どーも、反逆のオッサンです

わか

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サツキ公国編

第90話 どーも、衝動買いです

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前書き

前回のあらすじ

主人公 ざまぁをすることを決意する


本文


どーも、暗躍を企てるオッサンです。
忘れてはいけない。俺は、サーモンを買いに外に出たんだ。真っ直ぐ進んでいたが、中々店まで辿り着かないから余計なことを考えてしまうんだ。

「おっ、なんか見えて来たぞ」

「手さげを持っている人が多いわ」

「二人とも切り替え早すぎです。はぁ、慣れるしかありませんね。ふふ、でも楽しい」

俺たちは人で賑わっている街路に出て、周囲を見渡す。うわ、人多すぎ。迷子になっちまう。ユリさんとネイレスさんの手を掴み、人混みの中歩き出す。

「すごい熱気ね。気持ち悪くなるわね」

「そうですね。こんな街路があるなんて、知りませんでした。私は知らないことだらけですね」

「皆んなそんなもんさ。ここにいる人たちは、公国の外を知らない。ネイレスさんもこれから知っていけばいいよ」

「ふふふ、そうですね。ありがとうございます、ケンさん」

「ネイレス。サツキ公国の人口はどれくらいなの?」

「約500万人です。人間国家では5番目に大きいです」

「5番目...反応に困るわね」

「帝国が壊滅したのであれば4番目になりますね」

首都だから多いのか?その辺りの情報も整理しないといけないな。

「首都だけで500万人というわけではないだろ?」

「それが、公国には首都サツキしか名前がないのです。他の村は開拓村と呼ばれています」

「あー、確か、地図も国名しか書いていなかったな。領主とかの名前にすれば良かったじゃん」

「昔はその政策を行なっていましたが、貧富の差が生まれて今では君主制に戻りました。その立役者が先代なのですが...まあその先代も私のことを鎖で縛って海龍様の橋渡し程度しか考えいなかったのですけどね」

「利用されていた女の恨みは怖いわよ!ふふっ。しかも要らなくなったら捨てるなんてクズの極みね」

「それを行える人間は、どうしようない奴だな。おお?あれはサーモンの切り身じゃないか?おっちゃん、そこのサーモンいくら?」

「お、にいちゃん見る目があるね。今日収穫した最高級のサーモンだ」

「買い占めるから安くして」

「ほ、本当か?それは有難い。金貨50枚だな」

「うぇー、高いじゃん。うん?そこのタレ少し舐めされて」

俺は目を見開き、拡散する。これは...

「醤油だな。おっちゃんこのタレ大量に合わせて金貨50枚でどう?」

「そんなで良いなら全部やるよ」

「毎度あり、はい金貨50枚。この辺りでピリとした山菜はあるか?」

「山葵のことか?それならむかいの店で閑古鳥が鳴いているぜ」

「ありがとう。おおー、テンション上がるぜ。」

向かいの店のおばあちゃんに声をかけるネイレスさん。

「すみませーん、もう店閉めちゃうのですか?」

「魚料理が多いから山の幸なんて売れやしないわい」

「おばあちゃん、ここにある山の幸全て俺が買う。なんなら、機会があれば採取するのを手伝うよ」

「それは、ホントかい?」

「ああ、俺は本気だ。一見葉に見えるこの食材、大葉だろ?」

「若いのによく知っているな。わしの自慢はこの山葵だよ」

「マジかよ。金に糸目はつけねぇ。どうせ売れないなら全て貰うよ。あとそこにあるきめ細かい小麦粉全てくれ」

「そうさね、金貨20枚でどうだい?」

「こんなに状態がいいんだ、30枚は払わせてもらうよ。知っているなら教えて欲しいんだけど、海苔を取り扱っている場所を教えてほしい」

「乾燥させている海苔は、もう少し先に進んだところにあるわい」

「ありがと、家はどの辺り?」

「ここから見える山に家があるのさ。そこいけば自ずと一軒屋が見えるはずだよ」

「恩に切る。それじゃ、またな」

俺は再度ユリさんネイレスさんの手を握り、海苔が売られている場所に到着。見事にパリパリな海苔だな。これを爆買い。もしやと思い米があるか聞いてみたが、なんとあるらしい。隣の店で販売しているとのこと。その店に直行し米を買い占める。ここで俺の買い物パートは終了。次はユリさんとネイレスさんの希望の服屋に買い物しにいく。

「ねぇ、ケンさん。このスカートどちらが良いかしら?」

「どちらも似合っているよ。どっちも買えば?どうせだし靴も揃えたら?」

「そうね、買えるうちに買い込まないと。下着はどちらが良いかしら?」

「どっちも綺麗だよ。うん?どうしたの、ネイレスさん?」

「少し足を出してみました。開放感があって良いですね。あとはTシャツをたくさん買って...ローブもたくさん買って」

「かなり買い込むね。すいませーん、ここにある全ての商品を下さーい」

「あのー、お支払いは可能なのですか?ね

女性店員が提示する額は、白金貨10枚。余裕で買えるな。長袖や冬物の服もしっかり揃えてあるし。あと男性服もしっかり揃っているのも高ポイント。

「はい、白金貨10枚」

「あらー、太っ腹ね。ねえ、貴方、スーツに興味ないかしら」

いきなり背後からガタイのいいオッサンから声をかけられる。

「スーツ?」

「そう、今どきのファッションに合わせて、動きやすいように仕上げているわ、どうかしら」

「なぜ、俺に?」

「ピンと来たのよ、女の感よ。うふ」

「スーツとやらを見せてもらおうか。俺の連れも着れるスーツあるか?」

「女性にスーツはアリだと思っていたからちゃんと揃えているわ」

「おお、大量にあるな。しかも魔力を感じる」

「あら、魔力が見えるの?耐久性は折り紙付きだし、魔力系で編んでいるから、身体に合わせて自動で調整出来るのわ」

「よし、全部買った!あと、髪洗うものと石鹸もセットにしてくれ」

「白金貨150枚よ、一括で払えるかしら?」

「ほい、白金貨150枚だ。文句ないだろ?」

「貴方何者なの?それに...その手、腕利きね」

「アンタもだろ?どう見ても素人じゃない」

「うふ、私は一線から引いた人間よ」

「そうかい。詮索はやめてくれ。マジックバッグに仕舞うけどいい?」

「ええ、そうしてちょうだい」

俺たちは服をありったけ仕舞い。店を後にする。勿論下着も購入した。

「よし、買い出しはここまでにして家に帰ろう」

「ええ、そうしましょう」

「ふふふ。たくさん買いました!マジックバッグがパンパンです」

「マジックバックには当てがある。せっかくだし、そこで買ってから帰ろう」

「はぁーい」
「はーい」

だんだん、ネイレスさんがユリさんに似て来た気がする。あれ?あの白い建物に見覚えがある。帝国にあった商会に似ているな。


チリン、チリン


「こんばんはー。プルトスさんいますか?ケンがきたと言えば分かるはず」

受付の男性店員に声をかける。

「いらっしゃいませ。少々お待ちください。良ければ、そこに座ってお待ちください」

店内に客がいないようだし、今回は無事に済みそうだ。それから待つこと5分。部屋から一人の男性が出てきて叫んでいる。大丈夫だろうか。

「ワシの商談を蔑ろにしよって。この店なんか潰れてしまえ!!」

「お待たせしました。ケン様。また面白い情報もしくは動き出すのですか?どうぞ、お部屋にご案内致します」

「ありがとう。さっきの客いいの?」

「ええ、私の商会に麻薬を売り捌きに来ておりまして、ケン様たちが来店してくれて助かりましたよ」

「へぇー、ここにネイレスさんがいるのに大胆な奴だなー」

「レスト様の指示のようです。私ども麻薬などを取り扱うつもりは毛頭ありません。それより楽しいお話を期待していますよ」

案内された部屋で、前回と同じようにユリさんがお茶を淹れてくれる。

「ありがとう、ようやく一息つけるよ」

「この街も中々盛況で商人にとって有難い場所です。これもネイレス様の政策の一環である税を徴収をしないという政策のおかげですね」

「お褒め頂き有難う御座います。今回は私から話してもよろしいですか?」

「ええ、勿論ですとも」

「煙草の在庫について、ケンさんに半分譲渡してくれないかしら?あの時言いそびれていたの。ごめんない」

「その事であれば、在庫をどうするかこちらも悩んでいたので有難いことです。ちなみにどれくらいの額で取引するつもりですか?」

「そうだなー、帝王が隠し持っていた馬車の構造資料というのはどうだ?」

「馬車ですか?」

「そうだ、この紙を見てくれ」

「設計図ですね。専門の方を呼んでも宜しいですか?」

「構わないが、馬車に関する話が終わったら出て行ってもらう。勿論、模写して構わない」

「ほ、ほ、ほ、ほ。ケン様が売り出すほどの一品。興味がありますね」

「ああ、物量の世界を変える代物だ。素材もこちらから提供させてもらう」

「煙草だけでなく何が望みですか?」

「単刀直入に言おう、俺と契約しないか」

「ほ、ほ、ほ。これはこれは!魅力的な提案ですね。ケン様は奇想天外で御座います。良いでしょう」

専門家を呼んで、プルトスさんと設計図を睨めっこしながら、あーでもない、こーでもないと専門家と話している。帝王が作成した馬車をマジックバックから取り出すと、また会話がヒートアップする。

「その馬車一日貸すから先に俺の連れに頼まれていたものを頂戴」

「す、すみません。少し興奮してしまいました」

ユリさんとネイレスさんは別の部屋に案内され、部屋から出て行く。

「どう?これならお釣が出るくらいじゃないか?」

「画期すぎるものですね。素材も用意して下っていますし。ケン様、一日と言わず約束の日までお借りすることは出来ませんか?」

「いいよ、別に。この街で使う予定ないし、その代わりこの馬車を少し改造してほしいんだ。御者席に屋根をつけて欲しい。プルトスさんのお抱え技師なら容易だろう?」

「そのくらいお安い御用です」

「お金は要らない。悪いが2人きりにしてくれないか?」

「ケン様、貴方様に会えて、私は幸せです。このチャンス絶対に成功させます。ありがとうございました」

専門家が退出したあと、プルトスさんと面を向かって話をする。

「あれだけの技術力の提供をして下さったということは、私たちに何かさせるつもりでしょうか?」

「いや?ただ、武器を売ったら優秀な者たちと一緒にこの国から出て行くことをお勧めする」

「またですか!?次は何があるのですか?」

「海龍が暴れ、キサラ法国とサツキ公国の戦争が始まる。これは確定事項だ」

「はぁ、普通、商人がお客様を振り回すのですが...クックック。面白い。良いでしょう、この国からあらゆる物を買い占めて売り捌き儲けてから退散します。次は皇国に行くので、良ければケン様たちも立ち寄って下さい」

「了解、6日後、よろしく頼むよ。あっ、忘れていた。最高級のマジックバックをいくつか欲しい。王宮から盗めるだけ盗んでくるから」

「ほ、ほ、ほ、ほ。貴方様はとても愉快なお方だ。どうぞ、最高品質のマジックバッグ3つでございます。楽しくなりそうですな」

「プルトスさんも、頭のネジ取れちゃてる?」

「そうかもしれません」

マジックバッグを受け取り、王宮から盗んだものを何処で渡すかなどの打ち合わせをする。おっ、ユリさんたちが戻ってきた。

「外暗いし、そろそろ帰るわよ」

「ほーい。悪いんだけど道案内頼める?」

「お安い御用です。私が案内致ししょう」

「ありがとう」

俺たちは商会を出て街道を歩き、路地に入り家まで辿り着く。

「プルトスさん、ありがとう。それじゃ、6日後待っているね」

「その際は、よろしくお願いします」

玄関前でプルトスさんと別れ、家の中に入る。長い買い物になっちまった。

料理するのめんどくさいからすき焼きにしよう。



後書き

次回 未定
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