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サツキ公国編
第64話 どーも、ユリと神龍です
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前書き
前回のあらすじ
主人公 熟睡
ユリ視点でお届けしています。
本文
どうも、御者をせずケンさんの寝顔を見ているユリです。
ふふ、可愛い寝顔。相当疲労が溜まっていたのね。帝国との戦いで負担が大きい局面を殆ど任せていたから...ケンさんに助けられてから少しは強くなったと自負はしているけど、まだケンさんの隣に立てるほどじゃない。私が成長していると同時にケンさんはもっと成長している。このままでは、一生隣に立てない。いつも血だらけになるのはケンさん。私は、綺麗な身体のまま。
「ねぇ、神龍...どうしたら良いのかしら?」
龍眼化スキルを発動させ、目を閉じて問いかけてみる。
「ダメね。応答してくれないわ。はぁ、私だけの力って何?」
自問自答してみる。戦闘によって磨かれているのは、弓による攻撃。帝王ことケンさんのお爺さまが開発したと思われる指輪を通して属性を変えての魔力付与すること。最後にケツメイ...
『そうよ、貴女はまだケツメイという剣を扱えていない』
「えっ!?誰?」
『こうやって話すのは、2度目かしら。以前は鍛治屋の時よね。私の名は、リン。神龍って呼ばれているわ』
「待って!」
急いでマジックバックから探知の魔法の道具を取り出し発動させる。これで敵が来ても対応出来るはず。
「ごめんなさい、お待たせしたわ」
『気にしないで。貴女が発動している龍眼は、探知にも優れているし、私もケツメイを通して魔力を流して結界を張っているから安心して』
そんな事も出来るの!知らなかった。まだまだ知らないことだらけ、頭を回転させなさい私。考えてリンと話さなきゃ...
『そうね、貴女の弱点はケンさんに頼りすぎていること。ケンさんは、貴女以上に物事を考え行動する。それに従っているだけでは思考を止めていることと同義よ。貴女と私は似ているけれど、決定的に違うところがあるの。それは何か分かるかしら?』
思考を巡らせ考える。決定的に違うところ?リンにあって、私にないもの。
「自分の意思?」
『そう、それよ!ケンさんに助けられ無意識にケンさんを上に見ている。いえ、上に見過ぎている。それは勘違い。貴女は誰?貴女は何のために戦っているの?』
「ケンさんの野望を...いいえ違うわ。ケンさんと一緒にずっといたい。隣に立って、頼られたい。任されたい。お願いじゃなくてケンさんの考えを把握して意見の擦り合わせをしたい。森の中でも、アンデットの軍勢に魔人族との戦い、帝国との戦争。どれもケンさんが常に先頭に立っていた。私は後方で矢を撃っていただけ」
『貴女にとっての1番はケンさんなのは分かるわ。ケンさんのために動きたい。そして共に戦っているけど、最終的にケンさんが打ち倒している。この意味が分かるわよね。隣に立ちたいのなら、前に出なさい。もちろん自分の意思で。ケツメイの効果は知っているわよね?斬れば斬るほど斬れ味が増す。より強い敵と戦って血を啜りなさい。そうねぇ、ライフルはケンさんに返して拳銃と交換しなさい』
「これはケンさんから預かっているものよ?」
『貴女には弓があるじゃない?それを磨き上げなさい。そして先頭に立ち少しでも敵を剣で屠ること。ケンさんは常に強者と戦い、死と隣り合わせで戦ってきたの。貴女も見たはずよ。それがケンさんを強くしているの』
「そう…ね。ケンさんはいつも強者と戦っていた。でも、ライフルを返すことはしないわ。これは、ケンさんから託されたもの。弓と同様に使いこなしてみせる。リンありがとう。決めた...遠距離も近距離の戦闘も分け隔てなく行えるようになる」
『そう...貴女が決めたのならこれ以上言わないわ。見守っているから、頑張りなさい』
リンの気配が消え、ケンさんの寝息だけが聞こえる。きっと、リンは、私の迷いを断ち切るために声をかけた。
ケンさんの頭を撫で、唇まで手を動かし人差し指で触れる。ケンさんの唇に触れた人差し指を自分の口の中に入れる。濡れた指をまたケンさんの唇につけ、再び自分の口の中に入れる。それを数度繰り返す。
「貴方が欲しい...貴方の隣にいたい。私、もっと強くなるから。見捨てないでね」
サツキ公国まで他の国を経由して行かないとなると、自力で山を越えなければならない。山脈付近はモンスターが多いと聞くし、弱肉強食の森や山で生きているから強いとも言われている。
「ふふ、最高の修行場ね」
後書き
次回 コロッケ
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主人公 熟睡
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本文
どうも、御者をせずケンさんの寝顔を見ているユリです。
ふふ、可愛い寝顔。相当疲労が溜まっていたのね。帝国との戦いで負担が大きい局面を殆ど任せていたから...ケンさんに助けられてから少しは強くなったと自負はしているけど、まだケンさんの隣に立てるほどじゃない。私が成長していると同時にケンさんはもっと成長している。このままでは、一生隣に立てない。いつも血だらけになるのはケンさん。私は、綺麗な身体のまま。
「ねぇ、神龍...どうしたら良いのかしら?」
龍眼化スキルを発動させ、目を閉じて問いかけてみる。
「ダメね。応答してくれないわ。はぁ、私だけの力って何?」
自問自答してみる。戦闘によって磨かれているのは、弓による攻撃。帝王ことケンさんのお爺さまが開発したと思われる指輪を通して属性を変えての魔力付与すること。最後にケツメイ...
『そうよ、貴女はまだケツメイという剣を扱えていない』
「えっ!?誰?」
『こうやって話すのは、2度目かしら。以前は鍛治屋の時よね。私の名は、リン。神龍って呼ばれているわ』
「待って!」
急いでマジックバックから探知の魔法の道具を取り出し発動させる。これで敵が来ても対応出来るはず。
「ごめんなさい、お待たせしたわ」
『気にしないで。貴女が発動している龍眼は、探知にも優れているし、私もケツメイを通して魔力を流して結界を張っているから安心して』
そんな事も出来るの!知らなかった。まだまだ知らないことだらけ、頭を回転させなさい私。考えてリンと話さなきゃ...
『そうね、貴女の弱点はケンさんに頼りすぎていること。ケンさんは、貴女以上に物事を考え行動する。それに従っているだけでは思考を止めていることと同義よ。貴女と私は似ているけれど、決定的に違うところがあるの。それは何か分かるかしら?』
思考を巡らせ考える。決定的に違うところ?リンにあって、私にないもの。
「自分の意思?」
『そう、それよ!ケンさんに助けられ無意識にケンさんを上に見ている。いえ、上に見過ぎている。それは勘違い。貴女は誰?貴女は何のために戦っているの?』
「ケンさんの野望を...いいえ違うわ。ケンさんと一緒にずっといたい。隣に立って、頼られたい。任されたい。お願いじゃなくてケンさんの考えを把握して意見の擦り合わせをしたい。森の中でも、アンデットの軍勢に魔人族との戦い、帝国との戦争。どれもケンさんが常に先頭に立っていた。私は後方で矢を撃っていただけ」
『貴女にとっての1番はケンさんなのは分かるわ。ケンさんのために動きたい。そして共に戦っているけど、最終的にケンさんが打ち倒している。この意味が分かるわよね。隣に立ちたいのなら、前に出なさい。もちろん自分の意思で。ケツメイの効果は知っているわよね?斬れば斬るほど斬れ味が増す。より強い敵と戦って血を啜りなさい。そうねぇ、ライフルはケンさんに返して拳銃と交換しなさい』
「これはケンさんから預かっているものよ?」
『貴女には弓があるじゃない?それを磨き上げなさい。そして先頭に立ち少しでも敵を剣で屠ること。ケンさんは常に強者と戦い、死と隣り合わせで戦ってきたの。貴女も見たはずよ。それがケンさんを強くしているの』
「そう…ね。ケンさんはいつも強者と戦っていた。でも、ライフルを返すことはしないわ。これは、ケンさんから託されたもの。弓と同様に使いこなしてみせる。リンありがとう。決めた...遠距離も近距離の戦闘も分け隔てなく行えるようになる」
『そう...貴女が決めたのならこれ以上言わないわ。見守っているから、頑張りなさい』
リンの気配が消え、ケンさんの寝息だけが聞こえる。きっと、リンは、私の迷いを断ち切るために声をかけた。
ケンさんの頭を撫で、唇まで手を動かし人差し指で触れる。ケンさんの唇に触れた人差し指を自分の口の中に入れる。濡れた指をまたケンさんの唇につけ、再び自分の口の中に入れる。それを数度繰り返す。
「貴方が欲しい...貴方の隣にいたい。私、もっと強くなるから。見捨てないでね」
サツキ公国まで他の国を経由して行かないとなると、自力で山を越えなければならない。山脈付近はモンスターが多いと聞くし、弱肉強食の森や山で生きているから強いとも言われている。
「ふふ、最高の修行場ね」
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