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第23話 どーも、スケルトンです
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前書き
前回のあらすじ
主人公 ハルバードの訓練をする
本文
どーも、見張り兼訓練後にお風呂で汚れを落としているオッサンです。
この世界の石鹸を試してみたけど、あまり泡立ちがないね。仕方ないか、汚れさえ落ちればいいや。シャンプーとかは詰め替え用のパックがあるからまだいいけど...しっかり汚れが落ちて艶が出るものがこの世界にあるといいな。交易都市ではシャンプーは売っていなかった。薬草を粉末状にして植物性の油と水を混ぜ合わせて作ったものが主流らしい。
「なくなった時にまた考えればいいや。ふぅー、さっぱりしたな」
身体を拭き、着替えを済ました俺はお湯が入った樽の中に服や下着を入れる。
「ユリさーん、お風呂上がったよー。洗濯物、樽の中に入れてー」
「はーい、分かりました。ケンさん、数キロ先にスケルトンやゾンビが数百体をスマホで発見しました」
「簡単結果はどうだったー?」
「どの個体もLV10~15ぐらいですね」
偵察から戻ってきたユリさんから報告を受け、進路方向を確認する。
「こちらに向かっているの?」
「いえ、こちらから見て10時の方向に向かっています」
「なら、俺たちの取る行動は1つだな...」
「放置だね」
「放置ですね」
「ふふふ。今は翼竜との戦闘の疲れを癒さないと全力で行動出来ませんからね。それに...」
「ユリさんの言いたいことも分かるよ。俺たちの方へ向かってこないと言う事は、何処かの国もしくは何者かと戦闘があるだろうね。わざわざこっちから面倒事に関わる必要はない」
向き合って頷き合う。
よし、洗濯したら飯食って寝るとしますか。
「私は洗濯物をしますので、ケンさんは食事の準備をお願いしてもいいですか?」
「はいよ。今日、昼飯食べなかったから量多めで作るよ」
二手に分かれて作業を始める。
今日は、香草を肉に絡ませてサイコロステーキを大量に用意しようかな。あとは、いつも通りコンソメスープとパンでいいだろう。そういえば、この世界にもパスタがあったんだ!大量購入したから、今日の飯に用意するか。
「肉を炒めながら、鍋の水を沸騰させる...魔法が込められる魔石って凄い。小説とかでよくあるのがモンスターの心臓は魔石であるとかなんとか。実際、そんな事なかったし。モンスターの解体とか、絶対慣れる事はないだろうな」
肉を焼き、パスタを茹で、スープも同時進行で作る。パスタは、キノコとベーコンとチーズを一緒にして軽く炒めて...
ユリさんの作業が終わる頃には食事が出来上がる。
「うわぁ!今日も豪勢な料理ですね!パスタとか久々に食べます。ケンさんはなんでも出来て羨ましいです」
「なんでもは出来ないよ。出来ることなんて限られているさ。どうぞ召し上がれ」
食事を始める2人。
料理ぐらい誰でも出来るんじゃね?前の世界で散々言われたっけ...お前が出来てもこっちは出来ないんだから理解しろよって。仕事の時もそうだった。仕事が早いから仕事量が増える。同じ賃金なのに仕事量が違う事が理解出来なかったり、仕事を教えたら教えたで上から目線で話してくるとか陰口たたかれたりして精神的に参った。別になんでもは出来ない。やれば出来るようになるはずなのに、周りの人はそれをしない。どうして?どうして、俺が怒られないといけないの。どうして俺を目の敵にするの?
「ケンさん?どうしたんですか?顔が怖いですよ」
「ごめん、ごめん。ちょっと考え事をしてた。たくさんあるからちゃんと全部食べてね、ユリさん」
「この量を完食したら動けなくなりそうです。今日はもう動かない予定ですか?」
「それは困る。腹八分目くらいに抑えといて。残ったら次の食事の際にも出すから保存しておくよ。今日は、休息をしてから夜中にスケルトンとゾンビの軍勢を追っていこうと思う。軍勢の先に街があれば、そこに立ち寄って奴隷商人が所持していた宝石類を売り捌く予定」
「その街がアンデットにならなければいいですけど...私たちが考えたところであの軍勢を全て倒せると思いませんし、どの国かは知りませんから別にどうなろうが関係ないですね」
「そうそう、俺たちには関係ないよ。助けられる命がそこにあるんだ!とか言われても義理がないから、どうでもいいよ」
偽善な行為は相手に不快な想いをさせる時だってある。世の中利害関係の方が上手くいく。ガンツに関しては、剣をもらった義理があったから被害を最小限にしたしね。
「私が偵察した時は、スマホで見える範囲で数百体でしたのでもっと数は多いと考えた方が良いかと」
「あとあれかな。そのスケルトンやらゾンビを使役している術者がいるだろうし、はぐれスケルトンを倒すぐらいにしてあとは傍観する感じ」
「ケンさん、今日は一緒に寝ますか?そしたら見張り時間の短縮が出来ますよ?」
「うーん、どんな危険があるか分からないから交代で睡眠を取ろう。さっきみたいに子鬼が結界内に侵入するかもしれないからね」
「残念ですが仕方ありません。食事の後、少し身体を動かしてから寝ますね」
「了解、今日は先に寝て。俺が後から寝るから」
食事が終わり、食器を片付ける。1時間ほど食休みしたのち、ユリさんは空歩の練習をする。イメージは空中に足場ができ、その足場を蹴って移動するような感じ。結構タイミングがシビアで慣れるまで時間がかかりそう。俺は、引き続きハルバードに慣れるため様々な体制から素振りしたり敵をイメージして素振りを行う。
「そろそろ、私は寝ますね。見張りよろしくお願いします。おやすみなさい」
「了解、何かあったら起こすよ。おやすみ」
魔法ばかりに頼らない戦闘を今後はしなくてはならない。だから、自力で訓練し実戦で使えるように素振りを続ける。
「はぁ、はぁ、はぁ。手の皮が剥けたか...治癒で治してもっと振らないと。試し斬りしたいけど、ユリさんが寝てるしあまり音を立てない方がいいだろうな。今思うと、ユリさんがいなかったら安心して睡眠の確保が出来なかったかも」
手を魔法で癒しながら、ユリさんが一緒にいる大切さを今更気づく俺。ユリさんには感謝だね。
「汗びっしょり。寝る前に身体拭いておこう」
チリッ
うん?今、結界が反応した?何者かが半径10メートル以内にいる。ユリさんを起こさないといけない。
「ユリさん、ユリさん起きて!結界が反応した。すぐ準備して」
チリッ、チリッ
まずい、複数反応がある。
「ユリさんの準備が終わるまで、この場は死守するからこの小さい家をマジックバックに閉まっておいてね」
家から出てすぐ周囲の気配を探る。ちっ、囲まれてやがる。それにしても妙だな。統率が取れた行動、すぐに仕掛けてこない。
「ケンさん、準備終わりました!お待たせしてすみません」
「大丈夫、まだ戦闘になっていない」
「ケンさん、私が警戒しておくのでスマホで鑑定お願い出来ますか?この暗闇の中だと視界が取れないです」
鑑定結果: 骨鬼 LV15
「マジかよ、骨鬼 LV15が俺たちを囲っている。木の上までは登ってこない事を祈って移動しよう。まだ十数体程だし、戦闘は回避して一旦ここから逃げよう」
俺たちは、木の枝の上に移動し、近くの木へ飛び移る。その繰り返しで骨鬼スケルトンから距離を取る。
「おいおい、こっちに向かってくるんだけど。どうなってんの、これ」
「アンデットは生者を襲う習性があります。術者が指示するまで襲ってこないと思います」
「それは、まずい。俺たちが生きている限り追われ続けるって事かよ?」
ドォォォンッ
うん?なんだあの光は?
「戦闘が始まったみたいだな。ちっ、無差別に襲うとかアホだろ。迷惑極まりないわ」
「私たちに向かってくる骨鬼も次は攻撃してくると思います」
「はぁ、俺、まだ寝てないしMPも回復してないんだけど。うわ、ぞろぞろとお出ましか。きっと、他のモンスターも襲われているだろうな」
周囲から、モンスターの声が聞こえる。
おいこら、木に登ってくるなよ。骨野郎ども。
「このまま、数が増えると厄介ですね。私たちも反撃に出ましょう」
「どんだけ数が居るんだよ。ったく、腹いせに駆逐してやんよ」
俺たちは木から飛び降り、骨鬼の胴体を斬り裂いていく。ユリさんはケツメイで応戦し、俺はハルバードで対処する。
弱い、弱すぎる。ボロボロの剣で襲いかかって来られても全く怖くない。数が多いのが面倒なだけで作業のようなもの。暗闇の中の戦闘だから月の明かりを頼りにしながらハルバードを振り続ける。
「ユリさん、この辺りの骨鬼を掃討出来たみたい。スマホで確認済み」
「寝起きの運動にしては中々キツいです... 骨鬼のそばで寝たくありませんし、どうしますか?」
「どこに行ってもモンスターとかに遭遇するだろうし、俺は骨鬼の死体の横でも寝るよ、3時間後に起こしてくれると助かる。スマホも預けておくから、よろしく頼むね」
俺は安物の天幕をはり、その中で寝袋に入って仮眠をとる。
周囲からモンスターの声やら戦闘音が聞こえてくるが全部無視...出来ねーよ!
寝れない日があるとは思っていたけど、これは中々キツいな。
「ユリさん、やっぱりうるさくて寝れそうにないから一緒に警戒しよ。出来れば木の枝の上で...」
「ケンさんが寝れるとは思っていませんでしたよ。ふふふ。私が支えているので少しでも目を瞑って休んでください」
「ありがとう、助かるよ。ふぁー、あー」
木を登り、太い枝に腰掛けユリさんが後ろから抱きしめて支える。
「えっ?ユリさん?どうしてこうなるの?」
「ふふふ、良いではありませんか。休める時に休まないと身体が持ちません。これは仕方ない行為です」
「お腹さするのやめてよね。貞操の危機を感じるから起きておくよ。だから離して?」
「ダメです!少しでも回復しておかないといけません!私は今、物凄く回復しています。すぅー」
俺の匂いを嗅ぐのもやめて...もういいや、疲れたし少し寝るかな。
早く、骨鬼たちを指揮している奴死んでくれないかな...
後書き
次回 戦争
前回のあらすじ
主人公 ハルバードの訓練をする
本文
どーも、見張り兼訓練後にお風呂で汚れを落としているオッサンです。
この世界の石鹸を試してみたけど、あまり泡立ちがないね。仕方ないか、汚れさえ落ちればいいや。シャンプーとかは詰め替え用のパックがあるからまだいいけど...しっかり汚れが落ちて艶が出るものがこの世界にあるといいな。交易都市ではシャンプーは売っていなかった。薬草を粉末状にして植物性の油と水を混ぜ合わせて作ったものが主流らしい。
「なくなった時にまた考えればいいや。ふぅー、さっぱりしたな」
身体を拭き、着替えを済ました俺はお湯が入った樽の中に服や下着を入れる。
「ユリさーん、お風呂上がったよー。洗濯物、樽の中に入れてー」
「はーい、分かりました。ケンさん、数キロ先にスケルトンやゾンビが数百体をスマホで発見しました」
「簡単結果はどうだったー?」
「どの個体もLV10~15ぐらいですね」
偵察から戻ってきたユリさんから報告を受け、進路方向を確認する。
「こちらに向かっているの?」
「いえ、こちらから見て10時の方向に向かっています」
「なら、俺たちの取る行動は1つだな...」
「放置だね」
「放置ですね」
「ふふふ。今は翼竜との戦闘の疲れを癒さないと全力で行動出来ませんからね。それに...」
「ユリさんの言いたいことも分かるよ。俺たちの方へ向かってこないと言う事は、何処かの国もしくは何者かと戦闘があるだろうね。わざわざこっちから面倒事に関わる必要はない」
向き合って頷き合う。
よし、洗濯したら飯食って寝るとしますか。
「私は洗濯物をしますので、ケンさんは食事の準備をお願いしてもいいですか?」
「はいよ。今日、昼飯食べなかったから量多めで作るよ」
二手に分かれて作業を始める。
今日は、香草を肉に絡ませてサイコロステーキを大量に用意しようかな。あとは、いつも通りコンソメスープとパンでいいだろう。そういえば、この世界にもパスタがあったんだ!大量購入したから、今日の飯に用意するか。
「肉を炒めながら、鍋の水を沸騰させる...魔法が込められる魔石って凄い。小説とかでよくあるのがモンスターの心臓は魔石であるとかなんとか。実際、そんな事なかったし。モンスターの解体とか、絶対慣れる事はないだろうな」
肉を焼き、パスタを茹で、スープも同時進行で作る。パスタは、キノコとベーコンとチーズを一緒にして軽く炒めて...
ユリさんの作業が終わる頃には食事が出来上がる。
「うわぁ!今日も豪勢な料理ですね!パスタとか久々に食べます。ケンさんはなんでも出来て羨ましいです」
「なんでもは出来ないよ。出来ることなんて限られているさ。どうぞ召し上がれ」
食事を始める2人。
料理ぐらい誰でも出来るんじゃね?前の世界で散々言われたっけ...お前が出来てもこっちは出来ないんだから理解しろよって。仕事の時もそうだった。仕事が早いから仕事量が増える。同じ賃金なのに仕事量が違う事が理解出来なかったり、仕事を教えたら教えたで上から目線で話してくるとか陰口たたかれたりして精神的に参った。別になんでもは出来ない。やれば出来るようになるはずなのに、周りの人はそれをしない。どうして?どうして、俺が怒られないといけないの。どうして俺を目の敵にするの?
「ケンさん?どうしたんですか?顔が怖いですよ」
「ごめん、ごめん。ちょっと考え事をしてた。たくさんあるからちゃんと全部食べてね、ユリさん」
「この量を完食したら動けなくなりそうです。今日はもう動かない予定ですか?」
「それは困る。腹八分目くらいに抑えといて。残ったら次の食事の際にも出すから保存しておくよ。今日は、休息をしてから夜中にスケルトンとゾンビの軍勢を追っていこうと思う。軍勢の先に街があれば、そこに立ち寄って奴隷商人が所持していた宝石類を売り捌く予定」
「その街がアンデットにならなければいいですけど...私たちが考えたところであの軍勢を全て倒せると思いませんし、どの国かは知りませんから別にどうなろうが関係ないですね」
「そうそう、俺たちには関係ないよ。助けられる命がそこにあるんだ!とか言われても義理がないから、どうでもいいよ」
偽善な行為は相手に不快な想いをさせる時だってある。世の中利害関係の方が上手くいく。ガンツに関しては、剣をもらった義理があったから被害を最小限にしたしね。
「私が偵察した時は、スマホで見える範囲で数百体でしたのでもっと数は多いと考えた方が良いかと」
「あとあれかな。そのスケルトンやらゾンビを使役している術者がいるだろうし、はぐれスケルトンを倒すぐらいにしてあとは傍観する感じ」
「ケンさん、今日は一緒に寝ますか?そしたら見張り時間の短縮が出来ますよ?」
「うーん、どんな危険があるか分からないから交代で睡眠を取ろう。さっきみたいに子鬼が結界内に侵入するかもしれないからね」
「残念ですが仕方ありません。食事の後、少し身体を動かしてから寝ますね」
「了解、今日は先に寝て。俺が後から寝るから」
食事が終わり、食器を片付ける。1時間ほど食休みしたのち、ユリさんは空歩の練習をする。イメージは空中に足場ができ、その足場を蹴って移動するような感じ。結構タイミングがシビアで慣れるまで時間がかかりそう。俺は、引き続きハルバードに慣れるため様々な体制から素振りしたり敵をイメージして素振りを行う。
「そろそろ、私は寝ますね。見張りよろしくお願いします。おやすみなさい」
「了解、何かあったら起こすよ。おやすみ」
魔法ばかりに頼らない戦闘を今後はしなくてはならない。だから、自力で訓練し実戦で使えるように素振りを続ける。
「はぁ、はぁ、はぁ。手の皮が剥けたか...治癒で治してもっと振らないと。試し斬りしたいけど、ユリさんが寝てるしあまり音を立てない方がいいだろうな。今思うと、ユリさんがいなかったら安心して睡眠の確保が出来なかったかも」
手を魔法で癒しながら、ユリさんが一緒にいる大切さを今更気づく俺。ユリさんには感謝だね。
「汗びっしょり。寝る前に身体拭いておこう」
チリッ
うん?今、結界が反応した?何者かが半径10メートル以内にいる。ユリさんを起こさないといけない。
「ユリさん、ユリさん起きて!結界が反応した。すぐ準備して」
チリッ、チリッ
まずい、複数反応がある。
「ユリさんの準備が終わるまで、この場は死守するからこの小さい家をマジックバックに閉まっておいてね」
家から出てすぐ周囲の気配を探る。ちっ、囲まれてやがる。それにしても妙だな。統率が取れた行動、すぐに仕掛けてこない。
「ケンさん、準備終わりました!お待たせしてすみません」
「大丈夫、まだ戦闘になっていない」
「ケンさん、私が警戒しておくのでスマホで鑑定お願い出来ますか?この暗闇の中だと視界が取れないです」
鑑定結果: 骨鬼 LV15
「マジかよ、骨鬼 LV15が俺たちを囲っている。木の上までは登ってこない事を祈って移動しよう。まだ十数体程だし、戦闘は回避して一旦ここから逃げよう」
俺たちは、木の枝の上に移動し、近くの木へ飛び移る。その繰り返しで骨鬼スケルトンから距離を取る。
「おいおい、こっちに向かってくるんだけど。どうなってんの、これ」
「アンデットは生者を襲う習性があります。術者が指示するまで襲ってこないと思います」
「それは、まずい。俺たちが生きている限り追われ続けるって事かよ?」
ドォォォンッ
うん?なんだあの光は?
「戦闘が始まったみたいだな。ちっ、無差別に襲うとかアホだろ。迷惑極まりないわ」
「私たちに向かってくる骨鬼も次は攻撃してくると思います」
「はぁ、俺、まだ寝てないしMPも回復してないんだけど。うわ、ぞろぞろとお出ましか。きっと、他のモンスターも襲われているだろうな」
周囲から、モンスターの声が聞こえる。
おいこら、木に登ってくるなよ。骨野郎ども。
「このまま、数が増えると厄介ですね。私たちも反撃に出ましょう」
「どんだけ数が居るんだよ。ったく、腹いせに駆逐してやんよ」
俺たちは木から飛び降り、骨鬼の胴体を斬り裂いていく。ユリさんはケツメイで応戦し、俺はハルバードで対処する。
弱い、弱すぎる。ボロボロの剣で襲いかかって来られても全く怖くない。数が多いのが面倒なだけで作業のようなもの。暗闇の中の戦闘だから月の明かりを頼りにしながらハルバードを振り続ける。
「ユリさん、この辺りの骨鬼を掃討出来たみたい。スマホで確認済み」
「寝起きの運動にしては中々キツいです... 骨鬼のそばで寝たくありませんし、どうしますか?」
「どこに行ってもモンスターとかに遭遇するだろうし、俺は骨鬼の死体の横でも寝るよ、3時間後に起こしてくれると助かる。スマホも預けておくから、よろしく頼むね」
俺は安物の天幕をはり、その中で寝袋に入って仮眠をとる。
周囲からモンスターの声やら戦闘音が聞こえてくるが全部無視...出来ねーよ!
寝れない日があるとは思っていたけど、これは中々キツいな。
「ユリさん、やっぱりうるさくて寝れそうにないから一緒に警戒しよ。出来れば木の枝の上で...」
「ケンさんが寝れるとは思っていませんでしたよ。ふふふ。私が支えているので少しでも目を瞑って休んでください」
「ありがとう、助かるよ。ふぁー、あー」
木を登り、太い枝に腰掛けユリさんが後ろから抱きしめて支える。
「えっ?ユリさん?どうしてこうなるの?」
「ふふふ、良いではありませんか。休める時に休まないと身体が持ちません。これは仕方ない行為です」
「お腹さするのやめてよね。貞操の危機を感じるから起きておくよ。だから離して?」
「ダメです!少しでも回復しておかないといけません!私は今、物凄く回復しています。すぅー」
俺の匂いを嗅ぐのもやめて...もういいや、疲れたし少し寝るかな。
早く、骨鬼たちを指揮している奴死んでくれないかな...
後書き
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