どーも、反逆のオッサンです

わか

文字の大きさ
上 下
85 / 145
サツキ公国編

第85話 どーも、二日酔いです

しおりを挟む
前書き

前回のあらすじ

主人公 酒を飲む


本文


どーも、飲み過ぎたオッサンです。
ワインを飲んで酔っ払って寝たのは分かる。うん。なんで俺は裸のユリさんとネイレスさんを抱きしめてんだ?頭いてぇ、昨日の夜何があったんだ...

「うん...ケンさん...」

ユリさんの寝言が聞こえる。それも耳元で!くすぐったい!

「ケンさん...ふぅー」

ネイレスさんが耳に息を吹きかける。ゾクゾク...

「ダァーーーーーッ、二人とも起きているだろ!」

俺は二人の拘束から逃げ...られない。足を絡まれ、身動きが取れない。

「起きたのね、ケンさん。おはよう」

「おはようございます、ケンさん」

「離れろ、二人とも」

「ネイレス、離れなさい」

「ユリこそ、離れてください」

「ここで言い争いするなよ、頭に響く...うぅ」

身体に密着するなと言いたいが、頭が痛くて何も言えない。さすがの二人も飲み過ぎたようで言い争いはすぐに終わり俺から離れてくれる。こら、毛布をそれぞれ持っていくな。寒いだろ!

「寒い...だるい」

額に手を当て起き上がりマジックバックの中から服を取り出し着る。うっ...吐きそう。

「部屋汚ねぇ。どうしよう、片付ける気力がねぇよ」

「ケンさん、私が掃除しますので休んで下さい」

「おお、女神。ネイレスさんありがとう」

「ふふふ、昨日のお礼です...」

「えっ?昨日のお礼?何したの、俺?」

「内緒です」

やだ、怖い。何したのさ、俺。いや何もしていないはずだ。理性を飛ばすなんて考えられない。

「ケンさん、プルトスが店の前に来ているわよ」

「マジかよ。まだ店の品を仕舞ってないぞ」

「なんとかしなさい、ケンさん!」

押すな、叫ぶな。頭に響く!俺は、店の鍵を開けプルトスさんを店の中に入れる。

「おや?昨日は、お酒を飲まれたのですか?」

「分かる?匂う?」

「ええ、分かりますよ。ワインですな」

「さすがだね。帝国の秘蔵のワインだと思う。たぶん...欲しい?」

「おおー、それは是非頂きたいですな」

「それじゃあ、ワインあげる」

マジックバックから5本のワイン取り出し、テーブルに置く。ヴィンテージワイン100年物だ。

「素晴らしい!私もワインを嗜みますが、これほどのワインがあるとは...」

「見ただけで分かるのかよ。あと、そんな大きい声を出さないでくれ」

「これは、失礼しました。もしや二日酔いですかな?」

「ああ、酔いに効く薬ある?」

「ワインを頂きましたのでお礼にどうぞ」

プルトスさんから、錠剤をもらう。後で鑑定してから飲もう。

「ありがとう。今、部屋の掃除をしているからもう少し待っててもらえる?なんならお茶を出すよ」

「いえ、一旦このワインを持ち帰ってから改めて伺います。そうですね、今から5時間後でどうでしょうか?」

「助かるよ」

プルトスさんがお辞儀をした後、店を出て行く。俺は、スマホを取りに奥の部屋に向かう。

「ケンさん、どうだった?」

「今から5時間後に改めて会う予定。それまでに片付けと店の商品を仕舞わないといけない」

「それなら間に合うわね。はい、スマホ」

「お?ありがとう」

ユリさんから受け取り、スマホのカメラを起動させ錠剤の鑑定を行う。


鑑定結果:毒消丸


「...。酔いって毒なの?」

「どうなのかしら?ネイレスは何か知っている?」

「私も分かりません。酔った事がないので」

「そうよねー。ケンさん、お酒弱いのね」

害は無さそうだし、錠剤を水と一緒に飲む。もう、お酒なんて飲むか!

「弱いのかも...あー、まだ頭が痛~い」

「ふふ、ケンさんにも弱いところがあるのね。昨日に続いて新発見だわ」

「昨日?なにそれ?」

「秘密よ」

ユリさんとネイレスさん、昨日何があったというんだよ。まあ、いいや。ごちゃごちゃ考えないで邪魔にならない場所で休んでいよう。

「それにしても、かなり飲んだわね。ネイレス、そこの瓶取って」

「こんな高級なワインを水のように飲んでいましたからね。はい、どうぞ」

「ありがとう。さすが帝王と言うべきかしら。ケンさんのお爺さまだったことは間違いないわ」

「2回ほどお会いしましたが、支配者に相応しい姿というのが私の感想ですね。そう思うとケンさんに似ている気がします」

あんな風になりたかねーよ。帝王ことタダノ・ヒトシのしたことは、俺より酷い。俺も大概だけど。



後書き

次回 隠れ家
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

処理中です...