どーも、反逆のオッサンです

わか

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サツキ公国編

第100話 どーも、風前の灯火です

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前書き

主人公 銃に撃たれて負傷する


本文


どーも、ユリさんたちを逃がすための時間稼ぎをしていたオッサンです。
くそっ。弾が貫通した腹がいてぇ。ポーションじゃ回復しないようだ。何処に進んでも人、人。呼吸が荒くなって視界が狭くなる。

「はぁ、はぁ、はぁ。やべぇ、このままじゃ...」

街路から路地に入り壁に、もたれながら座る。周りに人がいない事を確認したのち仮面を外し雨空を見ながら呼吸を整える。

「ふぅ。ユリさん、早く俺を見つけてくれないかな」

マジックバックからポーションを取り出し、開いた傷にかける。戦闘中は気にしなかったが、傷口にポーションかけると沁みるのね。

「いてぇ。神龍眼を温存するんじゃなかったわ。まさか銃があるなんて思っていなかった」

きっと追手がくるだろうし、さっさと...


水球ウォーターボール


神龍眼で魔力を察知出来たが身体が言うこと聞かず魔法が直撃し倒れ伏す。

「かはっ、もうここまで追って来たのか」

「そうよ。私の夫を殺した殺人鬼!ここで死になさい!」

顔を見られて死ぬわけにはいかない。コロス...


水針ウォーターニードル


水で出来た針が襲う。俺は力を振りしきり転がって回避する。胸元に隠していた銃を取り出し、額に狙いを定めて発砲する。


パァァンッ


額に命中し、倒れ込む女。ちくしょう、血で滲んで視界が真っ赤じゃねぇか。魔法に銃声、これだけの音がすれば必ず誰か来る。念のため仮面を装着して...やべ、身体に力が入らん。

「ケンさん!」

「ユリさんか?」

「そうよ!そのままじっとしていて!」


上級治癒ハイヒール


ユリさんの声以外も聞こえる。さっきの女魔法使いの他にも俺を追って来たのかな?

「ケンさん、もう安心して。ここからは私が敵を殺すわ」

「はは、やめとけユリさん。敵は人海戦術を使って絶え間なく襲ってくる。早くこの場から逃げよう」

上級治癒ハイヒールのおかげで止血が済み、なんとか意識を保てる。

「この借りは必ず返すわ。ケンさん痛いかもしれないけど我慢して」

俺は、ユリさんにお姫様抱っこされる。恥ずかしい。恥ずかしいからユリさんの胸に顔を埋める。

「ふふ、ケンさん恥ずかしいのね」


『超身体能力向上・隠密』


この匂い落ち着くな。っておい、何考えてんだよ俺!でも、たまには助けられるのも悪くないな。

「ケンさん、大丈夫?ねぇ?私の胸、気持ちいい?」

「それ、今聞くこと?」

「ふふ、だって耳真っ赤。それにこんな機会滅多にないんだから聞かなきゃ損よ」

「そうだな、安心する。迎えに来てくれてありがとう、ユリさん」

「うっ...」

「どうした?」

「ケンさん、このままお持ち帰りして食べていいかしら?」

俺はユリさんの顔をみる。紅潮している頬に、目がギラギラ。その顔を見て、いつものユリさんだと思いながら再度胸に顔を埋める。

「うーん、食べちゃダメ。でも一緒に寝よう。久しぶりに死を感じた。ユリさんと一緒にいたい」

「えっ?えっ?」

「さっきからどうした?」

「だって...ケンさん変よ。いつもと違うわ」

あっ、ユリさんの心拍数が上がっている。緊張しているのかな。

「ドキドキしているのか?ユリさん」

「えっ、ええ。素直なケンさんに少し動揺していのかも」

「そう、いつもドキドキさせられている俺の気持ちが分かった?」

「さっきから何よ!私を、私をどうしたいのよ。ドキドキさせられていたとか、私の胸に顔を埋めるとか」

「嫌なの?」

「嫌じゃないわ。胸が熱くなってきた...」

ユリさんは、建物の上を駆け抜けており隠れ家の近くまで着き、一旦下に着地する。ユリさんの龍眼化、俺の神龍眼で周囲の警戒を15分から30分ほどしてから隠れ家に入る。さすがユリさん、追っ手を完全に撒いたな。隠れ家の扉を開けると、全裸のネイレスさんが立っており俺を見た瞬間、土下座をする。

「この度は、本当に誠に申し訳ありませんでした!ケン様にユリ、私に対して相当の罰をお与えください。死ねと言われればここで自害します」

「俺からの罰は、服を着てひざ枕して欲しい。風邪引くよ、ネイレスさん」

「そうね、服を着なさいネイレス。あと今日のケンさんは甘えん坊だから私にひざ枕譲りなさい」

「はい...」

さて、血の補充やら体力、MPの回復に専念しなければ。



後書き

次回 ユリ発情
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