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シーワーズ帝国復讐編
第46話 どーも、衝突です
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前書き
前回のあらすじ
主人公 開戦の狼煙をあげる
本文
どーも、開戦の狼煙として爆発を引き起こしたオッサンです。
5発ほど矢を放ち城壁を破壊していく。入り組んだ路地裏でも、さすがに人の目はある。俺たちは、暗部の格好で行動しているから住民たちから攻撃されないと思っていたが、ここまでの騒動が起きれば気づく者もいるだろう。現に、住民に指をさされて俺たちのことについて叫んでいる。
「あいつらだ!あいつらが青い火を灯した矢を放った!」
「逃げろ!こっちに矢が飛んでくるかもしれない!」
「怪しい仮面をつけている貴様ら!何をしている!」
1人の警備兵と思われる者から声を掛けられるが、ユリさんの矢が額に刺さり即死する。悲鳴が一段と大きくなる。
「ユリさん、援護を頼むよ。俺は、接近してくる兵や騎士たちを始末する」
「分かりました、もしはぐれたらポイントBに!」
「了解!」
俺は集まり出している兵たちに向かって駆け出す。もう、後戻りは出来ない。時間を過去に戻すことは出来ない。皆平等なことは、時間と死だけだと俺は思う。それ以外は全てにおいて不平等だ。
「おま...」
1人、首を刎ねる。2人目、右の肩口から左の腰まで斬りつける。絶対に刃こぼれしないゴウケツによって次々に殺していく。アンデットより知能がある分、人それぞれの動きをしているが、間合いに入ってしまえば全て同じ結果になる。それは、死。斬り損なった者は、ユリさんの矢で死んでいく。
「あれ?もう終わりか?」
「ケンさん、ここにいた兵は全て片付きました。住民達も殺しますか?」
「うーん、住民達を殺しても体力が減るだけだし別に気にしなくていいよ。向かってくるやつだけ殺せばいい」
俺とユリさんは、この場から離脱し王城の城壁に向かって走る。幾人かの住民が斬りかかってきたが、全て返り討ちにする。あれ?あそこにいるのは、商会でお世話になったブタ貴族じゃないか。兵士や傭兵に囲まれていやがる。
「お、お前たち、報酬は出すから、この私を守れ!」
「へいへい、分かってますよ旦那。おれたち...」
傭兵の1人をゴウケツの一振りで首を刎ねられる。傭兵にしては弱くないか?ただのゴロツキかもしれない。
「また会ったな、ブタ野郎。死んどけよ、アホ」
キィーン
「邪魔すんなよ、ゴロツキが。どーせ、死ぬんだから。痛い思いをさせたくないから首を刎ねているのに...ラァ!」
剣を受け止めた傭兵に蹴りを入れ、ブタ野郎のところまで吹き飛ばす。次は、3人同時か。そんなトロい動きで俺に攻撃が当たると思っているのか?向かってきた3人の傭兵の胴体を斬り飛ばす。
「ひぇ、お前たち、何をしている!私を早く守れ!」
「冗談じゃない!こんなに強いと聞いていなかったぞ!」
やけにブタ貴族の周囲に兵や傭兵がいると思ったら、俺たちを殺すために集めたのか。所詮、金でしか動かない奴らだ。信念なき者に、俺が負けるわけない!
「くそっ!死んでたまるかぁーっ!」
ヤケクソになって特攻されても、ユリさんの矢で死ぬだけ。いい的にしかならん。
「結局、最後に頼れるのは自分自身。他人を当てにして生きよーなんざ、虫が良すぎと思わないか?ブタ野郎」
「ひぃ、ヒィヒィヒィーーーーーッ」
「あはははは、ヒィしか言ってないじゃないないか。笑える。会話をすることすらやめたのか...ブタ。さよなら」
ブタ貴族の首を刎ね終え、傭兵が雇い主を失い一目散に逃げていくのを眺めているとユリさんから声をかけられる。
「ケンさん、ポイントBに近いです。一度、隠密スキルを使用してそちらに向かいましょう」
「そうだね。この格好も意味をなしていないし帰りますか」
俺たちは、ポイントBに移動し周囲を確認してから隠し部屋に行く。
「左目が見えなくても、苦戦なく戦えそうだ。王城に沢山の騎士がいるだろうから、夜になったらスマホで確認して襲撃しよう」
「ケンさん、焦りは禁物です。少しずつ、敵の戦力を削っていきましょう?」
「焦っているかな?まあ、それなら今日はこの辺りでやめますか」
「はい、そうしましょう。常に戦場の中にいたら、万全な状態で戦えません。備蓄も沢山ありますから、明日に備えて休みに...」
ガラガラガラガラッ
「何の音?何かが崩れた音が聞こえたけど」
「孤児院の方では?」
「姫さまたちが、この騒動を機に動き出したのか…」
「おそらく。ポイントBの倉庫の方からではなく、孤児院の方から音が響いています。瓦礫を何らかの手段で吹き飛ばしたのでしょう」
「ふーん。音を立てては居場所が分かっちゃうじゃん。こっそり抜け出せばいいのに」
彼女たちも、そこそこなレベルだから騎士たちに食らいつくことぐらい容易だろうし、武器も一級品。はぁ、初めから動けよっと思わなくもないけど。今は姫さまたちのことを考えず、休むことに集中しよう。
後書き
次回 キスマーク
前回のあらすじ
主人公 開戦の狼煙をあげる
本文
どーも、開戦の狼煙として爆発を引き起こしたオッサンです。
5発ほど矢を放ち城壁を破壊していく。入り組んだ路地裏でも、さすがに人の目はある。俺たちは、暗部の格好で行動しているから住民たちから攻撃されないと思っていたが、ここまでの騒動が起きれば気づく者もいるだろう。現に、住民に指をさされて俺たちのことについて叫んでいる。
「あいつらだ!あいつらが青い火を灯した矢を放った!」
「逃げろ!こっちに矢が飛んでくるかもしれない!」
「怪しい仮面をつけている貴様ら!何をしている!」
1人の警備兵と思われる者から声を掛けられるが、ユリさんの矢が額に刺さり即死する。悲鳴が一段と大きくなる。
「ユリさん、援護を頼むよ。俺は、接近してくる兵や騎士たちを始末する」
「分かりました、もしはぐれたらポイントBに!」
「了解!」
俺は集まり出している兵たちに向かって駆け出す。もう、後戻りは出来ない。時間を過去に戻すことは出来ない。皆平等なことは、時間と死だけだと俺は思う。それ以外は全てにおいて不平等だ。
「おま...」
1人、首を刎ねる。2人目、右の肩口から左の腰まで斬りつける。絶対に刃こぼれしないゴウケツによって次々に殺していく。アンデットより知能がある分、人それぞれの動きをしているが、間合いに入ってしまえば全て同じ結果になる。それは、死。斬り損なった者は、ユリさんの矢で死んでいく。
「あれ?もう終わりか?」
「ケンさん、ここにいた兵は全て片付きました。住民達も殺しますか?」
「うーん、住民達を殺しても体力が減るだけだし別に気にしなくていいよ。向かってくるやつだけ殺せばいい」
俺とユリさんは、この場から離脱し王城の城壁に向かって走る。幾人かの住民が斬りかかってきたが、全て返り討ちにする。あれ?あそこにいるのは、商会でお世話になったブタ貴族じゃないか。兵士や傭兵に囲まれていやがる。
「お、お前たち、報酬は出すから、この私を守れ!」
「へいへい、分かってますよ旦那。おれたち...」
傭兵の1人をゴウケツの一振りで首を刎ねられる。傭兵にしては弱くないか?ただのゴロツキかもしれない。
「また会ったな、ブタ野郎。死んどけよ、アホ」
キィーン
「邪魔すんなよ、ゴロツキが。どーせ、死ぬんだから。痛い思いをさせたくないから首を刎ねているのに...ラァ!」
剣を受け止めた傭兵に蹴りを入れ、ブタ野郎のところまで吹き飛ばす。次は、3人同時か。そんなトロい動きで俺に攻撃が当たると思っているのか?向かってきた3人の傭兵の胴体を斬り飛ばす。
「ひぇ、お前たち、何をしている!私を早く守れ!」
「冗談じゃない!こんなに強いと聞いていなかったぞ!」
やけにブタ貴族の周囲に兵や傭兵がいると思ったら、俺たちを殺すために集めたのか。所詮、金でしか動かない奴らだ。信念なき者に、俺が負けるわけない!
「くそっ!死んでたまるかぁーっ!」
ヤケクソになって特攻されても、ユリさんの矢で死ぬだけ。いい的にしかならん。
「結局、最後に頼れるのは自分自身。他人を当てにして生きよーなんざ、虫が良すぎと思わないか?ブタ野郎」
「ひぃ、ヒィヒィヒィーーーーーッ」
「あはははは、ヒィしか言ってないじゃないないか。笑える。会話をすることすらやめたのか...ブタ。さよなら」
ブタ貴族の首を刎ね終え、傭兵が雇い主を失い一目散に逃げていくのを眺めているとユリさんから声をかけられる。
「ケンさん、ポイントBに近いです。一度、隠密スキルを使用してそちらに向かいましょう」
「そうだね。この格好も意味をなしていないし帰りますか」
俺たちは、ポイントBに移動し周囲を確認してから隠し部屋に行く。
「左目が見えなくても、苦戦なく戦えそうだ。王城に沢山の騎士がいるだろうから、夜になったらスマホで確認して襲撃しよう」
「ケンさん、焦りは禁物です。少しずつ、敵の戦力を削っていきましょう?」
「焦っているかな?まあ、それなら今日はこの辺りでやめますか」
「はい、そうしましょう。常に戦場の中にいたら、万全な状態で戦えません。備蓄も沢山ありますから、明日に備えて休みに...」
ガラガラガラガラッ
「何の音?何かが崩れた音が聞こえたけど」
「孤児院の方では?」
「姫さまたちが、この騒動を機に動き出したのか…」
「おそらく。ポイントBの倉庫の方からではなく、孤児院の方から音が響いています。瓦礫を何らかの手段で吹き飛ばしたのでしょう」
「ふーん。音を立てては居場所が分かっちゃうじゃん。こっそり抜け出せばいいのに」
彼女たちも、そこそこなレベルだから騎士たちに食らいつくことぐらい容易だろうし、武器も一級品。はぁ、初めから動けよっと思わなくもないけど。今は姫さまたちのことを考えず、休むことに集中しよう。
後書き
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