どーも、反逆のオッサンです

わか

文字の大きさ
上 下
9 / 145
転移

第9話 どーも、エルフの想いです

しおりを挟む
前書き

前回のあらすじ

主人公 騎士を殺し隠蔽する

次回タイトル予告を変更して投稿しております。


本文


どーも、交易都市に来て宿を探しているオッサンです。
宿を探す為街歩く人に声をかける。条件は、風呂あり宿だ。バキバキの筋肉痛をほぐしたい!数人に声をかけようやく良さげな宿に到着する。

「ようこそ我が宿へ。2名さまご一緒に宿泊で宜しいでしょうか?」

「はい、2日間宿泊予定です。先に代金払いたいのですが良いですか?」

「かしこまりました。部屋は2階の1番奥の部屋になります。お風呂場まで少し歩きますが、お部屋は広く、くつろげると思います。一泊朝の食事込みで銀貨10枚なのでお二人で20枚。二泊ご希望ですので計銀貨40枚にですね」

「では金貨1枚で支払いします、2日間よろしくお願いします」

銀貨60枚のお釣りと部屋の鍵を貰い、2階に上がる。

「ケンさん、ありがとうございます。一緒のお部屋にしてくださって」

「ああ、別に構わないよ。この交易都市に奴隷商人のことを知っている奴が何かしてくるかもしれないし、第一王子の件もある。用心することに越したことはないでろうよ。それよりゆっくり身体を休めよう」

「そうですね、早くお湯に浸かりたいです。あと森の中にいるような緊迫した感じではなく、まったりと今日は過ごして寝たいです」

ほんと、それな!ふぁーっ、欠伸が...もう今日は風呂入って寝よ。

「ここだな、おおー結構広い部屋だね。清潔感もあるし...なんでベットひとつしかないんだよ。うーん、確かに2人は余裕で寝れそうだけどさー...」

「別に良いじゃありませんか!やましい事する訳でもありませんし...」

「ユリさんがそう言うなら良いか。とにかく荷物置いて風呂いくか。イタッ!!何するのさユリさんや?」

「やましい事はしませんけど、少しはその...いたずらしても良いですよ?そんなに私、魅了ないですか?」

「あー、とても魅了的な女性だと思うけど...今後の旅に影響が出るのは避けたい。それに申し訳ないけど、俺は将来大切な存在になる人以外いたずらも手も出さないよ」

「ふふふふ、なら安心してください。将来大切になる人はこの私です!!」

俺は無言で入浴道具と着替えを取り出して部屋を出る。はぁ、ユリさんがまた暴走してる。吊り橋効果で好きになったんじゃない?と俺は思っている。彼女の気持ちは嬉しいけど、応えることは今は出来ない。うん?背後から...

「うおっ!!あぶねぇ。いきなり殴りかかるなよ、こえーよ」

「あら、手が滑りましたわ。うふふ」

この女、絶対マジだった。死合いした時にレイピアで突く攻撃に近い速さで顔面に向かって拳を振うとは恐れいるぜ、全く。

「ユリさんと一緒にいると刺激的な生活になりそうだ、あはは」

皮肉たっぷりに言い放つ俺。

「そうですね、ケンさんと一緒にいると退屈しない生活になりそうです、うふふ」

皮肉たっぷりに言い返される俺。ちくしょう。

「前にも言ったが、普通の生活を望んでいる俺は刺激なんて望まない。ほんと、平凡な生活で良いんだよ」

「ふふふ、そうでしたね。その為ならなんだってするお人ですよね」

お風呂場に到着して男湯と女湯で別れる。



※ユリ視点

「はあー、ケンさんは普通の生活なんて訪れないと思いますが...そもそも普通の生活をする為に何でもすること自体が普通ではないというのに」

ケンさんに出会ってから私の世界が変わった。ううん、違う。ケンさんが私の世界を変えているの。これからもそう。この残酷な世界で私の世界を魅了的にしてくれるわ。このローブは初めてケンさんから貰った宝物。ボロボロになってしまったけれどとても大切なもの。

「ふふふふ、今思い出してもあの姿...ゾクゾクしちゃう。それにケンさんの血、とても美味しかった。私の血とケンさんの血が混ざってると思うと興奮しちゃうわ。いけない、いけない。早くお湯に浸かって身体綺麗にしなくては」

この世界はとても残酷でとてもつまらない。私はこの世界で生まれて両親から愛情を持って育てられた訳ではない。政治の道具、ある程度の武力を身につけ男性受けの良いように教育を受けた。生きる意味は嫁いだ先の男の子を産む事だけ。毎日厳しい指導に兄や姉からは私の才能や美貌に嫉妬して嫌がらせを受けていた。

「別に私はそこまで綺麗でも才能がある訳じゃないわ。本当に才能があるのはケンさんよ。外見だけじゃない、本当の魅了はその人の考えや行動。そして渇望かしら」

顔を洗い、髪をお湯で流す。髪を洗う為にシャンプーとやらを手につけ洗う。これはケンさんから渡された物。前の世界からこちらの世界に来た際に持っていた持ち物らしい。ケンさん曰く、買い物をなるべく減らしたいということから買いだめする日に転移したとのこと。

「とても良い香り、すごい。とても泡立って汚れも落ちている気がする。ケンさんからはお風呂に1人だけだったら使っても良いと言われたけど、たしかにこれはこの世界にない物ね」

お湯で泡を念入りに落としてトリートメント?をシャンプー同様に行い、最後にコンディショナーを手に取り髪に馴染ませ洗い流す。

「こ、これは...本当にスゴい。はあ、ケンさんの世界はスゴいのね。身体を洗う液は、ボディソープを使ってだったかしら?」

布にボディソープを染み込ませ身体を洗う。入念に洗い、お湯でしっかり流す。

「今まで使っていた入浴剤とは比べものにならないわ。一度脱衣所に戻ってこのボトルを仕舞ってからお湯に浸かる、ケンさんとの約束」

決してケンさんの持ち物を見せてはいけない。それがケンさんとの約束。とても慎重だと思われるけど理由が分かる気がする。

脱衣所から戻り、お湯に浸かりながら私は身体を伸ばす。

「うっ、んっ、はぁーー。気持ちいいー。お風呂がこんなに気持ちいいなんて前の生活の時とは全く別ね」

ケンさん...ケンさん、ケンさん、ケンさん。
ケンさんは気づいてないかもしれない。交易都市に来てからも私は他の人族とケンさんは別だと考えている。あの目...目の中にある執念のような想いがある。生きる為に、自分の力で生き抜く為に。他の人族は違う。変装のネックレスをしてても私に劣情を向けてくる目。同性からは嫉妬の目。渇望とは違う、あれは欲望。

「ふぅー、でも私はケンさんに対して劣情や欲望な目をしてしまっているわ。私もそこら辺にいる人族と一緒なのかも」

吊り橋効果?とかケンさんは言っていたけどそんな安い感情ではないのは私自身理解している。あの人から離れてはいけない。離してもいけない。ケンさんに近寄るメスは排除しなくてはいけない。

「ふふふふ、明日が楽しみなんて思う日が来るとは...本当に目が離せない人だわ」

お風呂から出て脱衣所に行き、髪と身体を拭く。生活魔法で髪を乾かして下着と服を着る。ケンさんはお風呂から上がったかしら。あっ、待っててくれた。

私は愛し、敬愛し、深愛しているケンさんに声をかける。

「ケンさんお待たせしました。ふふふ」



後書き

次回 情報収集

タイトル通り更新致します。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

処理中です...