追って来たのか」
「そうよ。私の夫を殺した殺人鬼!ここで死になさい!」
顔を見られて死ぬわけにはいかない。コロス...
『水針』
水で出来た針が襲う。俺は力を振りしきり転がって回避する。胸元に隠していた銃を取り出し、額に狙いを定めて発砲する。
パァァンッ
額に命中し、倒れ込む女。ちくしょう、血で滲んで視界が真っ赤じゃねぇか。魔法に銃声、これだけの音がすれば必ず誰か来る。念のため仮面を装着して...やべ、身体に力が入らん。
「ケンさん!」
「ユリさんか?」
「そうよ!そのままじっとしていて!」
『上級治癒』
ユリさんの声以外も聞こえる。さっきの女魔法使いの他にも俺を追って来たのかな?
「ケンさん、もう安心して。ここからは私が敵を殺すわ」
「はは、やめとけユリさん。敵は人海戦術を使って絶え間なく襲ってくる。早くこの場から逃げよう」
上級治癒のおかげで止血が済み、なんとか意識を保てる。
「この借りは必ず返すわ。ケンさん痛いかもしれないけど我慢して」
俺は、ユリさんにお姫様抱っこされる。恥ずかしい。恥ずかしいからユリさんの胸に顔を埋める。
「ふふ、ケンさん恥ずかしいのね」
『超身体能力向上・隠密』
この匂い落ち着くな。っておい、何考えてんだよ俺!でも、たまには助けられるのも悪くないな。
「ケンさん、大丈夫?ねぇ?私の胸、気持ちいい?」
「それ、今聞くこと?」
「ふふ、だって耳真っ赤。それにこんな機会滅多にないんだから聞かなきゃ損よ」
「そうだな、安心する。迎えに来てくれてありがとう、ユリさん」
「うっ...」
「どうした?」
「ケンさん、このままお持ち帰りして食べていいかしら?」
俺はユリさんの顔をみる。紅潮している頬に、目がギラギラ。その顔を見て、いつものユリさんだと思いながら再度胸に顔を埋める。
「うーん、食べちゃダメ。でも一緒に寝よう。久しぶりに死を感じた。ユリさんと一緒にいたい」
「えっ?えっ?」
「さっきからどうした?」
「だって...ケンさん変よ。いつもと違うわ」
あっ、ユリさんの心拍数が上がっている。緊張しているのかな。
「ドキドキしているのか?ユリさん」
「えっ、ええ。素直なケンさんに少し動揺していのかも」
「そう、いつもドキドキさせられている俺の気持ちが分かった?」
「さっきから何よ!私を、私をどうしたいのよ。ドキドキさせられていたとか、私の胸に顔を埋めるとか」
「嫌なの?」
「嫌じゃないわ。胸が熱くなってきた...」
ユリさんは、建物の上を駆け抜けており隠れ家の近くまで着き、一旦下に着地する。ユリさんの龍眼化、俺の神龍眼で周囲の警戒を15分から30分ほどしてから隠れ家に入る。さすがユリさん、追っ手を完全に撒いたな。隠れ家の扉を開けると、全裸のネイレスさんが立っており俺を見た瞬間、土下座をする。
「この度は、本当に誠に申し訳ありませんでした!ケン様にユリ、私に対して相当の罰をお与えください。死ねと言われればここで自害します」
「俺からの罰は、服を着てひざ枕して欲しい。風邪引くよ、ネイレスさん」
「そうね、服を着なさいネイレス。あと今日のケンさんは甘えん坊だから私にひざ枕譲りなさい」
「はい...」
さて、血の補充やら体力、MPの回復に専念しなければ。
後書き
次回 ユリ発情
0
お気に入りに追加
1,060
あなたにおすすめの小説

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる