32 / 145
シーワーズ帝国復讐編
第32話 どーも、今後の方針です
しおりを挟む
前書き
前回のあらすじ
主人公 作戦名を決める
本文
どーも、作戦名『ざまぁ』と名づけたオッサンです。
数名からイジられ笑われた作戦名だけど、ネーミングセンスのなさは俺の欠点であるからして仕方ないと思う。それにしても、個性豊かな騎士とメイドだな。アルテさん以外は孤児院から引き取ったらしい。
天幕の中に戻り、俺は訓練がてら見張りをすると伝え再び外に出る。死体の腐敗した匂いがするが、もう慣れた。
「ケンさん、久しぶりという訳ではないのですがお風呂入って良いですか?」
ユリさんが天幕から出てきて俺のそばに寄って聞いてくる。
「何人か見張りを立てるなら大丈夫。他の人もリラックスも兼ねて入れば良いよ。準備するから待ってて」
俺は、大きな天幕の横に小さな家とお風呂場として使っている天幕を取り出して設営する。
「入浴は出来ないけど、お湯でサッパリ出来ると聞いて手伝いにきた」
獣人族で男よりイケメンだと思う美麗の女騎士ライアさんが俺の手伝いをしてくれるらしい。
「あれ?他の人は?」
「みんなで外に出るのは迷惑だと思って、ジャンケンで決めた」
「分かった。今から設営するところだから助かったよ。この天幕を張ってくれる?」
「了解した」
ライアさんに天幕を渡し設営してもらう。その間、俺は石を温める。
ユリさんも来て天幕の設営を手伝い、完成させたのち樽に水を魔法で入れてくれる。その水の中に高温になった石を投げ入れ、水からお湯に換える。最後に入浴セットを取り出してユリさんに渡してお願いをする。
「ユリさん、みんなに使い方教えてあげて。見張りは3人ぐらいで良いと思う。小さい家の方は仮眠室として使おう」
「分かりました、皆さんに伝えてきます」
「ケン、ありがとう。必ずこの恩義を皆んなで返す」
ライアさんからお礼を言われて、俺は、頼むよと返事をして訓練と今後の作戦を考える。
「雑魚狩りはハルバード...なに?」
カーラさんが天幕から出てきて俺を見ている。思考が乱れるから早く退いてほしい。
「見張りのついでにキミの訓練を見ているから、気にしないでくれ」
気が散るだけどな...俺も騎士の戦う様子見てみたい。なら、模擬戦しかあるまい。
「カーラさん、俺と真剣に模擬やらない。実践でハルバードが使えるか試したい」
「その言葉を待っていた。奴隷商人から大量の武器を拝借したと言っていたが、槍と盾はあるか?」
笑顔で詰め寄ってくるカーラさん。この人、戦闘狂なのか?
「ああ、あるがもっと良い獲物を使ったら?」
「悩ましいな...いや、今回は市販で売られている槍で構わない。あと、盾は軽いのがいいな」
マジックバックから数本の槍と数枚の盾を取り出し選んでもらう。見張りのためにボクっ娘のハルさんとアルテさんが天幕から出てくる。
「いいなー、僕も武器が欲しいな」
「模擬戦が終わったら大きい天幕の中に武器広げておくら、今はこの槍を使ってくれ」
ハルさんとアルテさんにカーラさんが選ばなかった槍を投げて渡す。
「カーラ、ムキになってはいけませんよ?」
「分かっている。久しぶりに楽しめそうな男がいるんだ!良い訓練になるだろう」
「ケンさんも程々にお願いします」
「相手に降参を言わせた方が勝ち。魔法やスキルは禁止。あとはなんでもありの真剣勝負。いい?」
頷くカーラさん見て俺は構えをとる。初手は、間合いをはかる為に相手に譲る。
雰囲気を察してアルテさんが開始の合図だす。
「はじめ!!」
「ハッ!」
やはり突きで来たか。なら、弾いてやんよ。
ガッ、キィィイン
あれ?なんで槍から手を離して...
「フンッ!!」
間合いが詰められ、カーラさんが腰から抜いた剣を振るう。
槍は初手で勝負して外したら、間合いを詰めて剣で勝負しにくるのか。中々、見事な攻撃だよ。でも...
「遅い」
ミノスの踏み込みこんな生易しくない。もっと強く、そして早かった。だから俺は対応出来るし、ミノスみたく身体を自在に操ってみせる。
「なっ!」
カーラさんが剣を振るの最低限の動きで避け、俺もカーラさんとの間合いを詰めて拳を顎を目がけて突き出す。気持ちよく決まったな。脳震盪は確実だろうよ。
カーラさんは大の字になって倒れている。
パチパチパチパチ
拍手をしながら近づき治癒を行うユリさん。それに同行している姉御キャラのイーリスさん。
「あとは、うちが見とくから治癒ヒール大丈夫。カーラもこれで少しは大人しくするだろうし...2人ともありがとう」
なんのことだか分からないけど、一応返事はしておく。
「どう致しまして」
イーリスさんはカーラさんを小さい家の方に運んでいく。その後ろ姿を見つつ、スマホで鑑定する。
「カーラさんがレベル23、騎士の中では1番レベルが高い。...これは、厳しいな。全員、アンデットの軍勢の中に放り込んで強制的にレベルアップしてもらうか」
「そうですね、すぐ死なれては困ります。少し乱暴な訓練ですけど、アンデット退治をしてもらいながら実践経験とレベルアップを並行して行いましょう」
ユリさんと今後について方針を決める。
まず、姫さま含めて全員レベルアップしてもらう。最低でもLV40になってもらう。これが現実だ。時間が許す限り死ぬ気で取り組んでいかなければ復讐なんて夢のまた夢。
明日はアンデット退治と魔人の所在の確認だな。
俺は、見張りの交代時間までハルバードで素振りを行い続けた。
後書き
次回 未定
前回のあらすじ
主人公 作戦名を決める
本文
どーも、作戦名『ざまぁ』と名づけたオッサンです。
数名からイジられ笑われた作戦名だけど、ネーミングセンスのなさは俺の欠点であるからして仕方ないと思う。それにしても、個性豊かな騎士とメイドだな。アルテさん以外は孤児院から引き取ったらしい。
天幕の中に戻り、俺は訓練がてら見張りをすると伝え再び外に出る。死体の腐敗した匂いがするが、もう慣れた。
「ケンさん、久しぶりという訳ではないのですがお風呂入って良いですか?」
ユリさんが天幕から出てきて俺のそばに寄って聞いてくる。
「何人か見張りを立てるなら大丈夫。他の人もリラックスも兼ねて入れば良いよ。準備するから待ってて」
俺は、大きな天幕の横に小さな家とお風呂場として使っている天幕を取り出して設営する。
「入浴は出来ないけど、お湯でサッパリ出来ると聞いて手伝いにきた」
獣人族で男よりイケメンだと思う美麗の女騎士ライアさんが俺の手伝いをしてくれるらしい。
「あれ?他の人は?」
「みんなで外に出るのは迷惑だと思って、ジャンケンで決めた」
「分かった。今から設営するところだから助かったよ。この天幕を張ってくれる?」
「了解した」
ライアさんに天幕を渡し設営してもらう。その間、俺は石を温める。
ユリさんも来て天幕の設営を手伝い、完成させたのち樽に水を魔法で入れてくれる。その水の中に高温になった石を投げ入れ、水からお湯に換える。最後に入浴セットを取り出してユリさんに渡してお願いをする。
「ユリさん、みんなに使い方教えてあげて。見張りは3人ぐらいで良いと思う。小さい家の方は仮眠室として使おう」
「分かりました、皆さんに伝えてきます」
「ケン、ありがとう。必ずこの恩義を皆んなで返す」
ライアさんからお礼を言われて、俺は、頼むよと返事をして訓練と今後の作戦を考える。
「雑魚狩りはハルバード...なに?」
カーラさんが天幕から出てきて俺を見ている。思考が乱れるから早く退いてほしい。
「見張りのついでにキミの訓練を見ているから、気にしないでくれ」
気が散るだけどな...俺も騎士の戦う様子見てみたい。なら、模擬戦しかあるまい。
「カーラさん、俺と真剣に模擬やらない。実践でハルバードが使えるか試したい」
「その言葉を待っていた。奴隷商人から大量の武器を拝借したと言っていたが、槍と盾はあるか?」
笑顔で詰め寄ってくるカーラさん。この人、戦闘狂なのか?
「ああ、あるがもっと良い獲物を使ったら?」
「悩ましいな...いや、今回は市販で売られている槍で構わない。あと、盾は軽いのがいいな」
マジックバックから数本の槍と数枚の盾を取り出し選んでもらう。見張りのためにボクっ娘のハルさんとアルテさんが天幕から出てくる。
「いいなー、僕も武器が欲しいな」
「模擬戦が終わったら大きい天幕の中に武器広げておくら、今はこの槍を使ってくれ」
ハルさんとアルテさんにカーラさんが選ばなかった槍を投げて渡す。
「カーラ、ムキになってはいけませんよ?」
「分かっている。久しぶりに楽しめそうな男がいるんだ!良い訓練になるだろう」
「ケンさんも程々にお願いします」
「相手に降参を言わせた方が勝ち。魔法やスキルは禁止。あとはなんでもありの真剣勝負。いい?」
頷くカーラさん見て俺は構えをとる。初手は、間合いをはかる為に相手に譲る。
雰囲気を察してアルテさんが開始の合図だす。
「はじめ!!」
「ハッ!」
やはり突きで来たか。なら、弾いてやんよ。
ガッ、キィィイン
あれ?なんで槍から手を離して...
「フンッ!!」
間合いが詰められ、カーラさんが腰から抜いた剣を振るう。
槍は初手で勝負して外したら、間合いを詰めて剣で勝負しにくるのか。中々、見事な攻撃だよ。でも...
「遅い」
ミノスの踏み込みこんな生易しくない。もっと強く、そして早かった。だから俺は対応出来るし、ミノスみたく身体を自在に操ってみせる。
「なっ!」
カーラさんが剣を振るの最低限の動きで避け、俺もカーラさんとの間合いを詰めて拳を顎を目がけて突き出す。気持ちよく決まったな。脳震盪は確実だろうよ。
カーラさんは大の字になって倒れている。
パチパチパチパチ
拍手をしながら近づき治癒を行うユリさん。それに同行している姉御キャラのイーリスさん。
「あとは、うちが見とくから治癒ヒール大丈夫。カーラもこれで少しは大人しくするだろうし...2人ともありがとう」
なんのことだか分からないけど、一応返事はしておく。
「どう致しまして」
イーリスさんはカーラさんを小さい家の方に運んでいく。その後ろ姿を見つつ、スマホで鑑定する。
「カーラさんがレベル23、騎士の中では1番レベルが高い。...これは、厳しいな。全員、アンデットの軍勢の中に放り込んで強制的にレベルアップしてもらうか」
「そうですね、すぐ死なれては困ります。少し乱暴な訓練ですけど、アンデット退治をしてもらいながら実践経験とレベルアップを並行して行いましょう」
ユリさんと今後について方針を決める。
まず、姫さま含めて全員レベルアップしてもらう。最低でもLV40になってもらう。これが現実だ。時間が許す限り死ぬ気で取り組んでいかなければ復讐なんて夢のまた夢。
明日はアンデット退治と魔人の所在の確認だな。
俺は、見張りの交代時間までハルバードで素振りを行い続けた。
後書き
次回 未定
0
お気に入りに追加
1,060
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる