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サツキ公国編
第91話 どーも、すき焼きです
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前書き
前回のあらすじ
主人公 爆買いする
本文
どーも、衝動買いをしてしまったオッサンです。
お金があるうちに買い込んでしまうクセが出てしまった。永久保存が出来るマジックバッグの所為だな。持ち運びも便利だし、必須アイテムだね!
「ネイレスさん、サーモンを生で食べたことある?」
「ありません。生で食べられるのですか?」
「俺が前にいた世界では生で食べていたんだ。試しに食べてみる?」
「は、はい」
「私も食べてみたいわ!」
サーモンの切り身を皿に盛り付け、小皿に醤油を入れる。俺の好みで山葵のすりおろしをしたものを醤油に混ぜる。
「別に残してもいいからね。苦手だったら炙るから」
恐る恐るフォークでサーモンの切り身を刺し食べる二人。時が止まったかのように場が静まる。
「美味しいです!」
「美味、美味!」
「はぁ、良かった。好みで山葵を付けてみて。鼻が刺激されるから付けすぎないでね」
「うっ...ツーンとしました!クセになりますね」
「私は苦手かも。醤油とやらに付けて食べるわ」
ネイレスさんは山葵が大丈夫な人。ユリさんはダメか。こればっかりは仕方ない。俺も一口...
「おっ!脂がのっていて美味しいな。二人とも食べすぎるなよ。まだメインの料理が出来ていないんだから」
「大丈夫です!メインの料理もしっかり食べます」
「そうよ、食べれるうちに食べておかないと」
食いしん坊だな。あっという間にサーモンの刺身が無くなっちゃったよ。俺の分まで食べやがって。まあいいや。すき焼きの準備をするかな。水、醤油、砂糖、みりん、酒を用意し、鍋に入れる。味の調整は後で行う。
「ケンさん、それ何?」
「醤油を手に入れたから、作ってみたかった鍋料理。これはすき焼きのタレだよ」
「すき焼き?」
「すげー美味しいから楽しみにしてて」
「分かりました!ユリ、料理が出来るまで買った服の整理をしますよ」
「はーい」
牛肉を薄く切り、皿に盛り付け、切った野菜を鍋に投入。俺は、後から肉を入れる派なのだ!野菜を煮込む間、俺もスーツのチェックをする。
「どうしてこの世界にスーツという言葉があるんだろう。ネイレスさん...」
「はい?あ...」
下着を持って振り向くネイレスさん。黒か...
「ケンさん、下着に興味あるの?ねぇ、何色が好き?」
「黒一択だな」
「やった!ユリが選んだ色は、薄い桃色でしたよね?」
「くっ。今から買い直してくるわ!」
「別に、桃色でも良いじゃん。似合っているよ」
俺は何を言っているんだ。本当は、下着の色なんて気にしないんだけど。
「ふふ、良かったわ。今日は、これにしよ」
「ユリ、ケンさんは仕方なくそう言っただけです。勘違いしないでくださいね」
「あら、ネイレス。貴女にはその色まだ早いのではなくて?」
「フフフっ」
「フフっ」
下着の色で喧嘩するなよ。なんだって良いじゃんとは言えないな。話題を変えなきゃ。
「二人ともちょっと良いか?」
「何ですか?」
「何?」
そんな目で俺を見るなよ。こえーよ。
「ほ、ほら、服屋で買ったスーツがあるだろ?お揃いにしたんだが要らない?」
「お揃いですか!?」
「良いわね!」
二人の表情が変わり、俺の言葉に食いつく。誘導成功!ブラウスは好みのものを選んでもらい、スーツを渡す。ネクタイは黒。クククッ、スタイリッシュで良いじゃないか!
「この服、目立たないかしら?」
「スーツね、スーツ。目立って良いんだよ」
「なるほど。これを着ることによって印象を与えるのですね」
「その通り。スーツ姿だとインパクトあるだろ?」
「ケンさんの趣味でしょ、これ?」
「良いじゃん、スーツ!かっこいいやん」
「はぁ、仕方ないわね。ケンさんがそこまで言うなら着るわ」
コードネーム、ノーフェイス。良い響き。
「ケンさん、そろそろ鍋の方に行きましょう」
「そうだね。牛肉を入れて完成だから、すぐに食べられるよ」
「すき焼き、美味しそうね...この卵は何かしら?」
「器に卵をといて、それにつけて食べるんだ。さぁ、一口食べてみて」
「では、いただきます」
「いただきます」
煮込んだ野菜を溶き卵につけ口に入れるユリさんネイレスさん。
「お、おおー。美味しいです!何なんですか、これ!」
「本当…美味しいわ。ケンさん、好き」
「なに、サラッと告白しているんですか!」
「何よ、ネイレス。間違っただけよ。すき焼きが好きと言いたかったの」
「二人とも行儀悪いよ。牛肉もいい感じ。うま!すき焼き最強だな」
それから俺たちは無心になって食事をする。こんなことなら米を炊いておけばよかった。ミスったぜ。
「はぁー幸せ。ごちそうさま。残さず食べてくれてありがとう」
「感謝するのは私です。美味しいご飯をありがとうございます」
「ありがとう、ケンさん」
「どういたしまして」
食休み後、食器の後片付けをする。二人からの申し出で俺はソファーで寛いでいる。
さて、海龍に会いに行くか...
後書き
次回 未定
前回のあらすじ
主人公 爆買いする
本文
どーも、衝動買いをしてしまったオッサンです。
お金があるうちに買い込んでしまうクセが出てしまった。永久保存が出来るマジックバッグの所為だな。持ち運びも便利だし、必須アイテムだね!
「ネイレスさん、サーモンを生で食べたことある?」
「ありません。生で食べられるのですか?」
「俺が前にいた世界では生で食べていたんだ。試しに食べてみる?」
「は、はい」
「私も食べてみたいわ!」
サーモンの切り身を皿に盛り付け、小皿に醤油を入れる。俺の好みで山葵のすりおろしをしたものを醤油に混ぜる。
「別に残してもいいからね。苦手だったら炙るから」
恐る恐るフォークでサーモンの切り身を刺し食べる二人。時が止まったかのように場が静まる。
「美味しいです!」
「美味、美味!」
「はぁ、良かった。好みで山葵を付けてみて。鼻が刺激されるから付けすぎないでね」
「うっ...ツーンとしました!クセになりますね」
「私は苦手かも。醤油とやらに付けて食べるわ」
ネイレスさんは山葵が大丈夫な人。ユリさんはダメか。こればっかりは仕方ない。俺も一口...
「おっ!脂がのっていて美味しいな。二人とも食べすぎるなよ。まだメインの料理が出来ていないんだから」
「大丈夫です!メインの料理もしっかり食べます」
「そうよ、食べれるうちに食べておかないと」
食いしん坊だな。あっという間にサーモンの刺身が無くなっちゃったよ。俺の分まで食べやがって。まあいいや。すき焼きの準備をするかな。水、醤油、砂糖、みりん、酒を用意し、鍋に入れる。味の調整は後で行う。
「ケンさん、それ何?」
「醤油を手に入れたから、作ってみたかった鍋料理。これはすき焼きのタレだよ」
「すき焼き?」
「すげー美味しいから楽しみにしてて」
「分かりました!ユリ、料理が出来るまで買った服の整理をしますよ」
「はーい」
牛肉を薄く切り、皿に盛り付け、切った野菜を鍋に投入。俺は、後から肉を入れる派なのだ!野菜を煮込む間、俺もスーツのチェックをする。
「どうしてこの世界にスーツという言葉があるんだろう。ネイレスさん...」
「はい?あ...」
下着を持って振り向くネイレスさん。黒か...
「ケンさん、下着に興味あるの?ねぇ、何色が好き?」
「黒一択だな」
「やった!ユリが選んだ色は、薄い桃色でしたよね?」
「くっ。今から買い直してくるわ!」
「別に、桃色でも良いじゃん。似合っているよ」
俺は何を言っているんだ。本当は、下着の色なんて気にしないんだけど。
「ふふ、良かったわ。今日は、これにしよ」
「ユリ、ケンさんは仕方なくそう言っただけです。勘違いしないでくださいね」
「あら、ネイレス。貴女にはその色まだ早いのではなくて?」
「フフフっ」
「フフっ」
下着の色で喧嘩するなよ。なんだって良いじゃんとは言えないな。話題を変えなきゃ。
「二人ともちょっと良いか?」
「何ですか?」
「何?」
そんな目で俺を見るなよ。こえーよ。
「ほ、ほら、服屋で買ったスーツがあるだろ?お揃いにしたんだが要らない?」
「お揃いですか!?」
「良いわね!」
二人の表情が変わり、俺の言葉に食いつく。誘導成功!ブラウスは好みのものを選んでもらい、スーツを渡す。ネクタイは黒。クククッ、スタイリッシュで良いじゃないか!
「この服、目立たないかしら?」
「スーツね、スーツ。目立って良いんだよ」
「なるほど。これを着ることによって印象を与えるのですね」
「その通り。スーツ姿だとインパクトあるだろ?」
「ケンさんの趣味でしょ、これ?」
「良いじゃん、スーツ!かっこいいやん」
「はぁ、仕方ないわね。ケンさんがそこまで言うなら着るわ」
コードネーム、ノーフェイス。良い響き。
「ケンさん、そろそろ鍋の方に行きましょう」
「そうだね。牛肉を入れて完成だから、すぐに食べられるよ」
「すき焼き、美味しそうね...この卵は何かしら?」
「器に卵をといて、それにつけて食べるんだ。さぁ、一口食べてみて」
「では、いただきます」
「いただきます」
煮込んだ野菜を溶き卵につけ口に入れるユリさんネイレスさん。
「お、おおー。美味しいです!何なんですか、これ!」
「本当…美味しいわ。ケンさん、好き」
「なに、サラッと告白しているんですか!」
「何よ、ネイレス。間違っただけよ。すき焼きが好きと言いたかったの」
「二人とも行儀悪いよ。牛肉もいい感じ。うま!すき焼き最強だな」
それから俺たちは無心になって食事をする。こんなことなら米を炊いておけばよかった。ミスったぜ。
「はぁー幸せ。ごちそうさま。残さず食べてくれてありがとう」
「感謝するのは私です。美味しいご飯をありがとうございます」
「ありがとう、ケンさん」
「どういたしまして」
食休み後、食器の後片付けをする。二人からの申し出で俺はソファーで寛いでいる。
さて、海龍に会いに行くか...
後書き
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