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サツキ公国編
第79話 どーも、旅仲間です
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前書き
前回のあらすじ
主人公 光の神官長を撃退する
本文
どーも、キサラ法国最速と自称している自称神に愛されし男を撃退したオッサンです。
やたら通り名がある奴だったな。全部、自称だけど。先にユリさんと女王様に休息を取ってもらい、俺は公国まで馬車を走らせている。嫌な天気だな。
「こりゃー、一雨来そうだな。一応、雨除けのネックレスを身につけておくか」
そう言えば、女王様が言っていた強いモンスターって大魔猿のことらしい。一際強い大魔猿王が統率しているとのこと。先程の大魔猿は様子を見に来ただけ。統率が出来るということは、知恵があると思っていた方がいいな。
「ふぁわー。公国まで、まだ先だし察知の結界を展開させて俺も少し寝ようかな」
魔法の道具を取り出し起動させる。居眠り運転だが、疲れたし...スマホのアラームを1時間後にセットし、俺は寝る。
zzZZ、zzZZ
ぴちゃ、ぴちゃ、ザァー
「おい、寝てすぐ雨とかふざけろ。寝かせろよな」
スマホで時間を確認したら、30分しか経っていない。アラームを解除してからハンドルを握り操作する。ゆっくり出来ねぇ。
「これもまた、自然の脅威なのかも。公国に着いたら、御者席にも屋根を付けられる素材を見つけておくか。海に面しているんだ、水捌けのいい素材とかあるだろうし」
公国...女王様が狙われたということは、キサラ法国と繋がっている裏切り者がいる可能性が高い。それも、女王様の側近。女王様しか知らない場所まで法国は襲ってきた。何者かが追跡できるものを預けているとしか考えられない。俺たちが以前、奴隷商人のマジックバックを持っていたために追跡されたように。
「はぁ、仕方ない。後で女王様の身につけているもの全て捨ててもらおう」
色々と考えているうちにだいぶ時間が経ち、ユリさんと女王様が起き出す。6時間くらい爆睡していたな。悪いが俺も寝させてもらうぞ。絶対に起こすなよ。
「お二人とも、おはよう。さぁ、交代だ。眠い、早よ変わってくれ」
「分かっているわ。雨降っているのね...はい、ネイレス。雨除けのネックレスよ」
「ありがとうございます。ケンさん、何かありましたか?」
「特になかったが...女王様、公国を出る際に誰かから何か持たされたものはあるか?」
「えーと、ありますね。兄から腕輪を装備するようにと。...まさか」
「その、まさかだ。その腕輪を森の中に捨てろ。なんて説明されて渡されたか知らないけど、追跡される要因は全て排除した方がいい」
「分かりました。まさか、兄の差し金だったとは...お守りとして持っていけと言われましたが、最悪なお守りですねっ!」
窓から腕輪を投げ捨てる女王様。これで俺たちを追って来ることは出来ないだろう。たぶん。俺は二人と入れ代わり馬車の中に入りクリーンの魔法をかけ、布団を被り横になる。馬車の揺れが心地いい。俺はすぐ眠りつく。
※ユリ視点
「ケンさん、すぐ寝たわね。さて、ネイレス。もう他に誰かに渡されたものはないわよね?」
「実は、海龍様の魔力が込められた指輪を所持しています。これです」
私に、ブルーサファイアのような宝石が装飾されている指輪を見せてくれる。綺麗ね、私もケンさんから指輪貰いたい!
「それは、誰から貰ったの?」
「海龍様であらせられるカイリ様からです。この魔力の波長を追跡することは出来ないはずです。高密度の魔力が込められているそうですから」
「海龍から聞いたの?」
「はい、まだ私が8つの頃にカイリ様から頂戴したものです。いずれくるだろう災厄に備えておきなさいと...」
「そうね...カイリ様の言う災厄って今回のことかしら?」
「分かりかねます。ですが、光の神官長の魅力の魔法を防いでくれていたことを考えると、微量な魔力が流れているのですね」
「貴女の目は、魔力の流れが見えないの?」
私たちと同じ龍の目を宿しているなら見えると思っていたのだけど。
「私は、まだこの目を扱い切れておりません。魔力解放の際、少し見える程度です」
魔力解放...私が使えるようになったのはLV80。ネイレスもLV80なのかしら。
「ねぇ、ネイレス。貴女の魔力解放はいつから出来るようになったの?」
「つい最近です。公国から出る前に使えるようになりました。確か、大海魔の討伐した後ですね」
「貴女も死闘を潜り抜けたのね」
「そうですね。大海魔との戦闘は、死んでいてもおかしくありませんでした。カイリ様が治癒して頂けなければ死んでいたでしょう。...今思えば、大海魔との戦闘の指揮を取っていたのは兄でした。私を先頭に立たせて戦わせることが狙いだったのですね。はぁ、相変わらず兄は強欲ですね。このまま、私が死んだことにすれば...」
「その方が楽かもしれないわね。私たちと旅をする?」
「ふふ、それも楽しそうです。しがらみから解放されたいですし、私は公国では力を持つが故に嫌われていますから。王家の秘宝と煙草と食糧を盗んで見返してやりたいですね」
「貴女なら歓迎するわ。これからよろしくね」
「ええ、よろしくお願いします。ケンさんにちょっかいかけても怒らないで下さいね」
「そうなったら戦争よ」
「ふふふふふ」
「フフフフフ」
※ケン視点
なんだ!!寒気がしたぞ!目が覚めてしまったじゃねーか。風邪か?
後書き
次回 女王のステータス
前回のあらすじ
主人公 光の神官長を撃退する
本文
どーも、キサラ法国最速と自称している自称神に愛されし男を撃退したオッサンです。
やたら通り名がある奴だったな。全部、自称だけど。先にユリさんと女王様に休息を取ってもらい、俺は公国まで馬車を走らせている。嫌な天気だな。
「こりゃー、一雨来そうだな。一応、雨除けのネックレスを身につけておくか」
そう言えば、女王様が言っていた強いモンスターって大魔猿のことらしい。一際強い大魔猿王が統率しているとのこと。先程の大魔猿は様子を見に来ただけ。統率が出来るということは、知恵があると思っていた方がいいな。
「ふぁわー。公国まで、まだ先だし察知の結界を展開させて俺も少し寝ようかな」
魔法の道具を取り出し起動させる。居眠り運転だが、疲れたし...スマホのアラームを1時間後にセットし、俺は寝る。
zzZZ、zzZZ
ぴちゃ、ぴちゃ、ザァー
「おい、寝てすぐ雨とかふざけろ。寝かせろよな」
スマホで時間を確認したら、30分しか経っていない。アラームを解除してからハンドルを握り操作する。ゆっくり出来ねぇ。
「これもまた、自然の脅威なのかも。公国に着いたら、御者席にも屋根を付けられる素材を見つけておくか。海に面しているんだ、水捌けのいい素材とかあるだろうし」
公国...女王様が狙われたということは、キサラ法国と繋がっている裏切り者がいる可能性が高い。それも、女王様の側近。女王様しか知らない場所まで法国は襲ってきた。何者かが追跡できるものを預けているとしか考えられない。俺たちが以前、奴隷商人のマジックバックを持っていたために追跡されたように。
「はぁ、仕方ない。後で女王様の身につけているもの全て捨ててもらおう」
色々と考えているうちにだいぶ時間が経ち、ユリさんと女王様が起き出す。6時間くらい爆睡していたな。悪いが俺も寝させてもらうぞ。絶対に起こすなよ。
「お二人とも、おはよう。さぁ、交代だ。眠い、早よ変わってくれ」
「分かっているわ。雨降っているのね...はい、ネイレス。雨除けのネックレスよ」
「ありがとうございます。ケンさん、何かありましたか?」
「特になかったが...女王様、公国を出る際に誰かから何か持たされたものはあるか?」
「えーと、ありますね。兄から腕輪を装備するようにと。...まさか」
「その、まさかだ。その腕輪を森の中に捨てろ。なんて説明されて渡されたか知らないけど、追跡される要因は全て排除した方がいい」
「分かりました。まさか、兄の差し金だったとは...お守りとして持っていけと言われましたが、最悪なお守りですねっ!」
窓から腕輪を投げ捨てる女王様。これで俺たちを追って来ることは出来ないだろう。たぶん。俺は二人と入れ代わり馬車の中に入りクリーンの魔法をかけ、布団を被り横になる。馬車の揺れが心地いい。俺はすぐ眠りつく。
※ユリ視点
「ケンさん、すぐ寝たわね。さて、ネイレス。もう他に誰かに渡されたものはないわよね?」
「実は、海龍様の魔力が込められた指輪を所持しています。これです」
私に、ブルーサファイアのような宝石が装飾されている指輪を見せてくれる。綺麗ね、私もケンさんから指輪貰いたい!
「それは、誰から貰ったの?」
「海龍様であらせられるカイリ様からです。この魔力の波長を追跡することは出来ないはずです。高密度の魔力が込められているそうですから」
「海龍から聞いたの?」
「はい、まだ私が8つの頃にカイリ様から頂戴したものです。いずれくるだろう災厄に備えておきなさいと...」
「そうね...カイリ様の言う災厄って今回のことかしら?」
「分かりかねます。ですが、光の神官長の魅力の魔法を防いでくれていたことを考えると、微量な魔力が流れているのですね」
「貴女の目は、魔力の流れが見えないの?」
私たちと同じ龍の目を宿しているなら見えると思っていたのだけど。
「私は、まだこの目を扱い切れておりません。魔力解放の際、少し見える程度です」
魔力解放...私が使えるようになったのはLV80。ネイレスもLV80なのかしら。
「ねぇ、ネイレス。貴女の魔力解放はいつから出来るようになったの?」
「つい最近です。公国から出る前に使えるようになりました。確か、大海魔の討伐した後ですね」
「貴女も死闘を潜り抜けたのね」
「そうですね。大海魔との戦闘は、死んでいてもおかしくありませんでした。カイリ様が治癒して頂けなければ死んでいたでしょう。...今思えば、大海魔との戦闘の指揮を取っていたのは兄でした。私を先頭に立たせて戦わせることが狙いだったのですね。はぁ、相変わらず兄は強欲ですね。このまま、私が死んだことにすれば...」
「その方が楽かもしれないわね。私たちと旅をする?」
「ふふ、それも楽しそうです。しがらみから解放されたいですし、私は公国では力を持つが故に嫌われていますから。王家の秘宝と煙草と食糧を盗んで見返してやりたいですね」
「貴女なら歓迎するわ。これからよろしくね」
「ええ、よろしくお願いします。ケンさんにちょっかいかけても怒らないで下さいね」
「そうなったら戦争よ」
「ふふふふふ」
「フフフフフ」
※ケン視点
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次回 女王のステータス
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