どーも、反逆のオッサンです

わか

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第24話 どーも、戦争です

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前回のあらすじ

主人公 エルフに後ろから抱きつかれる


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どーも、骨鬼スケルトンの無差別襲撃の被害に遭っているオッサンです。
30分ほどユリさんに抱きつかれた状態で寝ていたら、再び大きな音が響く。


ドォォォンッ


「ああ、少し寝てたか。まだ戦闘は続いているみたいだね」

「ふふふふふ。あー、幸せ。ずっとこのまま抱きしめていたいわ」

「おーい、ユリさん。戻ってきて、あと離して」

「嫌です。骨鬼スケルトンが...うっ。腐敗した匂いがします。屍鬼ゾンビが近くに来ていますね」

「うわ、凄い匂いだ。ってか、あれ子鬼ゴブリンのゾンビだよね?」

「物量に負けて屍鬼ゾンビになってしまったんですね。弓で対処可能ですが、この辺りはもうアンデットだらけでいずれ森が腐っていくと思います」

「なんてこった。おえ、気持ち悪い。これどう見ても侵略行動だよね?」

「ここまで大規模が出来るのは魔人族だと思われます。魔人族と言っても過激派に属する者達ですね」

「ふーん、魔人族ねぇ。とりあえず屍鬼ゾンビは無視してさっきから爆発音がする方へ向かおうか」

「名残惜しいですが、分かりました」

マジックバックからロングソードを2本取り出し装備する。あー、鼻が麻痺ってきた。人が嫌がることが分かっている魔人だな。少し感心するよ。

俺たちは大きな音がする方へ移動を始める。木から木へ飛び移り、逐次警戒しつつ前へ進むが...

「うわー、めっちゃいるじゃん骨野郎とかゾンビが。キリがないね。魔力解放で辺り一帯を吹き飛ばしたいわ」

「同感です。私たちのMPが完全に回復していれば良かったのですが...まだ半分くらいしか回復していません」

「俺は、うーん、3割くらいかな。これに関してはスマホの鑑定では分からないから体感でしかないけど。ちっ、とどまると群がってきやがる。ユリさん、スマホで音がする方を確認してくれる?俺は一旦下に降りて敵を引きつけるから」

「分かりました。すぐ戻ってきてくださいね!」

分かってるよ、こんな相手に無茶してもしょうがない。マジックバックからガンツの力作であるハルバードを取り出し木の上から骨野郎をクッション代わりにして着地する。

「マジでクサいから死ねよ」

魔法もスキルも使わず、ハルバードを振り回して骨鬼スケルトン屍鬼ゾンビを掃討していく。

「ケンさん!まだ先は長いです。スマホだと距離までは分かりませんが何かの軍勢とアンデット軍勢が戦闘しています!これはもう戦争ですね」

クリーンの魔法を唱え、身体を清めてからユリさんの元へ戻る。

「ここにいても仕方ない。その軍勢とやらの国に行くか、別の方角に進むか。宝石を売り捌くことなんてどうでもいいし、ユリさんが決めていいよ。俺はどの選択でもユリさんの意見を支持する」

「うーん、向こう戦争中。戻ってもアンデット。別の方角に進んでもアンデットの可能性がありますし...情報収集も兼ねて戦争している方へ行きましょう!」

「了解、MPを回復するポーションを飲んでスキルを併用しながら前に進もう。あと顔がバレるのは避けたいから仮面あったよね?仮面つけておこうか」

MPを回復するポーションと言っても気休め程度。それに数が少ないからあまり使いたくないんだけど、強行突破する為には身体能力向上スキルを使用した方がいい。

『身体能力向上・隠密』

スキルのおかげでさくさく前に進める。かなりの距離が稼げたんじゃないかな。3時間、休憩なしでずっと走って木を渡って...疲れた。

「ユリさん、少しずつ日が昇り始めてきたね。ふぁー。ごめん、欠伸がでた」

「アンデットは食事も睡眠も必要ありませんから、その辺りは優れていますよね」

「それ、最強じゃん。おっ...骨野郎達が一斉に同じ方向に動き出した」

「一気に方カタをつけるのでしょうか?...凄い勢いで進んでいきますね」

勢い余って木に激突するアンデットもいて、森が破壊されていく。俺たちも飲み込まれるかもしれない。

「マジやばいやん。ユリさん俺たちもこの流れに沿って進もう。飲み込まれて死んじゃう!」

「はい!」

俺たち再び身体能力向上スキルを使用し、アンデットよりも速く移動する。あーーー、どこ見てもアンデット!夢にも出てきそうだぜ、これは。

「走れ、走れ!おおおおおおお、ユリさん、俺たち今生きてるよな!?」

「はい!こんなに死ぬ気で走るなんて初めてです!生きてる、私たち!」

意味の分からない会話をしながらアンデットと共に前に進む。脳のリミッターが外れ、ただ前だけを見て森を駆け抜ける。


ドォォォンッ


「音が近いぞ!このまま進んだら、アンデットだと間違えられて魔法叩き込まれるかもー!?」

「ええええ!それは嫌ですーー!どうしましょう、ケンさん!」

「えーーーーと、隠密スキル使うんだ!このまま駆け抜けるぞ!」

隠密スキルを発動させ、ユリさんの手を取り

「ユリさん!アンデットと戦闘している軍勢が見えたらアンデットを盾にしつつ突っ込むぞ!」

「分かりました、私はケンさんと一緒に居られればなんだって良いです!」

「ユリさんは、本当にブレないね!」

「はい!愛してますから!」

あっ!見えてきた!
俺たちは手を繋いで、アンデットに対抗している軍隊に向かって駆け抜ける。ごめん、兵士よ。アンデットよろしく。軍隊の横を通り抜ける俺たち。隠密スキルで気配を消して兵士の攻撃を避けながらではなく、俺は左手にロングソード、ユリさんは右手に細剣をもち首を刎ねていく。兵士もアンデットも関係なく無差別に斬り込んで前に進む。

「ユリさん、横にそれて走ろう。このまま街に入ったら確実にお尋ね者になっちゃう!」

「そ、そうですね。私たちの行く先を邪魔してたので斬ってしまいました。仮面つけていて本当に良かったです」

「まだ、戦闘中だから気を抜かずに行こう?どこか隠れるところがないかや?」

「もう少し先まで行かないとないかもしれません。この辺り更地で遮蔽物が何もありませんし」

俺たちに残された道は、ただ進むのみ。倫理観?はあ?そんなの気にしていたらこの世界で生きていけないよ?



後書き

次回 シーワーズ帝国
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