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シーワーズ帝国復讐編
第34話 どーも、作戦会議です
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前書き
前回のあらすじ
主人公 地獄の訓練をする
本文
どーも、アンデット地獄を体験させたオッサンです。
俺も含めて血だらけの皆んな。帰るまでが訓練だが、流石に死に体にムチは良くない。俺、ユリさん、イーリスさん、ケイアさん、アルテさんの5人はそれぞれ意識を失った者たちを背負って歩く。
「あと、少し、もう少しで着く」
全員無言で黙々と歩く。話す力も惜しんで歩く。まるでゾンビだな、これは。あっ!目標に立てた小さい旗が見えた。
「着いた...皆んな生きて帰れたわ!」
ケイアさんが倒れ崩れ泣きながら叫ぶ。それに続いてイーリスさんとアルテさんも倒れ込み、意識を失う。
「俺もはじめは、こうやって意識失ったな。よく生き残った、ケイアさんも休んでいいよ」
「ええ、よろしくね...」
「ケンさん、私が皆さんの治癒をしますので天幕の用意出来ますか?」
「りょーかい。ユリさん、何か食べる?」
「サンドイッチとポタージュがいいですね」
それぞれ行動し、1時間ほどしてようやく俺とユリさんもゆっくりする時間が出来る。
「ケンさん、皆さんの容態は明日には回復すると思います。これからどうしますか?」
「うーん、最終的に魔人族に帝国の人間相手をすることになるから対人戦の訓練かな。皆んなそれぞれ身体能力向上や各武器のスキルを習得している。あとは、駆け引きを覚えてもらえれば大きな戦力になると思う」
「そうですね、知能がある生物は厄介ですから。彼女たちが起きるまで私たちは見張りを頑張らないと。ふふふ、久しぶりに私の血を飲んでください」
「い、いきなりぶっ込んでくるね。もう慣れたし、サンドイッチに...ぶふっ」
これまたいきなり口の中に指を突っ込むユリさん。血が流れてくるから飲むしかない。やっぱり不思議な味だな。
「ああ、ケンさんが私の血を...うふ、美味しいですか?」
「不思議な味だったよ。美味しいかは別にしてね。あと、性的興奮を抑えなさいなユリさん」
「嫌です!このまま...」
「あのー...やっぱりお二人はそういう関係なんですか?」
「うおっ!起きたのね、姫さま」
「はい、アルテが運んでくれたので。まだ、完全に回復した訳ではないですが。それで、お二人は何をされていたのですか?」
「血を飲ませていましたの、もう少しでケンさんに襲い掛かかれたのに...」
「ユリ様は、ケン様のことになると暴走しますよね。自重してくださいまし」
「姫さまの言う通りだ、ユリさん。落ち着いて!」
肩を落とし残念そうにしているが、俺は知らん。ナイスタイミングで来てくれた姫様に感謝だよ。
俺は、姫さまのご飯を用意し一緒に食べながら今後の訓練について話し合う。
「今後は、対人戦も経験しながらレベルアップをしてもらう予定。ユリさんの情報では、魔人のLV60だったらしいからまだ力が足りない。今は、復讐心を高めながら辛抱強く訓練」
「ケン様の予定ではどれくらいの時間がかかると思われますか?」
「最低1ヶ月は欲しいかな。その頃には、戦争が終わってしまうかな?」
「私が本陣の偵察に行ってきましたが、帝国側は依然と兵を無駄死にさせておりました。何か意図があるとしか思えません。それと、魔人族の人数は3人。死霊使いにその護衛らしき魔人LV50でした」
「魔人族は人族とは違い、少数民族です。ですが圧倒的な力を保有しています。護衛の魔人も侮れないですね」
「死霊使いの意図が分かれば、対処のしようがあるのだが...あまり時間はないな。姫さま、帝王のしていることに心当たりはあるか?なんでもいい、情報が欲しい」
「私が知る限りでは、勇者召喚について話していたくらいしか分かりません。魔人族と手を組むのに勇者召喚は関係ありませんよね...」
「勇者召喚...転移、召喚、生け贄、そして死霊使い」
なんとなく、小説あるあるな展開だな。
悪魔の召喚。
大きな催しがあると死霊使いが言っていたし、あながち間違った考察ではないだろう...たぶん。
「ケンさん、私たちは常に強敵に向かって行きました。レベル差なんて気にしないで戦ってきましたよね?なら、セレネ姫達も格上相手に戦うことが1番の経験になるのでは?」
「危険地帯に行くのは死にに行くようなものだ。俺たちは別に向かっていった訳ではない。相手から来たんだ、勘違いするな。どの戦いも死んでもおかしくなかったし...」
「ケン様、私はユリ様に賛成です。生き残るための体力や技術は必要だと思いますが、これから様々な困難にあたる度に時間をかけていたら気持ちが途切れてしまいます」
「分かった、分かったよ。二人の意見を尊重して、決行は3日後にする。今日はもう遅いから休んで明日から対人戦の訓練やスキル使用の確認だ。これでいいか?」
「はい。ご無理を承知の上で進言を聞いてくださりありがとうございます」
本当は緻密な作戦を立てたいところだが、本人たちが望むのであれば仕方ない。正直言って、姫さまたちがこの戦いで死んでも俺は心を痛めない。とにかく、明日以降また血反吐を吐きながら俺も含めて訓練するしかないな。
後書き
次回 魔人族との戦闘
前回のあらすじ
主人公 地獄の訓練をする
本文
どーも、アンデット地獄を体験させたオッサンです。
俺も含めて血だらけの皆んな。帰るまでが訓練だが、流石に死に体にムチは良くない。俺、ユリさん、イーリスさん、ケイアさん、アルテさんの5人はそれぞれ意識を失った者たちを背負って歩く。
「あと、少し、もう少しで着く」
全員無言で黙々と歩く。話す力も惜しんで歩く。まるでゾンビだな、これは。あっ!目標に立てた小さい旗が見えた。
「着いた...皆んな生きて帰れたわ!」
ケイアさんが倒れ崩れ泣きながら叫ぶ。それに続いてイーリスさんとアルテさんも倒れ込み、意識を失う。
「俺もはじめは、こうやって意識失ったな。よく生き残った、ケイアさんも休んでいいよ」
「ええ、よろしくね...」
「ケンさん、私が皆さんの治癒をしますので天幕の用意出来ますか?」
「りょーかい。ユリさん、何か食べる?」
「サンドイッチとポタージュがいいですね」
それぞれ行動し、1時間ほどしてようやく俺とユリさんもゆっくりする時間が出来る。
「ケンさん、皆さんの容態は明日には回復すると思います。これからどうしますか?」
「うーん、最終的に魔人族に帝国の人間相手をすることになるから対人戦の訓練かな。皆んなそれぞれ身体能力向上や各武器のスキルを習得している。あとは、駆け引きを覚えてもらえれば大きな戦力になると思う」
「そうですね、知能がある生物は厄介ですから。彼女たちが起きるまで私たちは見張りを頑張らないと。ふふふ、久しぶりに私の血を飲んでください」
「い、いきなりぶっ込んでくるね。もう慣れたし、サンドイッチに...ぶふっ」
これまたいきなり口の中に指を突っ込むユリさん。血が流れてくるから飲むしかない。やっぱり不思議な味だな。
「ああ、ケンさんが私の血を...うふ、美味しいですか?」
「不思議な味だったよ。美味しいかは別にしてね。あと、性的興奮を抑えなさいなユリさん」
「嫌です!このまま...」
「あのー...やっぱりお二人はそういう関係なんですか?」
「うおっ!起きたのね、姫さま」
「はい、アルテが運んでくれたので。まだ、完全に回復した訳ではないですが。それで、お二人は何をされていたのですか?」
「血を飲ませていましたの、もう少しでケンさんに襲い掛かかれたのに...」
「ユリ様は、ケン様のことになると暴走しますよね。自重してくださいまし」
「姫さまの言う通りだ、ユリさん。落ち着いて!」
肩を落とし残念そうにしているが、俺は知らん。ナイスタイミングで来てくれた姫様に感謝だよ。
俺は、姫さまのご飯を用意し一緒に食べながら今後の訓練について話し合う。
「今後は、対人戦も経験しながらレベルアップをしてもらう予定。ユリさんの情報では、魔人のLV60だったらしいからまだ力が足りない。今は、復讐心を高めながら辛抱強く訓練」
「ケン様の予定ではどれくらいの時間がかかると思われますか?」
「最低1ヶ月は欲しいかな。その頃には、戦争が終わってしまうかな?」
「私が本陣の偵察に行ってきましたが、帝国側は依然と兵を無駄死にさせておりました。何か意図があるとしか思えません。それと、魔人族の人数は3人。死霊使いにその護衛らしき魔人LV50でした」
「魔人族は人族とは違い、少数民族です。ですが圧倒的な力を保有しています。護衛の魔人も侮れないですね」
「死霊使いの意図が分かれば、対処のしようがあるのだが...あまり時間はないな。姫さま、帝王のしていることに心当たりはあるか?なんでもいい、情報が欲しい」
「私が知る限りでは、勇者召喚について話していたくらいしか分かりません。魔人族と手を組むのに勇者召喚は関係ありませんよね...」
「勇者召喚...転移、召喚、生け贄、そして死霊使い」
なんとなく、小説あるあるな展開だな。
悪魔の召喚。
大きな催しがあると死霊使いが言っていたし、あながち間違った考察ではないだろう...たぶん。
「ケンさん、私たちは常に強敵に向かって行きました。レベル差なんて気にしないで戦ってきましたよね?なら、セレネ姫達も格上相手に戦うことが1番の経験になるのでは?」
「危険地帯に行くのは死にに行くようなものだ。俺たちは別に向かっていった訳ではない。相手から来たんだ、勘違いするな。どの戦いも死んでもおかしくなかったし...」
「ケン様、私はユリ様に賛成です。生き残るための体力や技術は必要だと思いますが、これから様々な困難にあたる度に時間をかけていたら気持ちが途切れてしまいます」
「分かった、分かったよ。二人の意見を尊重して、決行は3日後にする。今日はもう遅いから休んで明日から対人戦の訓練やスキル使用の確認だ。これでいいか?」
「はい。ご無理を承知の上で進言を聞いてくださりありがとうございます」
本当は緻密な作戦を立てたいところだが、本人たちが望むのであれば仕方ない。正直言って、姫さまたちがこの戦いで死んでも俺は心を痛めない。とにかく、明日以降また血反吐を吐きながら俺も含めて訓練するしかないな。
後書き
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