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転移
第2話 どーも、スマホの能力です
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前書き
前回のあらすじ
主人公 異世界転移からの森の中で遭難
本文
どーも、どこでもいるオッサンです。
今からスマホの能力の確認をしていこうと思います。まだ夜だし寝てそのままモンスターに食われて死んでいたとか嫌だからね。周囲の警戒しながらスマホを確認。分かっていることは、写真で鑑定出来ることだけ。あとはなにが出来るのか...
「カメラの機能はこれだけじゃない。動画を撮影してみるか」
カメラを起動させ動画を撮影する。
「お?暗闇が明るく見える。暗視機能が備わっているのか、ズームするとどうなる?おおー、よく見えるな。なるほど、なるほど。うーん、これはスマホがないと無理じゃね?」
生きていくにはスマホがないと無理。
絶対無理。
この世界にどんなことがあるかわからない。
そう、俺の生命線はこのスマホだけ。
「おいおい、マジでキツい。これはあれか?テンプレのスローライフって感じ?いやないな。サバイバルだよ」
俺はただ普通がいいんだ。普通の人生...普通ってなんだろうかって考えながら生きてきたのに、いきなりこれかよ。ふざけるな。
「転生ならまだしも転移とかないわ。小説のテンプレこいよ。MPとか鑑定ででたし、魔法とか使えるんじゃないの?なにか、なにかあるはず。スマホに眠りし力が...」
怒りが声になってあらわれている中、スマホの機能を操作していると、
「あれ?そういえばこの世界の文字って日本語なのか?鑑定した感じだと翻訳されている?この世界の人と話す時はどうなんだ?」
疑問点はすぐメモ帳に書いて保存。忘れる前にこの習慣は必ず身につけないと。
スマホからネットが繋がってないことくらい分かっているけど、いつもの習慣でネットに繋がるサイトをタップすると、その画面には習得できるスキル一覧が映し出されている。
「えっと、現在習得可能スキルは生活魔法と隠密と身体能力向上だけ...そもそもどうやって習得するんだ?」
うーん、周囲に誰もいないから詠唱してみるか。昔考えた魔法の詠唱...俺の黒歴史。手のひらを前にかざし、短い詠唱をする。
『炎よ』
ボワッ。
「あ、火が出た。マジか、マジで火が出たよ。たまには黒歴史が役に立つ時があるだな。あはははは」
心の中で消えろと唱えると火が消える。インカメラを起動させて自分を鑑定。MPが1消費されて残り49になっている。生活魔法だからだろうか、消費MPが少ない。これも、メモだな。少し気持ちが楽になってくる。
「なるほどねー、これはありがたいスキルだ。なんとか生きるための手段がありそうだ。生活魔法はたぶん生きていくために必要な最低限度のことしかできないだろうし。MPは寝ると回復するのか、レベルが上がったら回復するのか、分からないことだらけだ。とにかく、今分かる範囲で模索するかない」
『水よ』
ジャッ。
手のひらから水が流れている。空になった水筒にその水を移し飲んでみる。
「常温の水。味もしないし普通の水だな。隠密は暗闇の中静かに行動しているから習得出来たのかも」
俺は推測し、何度か実験をしてみる。
一つ、目を閉じ周囲の音を拾うことに集中
一つ、音を立たずにワイバーンに見つからないよう動いてみる
一つ、あらゆる単語を発してみる
その結果、習得可能スキルに索敵が追加された。単語についてはクリーンとライトの2つの発動が確認できた。
「あとスマホの機能は...なにもないか。可視化されるだけでもありがたいと思うしか無さそうだな。レベルが上がるにつれ習得スキルが増えるのか鍛錬が必要なのか...どっちも必要と思って行動するか」
カバンの中から帰り道コンビニで買ったおにぎりとお茶を取り出し遅い夕食にする。これで日本食は最後になるかも...なんか寂しい。食べながらスマホをいじりながらメモ帳に単語を書き込んでいく。魔法が発動する単語をとりあえず書き込む。
「これが最後の晩餐にならないといいな。タバコはカートンで買っておいて良かった。この世界にもタバコあるといいな」
このままじゃダメだ。憂鬱になる。何かしないと。考えろ俺。魔法を習得するのに実体験も必要かもしれない。木の枝で手の甲を切って唱えてみるか。
近くの木の枝で手の甲を切る。いてぇ。自傷行為とかあんまりしたくないだけど、これもスキル習得の為。
『治癒』
「うお、少しずつだけど傷が塞がってきている。でも、なんか頭がくらくら...魔力が継続的に流れている?それなら説明がつく。さっきの火は数秒しか出していない。そういうことね。魔法の威力や継続する時間によってMPの減少がある」
習得可能スキルに治癒が追加されていることを確認して次にライターで軽く指を当てる。あちぃ。じわじわ痛くなる。
『治癒』
痛みが少しずつ治まってきている最中に意識が途絶える。
朝日が刺し目を開け周囲を確認。
「あぁ、朝か?あのまま寝てしまったのか?こんなところで意識がなくなるとかヤバいだろ。MPがなくなって意識がとんだのかもしれない。鑑定、鑑定。あれ?MPが5増えている」
空を見るとワイバーンがいなくなっており周囲には風の音しか聞こえない。
「動画モードで周囲を確認。ズームしてっと...なにもいないな。腹減るまえに何か食い物探さないと。あとこの森から出ないといけないのか?まぁ、モンスターの縄張りとかの危険地帯じゃなければなんとかなる」
なんとかなる、便利な言葉だな。なんとかしないといけないんだよ。さて歩くか。どんな世界が待っているのやら。
後書き
次回 散策
前回のあらすじ
主人公 異世界転移からの森の中で遭難
本文
どーも、どこでもいるオッサンです。
今からスマホの能力の確認をしていこうと思います。まだ夜だし寝てそのままモンスターに食われて死んでいたとか嫌だからね。周囲の警戒しながらスマホを確認。分かっていることは、写真で鑑定出来ることだけ。あとはなにが出来るのか...
「カメラの機能はこれだけじゃない。動画を撮影してみるか」
カメラを起動させ動画を撮影する。
「お?暗闇が明るく見える。暗視機能が備わっているのか、ズームするとどうなる?おおー、よく見えるな。なるほど、なるほど。うーん、これはスマホがないと無理じゃね?」
生きていくにはスマホがないと無理。
絶対無理。
この世界にどんなことがあるかわからない。
そう、俺の生命線はこのスマホだけ。
「おいおい、マジでキツい。これはあれか?テンプレのスローライフって感じ?いやないな。サバイバルだよ」
俺はただ普通がいいんだ。普通の人生...普通ってなんだろうかって考えながら生きてきたのに、いきなりこれかよ。ふざけるな。
「転生ならまだしも転移とかないわ。小説のテンプレこいよ。MPとか鑑定ででたし、魔法とか使えるんじゃないの?なにか、なにかあるはず。スマホに眠りし力が...」
怒りが声になってあらわれている中、スマホの機能を操作していると、
「あれ?そういえばこの世界の文字って日本語なのか?鑑定した感じだと翻訳されている?この世界の人と話す時はどうなんだ?」
疑問点はすぐメモ帳に書いて保存。忘れる前にこの習慣は必ず身につけないと。
スマホからネットが繋がってないことくらい分かっているけど、いつもの習慣でネットに繋がるサイトをタップすると、その画面には習得できるスキル一覧が映し出されている。
「えっと、現在習得可能スキルは生活魔法と隠密と身体能力向上だけ...そもそもどうやって習得するんだ?」
うーん、周囲に誰もいないから詠唱してみるか。昔考えた魔法の詠唱...俺の黒歴史。手のひらを前にかざし、短い詠唱をする。
『炎よ』
ボワッ。
「あ、火が出た。マジか、マジで火が出たよ。たまには黒歴史が役に立つ時があるだな。あはははは」
心の中で消えろと唱えると火が消える。インカメラを起動させて自分を鑑定。MPが1消費されて残り49になっている。生活魔法だからだろうか、消費MPが少ない。これも、メモだな。少し気持ちが楽になってくる。
「なるほどねー、これはありがたいスキルだ。なんとか生きるための手段がありそうだ。生活魔法はたぶん生きていくために必要な最低限度のことしかできないだろうし。MPは寝ると回復するのか、レベルが上がったら回復するのか、分からないことだらけだ。とにかく、今分かる範囲で模索するかない」
『水よ』
ジャッ。
手のひらから水が流れている。空になった水筒にその水を移し飲んでみる。
「常温の水。味もしないし普通の水だな。隠密は暗闇の中静かに行動しているから習得出来たのかも」
俺は推測し、何度か実験をしてみる。
一つ、目を閉じ周囲の音を拾うことに集中
一つ、音を立たずにワイバーンに見つからないよう動いてみる
一つ、あらゆる単語を発してみる
その結果、習得可能スキルに索敵が追加された。単語についてはクリーンとライトの2つの発動が確認できた。
「あとスマホの機能は...なにもないか。可視化されるだけでもありがたいと思うしか無さそうだな。レベルが上がるにつれ習得スキルが増えるのか鍛錬が必要なのか...どっちも必要と思って行動するか」
カバンの中から帰り道コンビニで買ったおにぎりとお茶を取り出し遅い夕食にする。これで日本食は最後になるかも...なんか寂しい。食べながらスマホをいじりながらメモ帳に単語を書き込んでいく。魔法が発動する単語をとりあえず書き込む。
「これが最後の晩餐にならないといいな。タバコはカートンで買っておいて良かった。この世界にもタバコあるといいな」
このままじゃダメだ。憂鬱になる。何かしないと。考えろ俺。魔法を習得するのに実体験も必要かもしれない。木の枝で手の甲を切って唱えてみるか。
近くの木の枝で手の甲を切る。いてぇ。自傷行為とかあんまりしたくないだけど、これもスキル習得の為。
『治癒』
「うお、少しずつだけど傷が塞がってきている。でも、なんか頭がくらくら...魔力が継続的に流れている?それなら説明がつく。さっきの火は数秒しか出していない。そういうことね。魔法の威力や継続する時間によってMPの減少がある」
習得可能スキルに治癒が追加されていることを確認して次にライターで軽く指を当てる。あちぃ。じわじわ痛くなる。
『治癒』
痛みが少しずつ治まってきている最中に意識が途絶える。
朝日が刺し目を開け周囲を確認。
「あぁ、朝か?あのまま寝てしまったのか?こんなところで意識がなくなるとかヤバいだろ。MPがなくなって意識がとんだのかもしれない。鑑定、鑑定。あれ?MPが5増えている」
空を見るとワイバーンがいなくなっており周囲には風の音しか聞こえない。
「動画モードで周囲を確認。ズームしてっと...なにもいないな。腹減るまえに何か食い物探さないと。あとこの森から出ないといけないのか?まぁ、モンスターの縄張りとかの危険地帯じゃなければなんとかなる」
なんとかなる、便利な言葉だな。なんとかしないといけないんだよ。さて歩くか。どんな世界が待っているのやら。
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