どーも、反逆のオッサンです

わか

文字の大きさ
上 下
28 / 145
転移

第28話 どーも、姫さまです

しおりを挟む
前書き

前回のあらすじ

主人公 地中に潜って寝る


本文


どーも、トンデモ理論で休息をとっていたオッサンです。
あれから死んだように寝て、起きて冷静になって振り返ってみて、本当にバカな事したなって思ったよ。ユリさんも俺の行動がツボったらしく腹を抱えながら思い出し笑いをしている。

「地上がダメなら地下行くしかないっしょ。キリッ。ぷ、ふはははは。ダメ、ケンさんバカすぎる!」

「いやいやいやいや、ユリさんや。あんたも理に適ってますね!とか言ってたよ!」

「私もバカですが、ケンさんのバカは真面目に行動しちゃうところ...ぷ、ふははは。でも、そのおかげでしっかり休息出来ました。久しぶりに満足に寝た気がします」

「確かに、体力もMPも完全回復した。ご飯は、前の残りものでいいよね?」

クリーンを家の中と自分の体全体にかけ、ご飯の支度をする。

「パスタが残りものというのは贅沢ですね。これからどうしますか、ケンさん」

「そんなの決まっているよ、散々俺たちの邪魔をしてくれたこの戦争に介入して首謀者の首を刎ねてやる。帝国の人間か、それとも魔人か。それと、あんなにアンデットを倒したのにレベルが少ししか上がっていない。雑魚を相手にしてもダメなら強いやつを潰す」

「少しとは?スキルも追加されていないのですか?」

「お互いレベル55、スキルの追加は俺に魔力操作が追加されただけ」

「あんなに倒して7レベルしか上がってないのですか、一応スマホを見せてもらっても良いですか?」

スマホをユリさんに渡し確認してもらう。

鑑定結果:
◆名前 ユリ
◆種族 エルフ
◆性別 女
◆年齢 19
◆Lv       48→55
◆HP     960→1100
◆MP     2400→2750

◆スキル
生活魔法 精霊魔法(水・風) 身体能力向上 隠密 索敵 弓使い 治癒 細剣使い 自己治癒向上 龍眼化 血の乱舞 魔力障壁 集中力向上 空歩 魔力付与 魔力操作

鑑定結果:
◆名前 タダノ ケン
◆種族 人間
◆性別 男
◆年齢 31
◆Lv       18→55
◆HP     500→2750
◆MP     355→1500

◆スキル
生活魔法 身体能力向上 隠密 索敵 治癒ヒール 乱れ切り 豪剣使い 死の舞踊 自己治癒向上 魔法強化 見切り 魔力障壁 NEW→魔力操作

「私の数値は計算できますが、ケンさんのはよく分からないですね」

「MPに関しては、何度も枯渇させたからね。そのおかげで加算されているのかも。気にしないでもいいよ、お互い真逆のステータスだから、バランスがいい」

「そうですね、私たちは2人で最強のパーティですから!」

ご飯を食べ終わり、食器を洗い、支度を整える。俺は、コッケンを装備しユリさんに地上までの道を精霊魔法で作るよう指示をする。

「どれくらい寝ていたかは分からないけど地上に出たら、文字通り屍を越えてさりげなく兵士として潜り込む」

ユリさんの精霊魔法で地上との道が出来たんだろう。腐敗した匂いが鼻を刺激する。

「うぇ、気持ち悪い。鼻が麻痺するまで耐えるしかない」

家から出てすぐ小さな家をマジックバックにしまう。その瞬間、一気に空洞になった穴に土やアンデットや兵士の死体がなだれ込む。急いでユリさんが作ってくれた道を進み登る。一気に地上に出て周囲の警戒をする。

「おぇ、本当に気持ち悪いな。ユリさん?」

「ケンさん...腐ってはいるのですが意識があります」

「意識?腐っていたのは人間の可能性が高のか?」

「はい、それもついさっきまで普通の人族だったのでしょう。話しかけたら反応するかもしれません」

「君、俺の声きこえる?」

「う、あ、ぅ、あ」

「女性の方みたいですね。それもドレスを着ていて階級の高い者です」

うん?なりかけ女性ゾンビが袋を俺に渡す。これを開ければいいのか?とりあえず開けて30の小瓶が入っているけど振りかけてみるか。

ほれ、びしゃ

あれ?ゾンビまではいってない女性が、普通の状態に戻った。

「あ、ありがとうございます。兵士様、至急、ここにいる全員に聖天水を振りかけます。お手伝い頂けますか?」

俺とユリさんは女性の指示に従い聖天水を振りかける。振りかけられた騎士やメイドたちは元の状態に戻っていく。
一応俺たちは、兵士の格好のままだし大丈夫だよな。敬礼とかのマナーを知らないから騎士たちに対してどう対応すれば良いんだろうか。

小声でユリさんと話す。

「この状況はなに?聖天水って、知ってる?」

「私もなにがどうなっているのか検討がつかないです。聖天水は、ポーションとは違う別の治癒水ですね。たしか...病や邪を祓う効果がありますが、かなりの高額で取引きされていると聞いております」

「へぇー、この人たちは病や邪に取り憑かれた、もしくは侵されていたと言うわけなんだね。少し貰っておけば良かったわ」

「ケンさんは、なにか病でも罹っているのですか?」

首を振り、病はかかっていないことユリさん伝える。俺たちはこのままお役御免になることは...ないだろうな。

「あの、この度は助けてくださりありがとうございました」

女性は優雅にカーテシーでお礼を述べる。それに続き、騎士やメイドもそれぞれの礼の姿勢をとる。この場をあやふやにしないと面倒な事になりそうだと第六感が告げている。

「私たちは前線で偶々生き残り、偶々ここを通りかかった者なのでそこまでの礼をして頂く必要はありません」

ドレスを着ている女性、騎士の女性、メイド服を着ている女性、皆女性じゃないか。コイツら何者なんだ?いやいや、模索し出すと厄介ごとに巻き込まれる。用がないならさっさと逃げ...

「貴方方は、ただの兵士ではないですよね。地中から出てきましたし。何者ですか?」

おいおい、いきなり戦闘態勢をとるなよ。助けたことをまた後悔することなる。

「それを知って君たちに何の徳があるんだ?別に命を救ってくれた兵士のままでいいだろ」

「ケンさん、口調が荒くなっていますよ。それに、無事にここを去るのは無理です」

「だよねー...俺たちに抵抗の意思はないから警戒解いてくれ」

俺は、その場に座り込み兜を外し、マジックバックに武器を仕舞う。ユリさんも俺に見習って座る。

「これでいいか?俺たちは帝国の兵士じゃない。地中にいたのは、休息を取るためであって...説明が面倒だな。とにかくアンデットの軍勢と戦っていたんだよ」

「そうですか。あの大きな穴を見たところ、貴方が言っていることは一理ありますね。この場で起きたことはご存知ないのですか?」

「俺はたち何も知らないよ。夜通しアンデットと戦闘して軍勢が居なくなってから地中に潜ったからね。その後は、疲労困憊で死んだように寝ていたから地上で何が起きたかは知らない。はぁ、あのさー、お前たちがアンデットになりかけたのを助けたのに尋問を受けないといけないわけ?」

「ケンさんの言う通りです。別に今は抵抗の意思を見せないのは単に貴方たちでは私たちに勝てないと分かっているから。興味すらありません」

ユリさんズバッと言うねー。確かに、コイツらでは俺たちに勝てないだろうな。体力を温存させて次の戦闘に備えていたいからという理由もある。

「そうですね...疑心暗鬼になっておりました。大変誠に申し訳ありません。私も座っていいでしょうか?少し疲れました」

勝手にすればいいのに。とは口に出さない、いちいち反応していたら面倒だし。早く戦場に行って、首謀者をぶちのめしたい。

「姫さま、ここに座るのですか?おやめください!もう少し先に開けた場所があります。そこに移動しましょう」

メイドの1人が姫さまとやらに注意をし、俺たちに近づいてきた。

「この度は、助けて頂き誠にありがとうございます。このご恩は必ずお返ししたいと思っております。ですので一緒について来て頂けますか?」

俺たちは立ち上がり、姫さま御一行と共に歩き出す。

さて、これからどうなることやら。



後書き

次回 ティータイム
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

処理中です...