どーも、反逆のオッサンです

わか

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シーワーズ帝国復讐編

第52話 どーも、交渉です

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前書き

前回のあらすじ

主人公 ペペロンチーノを食べる


本文


どーも、ペペロンチーノのを作って楽しく食事をしたオッサンです。
いやー、ペペロンチーノって美味しいよね?俺、パスタの中で2番目に美味しいと思っている。1番は、ミートソースかな?この世界では、お目にかかれないけど。ミートソースを作った人は天才だ!前の世界の当たり前の食事がこんなに美味しく感じるのは、きっと汗水流して生きて自分で作って一緒に食べる人がいるからだな。

「地上では、内戦が起きているなんて地下にいるとあ分からないね。爺ちゃんの造った隠し部屋って本当に凄いよね。しかもご丁寧に造り方を記した書類もあるし」

「ええ、ケンさんのお爺さまなだけあります。ケンさん、例の武器は持っているのですか?」

「爺ちゃんが唯一、一から作成した武器だよね?もちろん持っているよ。これは、切り札だからね。使わないことを祈ろう」

「そうですね。その革新的な武器は、この世界を根本的に変えてしまうかも知れません。取り扱いに、ご注意を」

ユリさんの言葉に了解の意味を込めて頷き、隠密スキルを発動させポイントBの倉庫からそっと出る。王城で何があったのかを話し合っている住民。実際、目にしている者もいるため情報の操作が困難になっている。仮面の剣士に弓使いの女を捕まえれば白金貨500枚という声も聞こえてくる。

「遂に懸賞金がかけられたのか?そんな余裕ないと思うけど」

「どうですかね?住民の声を聞く限り、私たちは負傷してどこかに潜んでいることになっています」

「まあ、負傷したけど。今、ピンピンしているよ。ユリさんのケツメイの斬れ味は増しているし、俺も成長したと思うから、もっと警戒しなくちゃ死んじゃうよ?」

「こののんびりした空気は何ですか?危機感がないように思います」

「だよねー。もしかして俺たち、眠ってからかなりの時間が経っているとか?」

「ま、まさか。そんなことはないはずです。私の中では今日の深夜に襲撃をして、朝から昼にかけて寝ていた感覚です」

急いで王城の方へ向かうが多くの人が外を歩いている為、中々前に進まない。ユリさんの手を握り、はぐれないように先導していく。

「ユリさん、どうやら戦闘は終わっているみたい。姫さまたちも行方をくらませているらしいね」

「そのようですね。私たちの撤退のお手伝いだけして引き返したのかもしれません」

「姫さまたちの意図が分からないけど、俺たちの目的は変わらない」

ユリさんから手を離し、屋根の上に飛び降りスマホで偵察をする。ユリさんは龍眼化で魔力偵察を行う。

「ケンさん!魔力が王城に集まっています!」

俺は慌てて左目を隠している布を上げ確認する。

「本当だ...何あれ?何か放つのか?とにかく、あれは不味いな」

「儀式魔法のように見えます。スマホで魔力が集まっている先を確認出来ますか?」

「ああ...あんなのアリかよ」

「何が見えたのですか!」

俺はスマホをユリさんに渡し、確認してもらう。

「魔力が1人の人物に集まっていますね...刀身が赤く光る...あれは聖剣ですか?」

「あの光景にすごく身に覚えがあるんだ。魔力暴走による斬撃。しかも、何百人もの魔力を集めて集約して放つ気なんだろう。神龍の身体の一部が使われているだけあって、あの量の魔力を集約させても壊れない。まさに龍聖剣だね」

「ええっ?あそこから放ったら住民を巻き込みますよ?」

「帝国は、民を民だと思っていない節がある。構わず打ち込んでくると思う」

スマホで聖剣を持つ人物を鑑定する。

鑑定結果:アレス LV70

レベルもたけーな、おい。まだ、時間はある。あそこから放たれる魔力は一点集中というより散弾するタイプだと思う。地面を抉る...隠し部屋がバレるかも。いやいや、あそこは憩いの場なんだ。唯一安心できる場所を崩落させるわけにはいかない。

「この距離なら例の武器が役に立つかも。早くも切り札投入するとは思わなかった」

「ケンさん、他に方法はないのですか?」

「俺の魔力解放に魔力暴走を起こしたコッケンで刀身を弾くことは出来るかもしれないが、力負けするだろうな」

「だったら逃げましょう?ここにいては、私たちも巻き込まれてしまいます」

「逃げる?はは、転移した直後の俺ならもうとっくに逃げているだろうね。でもさ、俺たちだって負けていない。ユリさん、都合が良いのは分かっているけど姫さまたちと協力しない?」

「はぁー、ケンさん、違いますよ。こういうピンチな状況になると目をギラギラさせて立ち向かうのがアナタです。その目に何度も惚れ惚れしますの。仕方ありません。姫さまたちに協力というのは、あの聖剣に対抗するもしくは聖剣の攻撃後の硬直状態のアレスに向かって襲撃を行う」

「どっちも無理であれば、諦めるけど。諦めた先は死だ。まあ、裏切り者がいるかもしれないから、これに魔力を込めてもらうだけにするか。交渉は、ユリさんに任せる」

ユリさんににある物を渡して、姫さまたちの所に向かってもらう。残り時間が少ないが俺もある場所に向かう。仮面を外し、警備兵に止められることなく商会に入る。

「こんにちわ。この前の店員さんだよね?」

「いらっしゃいませ。左様でございます。私の名はプルトスと申します。貴方様とは何か縁を感じます」

「プルトスさん、情報を買わないか?それも生死を分ける情報だ」

「ほう。それは大層な情報とみえる。何故、私なのでしょうか?」

「アンタがこの店のトップだろ?ガンツが作った防具に値段をつけ独自の判断で動いていた。違うか?」

「なるほど…別室に移動致しましょう」

俺とプルトスさんは別室に移動し、2人きりになる。プルトスさんが気を回したのだろう。

「時間もないし、単刀直入に言わせてもらおう。確か、姫さまたちに懸賞金が掛かっていたな。そいつらがいると思われる場所だ」

「貴方様は交渉もお上手のようだ。懸賞金を私に譲渡する、しかも居場所の情報を教えるとは」

「いずれ発見されるし、今が売り時だと思ってね。あ、そうそう。もうすぐこの辺りが瓦礫になる情報も教えよう」

「なっ!それは本当ですか?」

「大真面目に言っている。死にたくないならこの情報が欲しいはず」

「…。いいでしょう。対価は何を望まれているので?」

「逃走ルートの情報とプルトスさん達が逃げる先に、もし家が余っていたら貸して欲しい」

「分かりました、交渉成立です」

俺は、姫さまたちの居場所及び隠し部屋の存在、そして騎士団団長がこれから行うことを伝える。その対価として逃走ルートと次の国の建物の鍵をもらう。

「貴方様の詮索をしている場合ではありませんね。姫君の居場所の情報を売り渡して、この街、いえ、この国から私どもは撤退致します」

「素直に情報を信じるんだな?」

「貴方様の目を見れば分かります。これでも商人なので」

握手をしたのち、店を出る。プルトスさんの情報を確認している時間もないし、さっきの場所に戻るかな。



後書き

次回、聖剣の威力
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