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召喚士
第18話 誓い
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前書き
前回のあらすじ
侵入者を罠で撃退する主人公
本文
サンドイッチを食したのち、召喚した昆虫型ドローンを展開させ教会の外を偵察する。
「うーん、パッと見だけど、誰もいないね。エレノアさんの方はどう?」
「私の方も敵の姿を確認出来ませんでした。街にいた人間が殆ど地下にいるのでしょうか?もし、そうだとするなら広大な地下になります。」
「これだけ人を見かけないのであれば、地下に潜んでいる可能性が高い。レジスタンスも、流石に気付くと思うけど...地上で騎士との戦闘が続いているのであれば地下への調査に人員を割くことは難しいし、当然ながらトラップを仕掛けているだろうね。」
昆虫型ドローンの偵察を切り上げ、俺とエレノアさんは向かい合わせになり、これからの行動について話し合う。
「さて、これからの行動についてだが、二手に別れないか?」
「ダメです。絶対にダメです。」
「どうしても?」
「ダメです。絶対にダメです。」
二手に別れた方が地上と地下を両方警戒することが出来るのに。どうしてこんなに頑固なんだ?
眉をみけによせ、ガンをつける様に俺を見る。少し怖い...
「はぁ、仕方ない。2人で地下の調査をしよう。ただ、廊下に設置してある自動機関銃は消しておくよ。敵に回収され再現されたら困るからね。」
俺がすぐに折れたことに満足した表情になるエレノアさん。まったく...そんなに俺を1人にさせたくないのかよ。
「初めからそう言ってくれればいいのです。エルさんを1人にしておくと死んでしまいますから。」
「いやいや、そんな簡単に死なないよ。1人だったらこの街に爆撃して終わりだから!俺、それなりに強いから!」
少し驚いた顔をして、刺突武器を手に持ち、俺に向けるエレノアさん。
「身代わりの宝具にも上限がありますよね?何度刺されたら死にますか?」
目が怖い、目のハイライトが消えて怖いから!
「えーと、エレノアさんに渡したものと合わせると10回?かな。あーっ!ごめんなさい、ごめんなさい。俺、強くないかも!」
エレノアさんに心臓を一突きされる。身代わりの宝具で俺は死ななかったが、宝具を1つ消費してしまった。
「ふふっ。私がいないとダメなんですから。離しませんから。私を1人にしたらダメなんですよ?」
「ひゃーァ!こ、殺さないで!」
懸命に訴える俺。情けないが死にたくないので土下座をして許しを乞う。
「どうか、刺さないで下さい。お願いします。お願いします。エレノアさんから離れませんから!」
刺突武器を舌なめずりしてから俺の顔の目の前に来るエレノアさん。
「誓いのキス。して?」
「えっ?」
「早くしてください。しないと刺しますよ?」
「ちょ、ちょーっと待って!落ち着いて!」
グサッ、グサッ。宝具がなければ2回も致命傷を負わされていた。だから、刺すなよ!って言いたいが言えない。
(ヤバい、ヤバいヤバい、ヤバいヤバい。考えろ、考えろ、俺!キスしないと死ぬ?嫌だ!そんなの!)
俺は、エレノアさんの頬にキスをする。
(唇にするのは、まずい気がする。取り返しがつかなくなりそう。)
「ふふふふふふふふふふふふふふ。エルさん、私以外の女にこんなことしたらダメですよ?あと、ありがとうございます。」
「お、おう。もちろんしないよ。絶対にしない。それより話を戻そう?」
頬を上気させ、目がとろんとしたエレノアさんから少し離れ話しを進める。
「えっと、2人で、俺とエレノアさんの2人で一緒に地下の調査をしようと思います。俺たちが入ってから別の者が侵入してくると挟みうちになってしまうので何か良いアイデアないですか?」
今のエレノアさんを刺激しないよう敬語で話す俺。後で身代わりの宝具に魔力をチャージしておかなきゃ。
(それと、身を守る宝具をありったけ召喚しておこう。エレノアさんにいつ刺されるか分からないしね。)
「あくまでも調査ですし...地下に少し入った辺りでドローンを飛ばしませんか?それと、別の者が入って来たらの場合ですが、エルさんのスキルで何とか出来ますよね?」
出来ますか?ではなくて出来ますよね?って...出来なくもないけど。
「対処できると思うけど確実とは言えないかな。そもそも入って来れないようにするなら簡単だけど。」
「なるほど...決めました!私たちが地下に繋がる階段に入り蓋を閉じたら入って来れないようにしましょう。ふふっ。最悪、エルさんの魔法で何とかなりますし。」
「召喚、セメント、コテ。」
エレノアさんの決定事項に沿って、蓋が剥がせないようにするための道具や材料を揃える。ついでに宝具に魔力をチャージしておく。
(初めは神だの、信仰するとか言っていたのに...もう、そんなかけらもない。今あるのは狂気じみた執着。人ってこんなに変わるんだな...)
俺がいそいそと準備している中、エレノアさんは部屋の扉でセメント塗りの練習をしている。練習あるのみです!っとか言って、上達するまで何度も行う。その度、セメントの補充をする為に召喚する。
「もうそろそろいくよー?」
「はーい。エルさん、私、かなり上達しました!褒めてください!」
頭を撫でて、エレノアさんの機嫌をとる。これをしなかったらどうなるか分からない。敵よりエレノアさんの方が怖いのである。
後書き
次回 調査と潜入
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侵入者を罠で撃退する主人公
本文
サンドイッチを食したのち、召喚した昆虫型ドローンを展開させ教会の外を偵察する。
「うーん、パッと見だけど、誰もいないね。エレノアさんの方はどう?」
「私の方も敵の姿を確認出来ませんでした。街にいた人間が殆ど地下にいるのでしょうか?もし、そうだとするなら広大な地下になります。」
「これだけ人を見かけないのであれば、地下に潜んでいる可能性が高い。レジスタンスも、流石に気付くと思うけど...地上で騎士との戦闘が続いているのであれば地下への調査に人員を割くことは難しいし、当然ながらトラップを仕掛けているだろうね。」
昆虫型ドローンの偵察を切り上げ、俺とエレノアさんは向かい合わせになり、これからの行動について話し合う。
「さて、これからの行動についてだが、二手に別れないか?」
「ダメです。絶対にダメです。」
「どうしても?」
「ダメです。絶対にダメです。」
二手に別れた方が地上と地下を両方警戒することが出来るのに。どうしてこんなに頑固なんだ?
眉をみけによせ、ガンをつける様に俺を見る。少し怖い...
「はぁ、仕方ない。2人で地下の調査をしよう。ただ、廊下に設置してある自動機関銃は消しておくよ。敵に回収され再現されたら困るからね。」
俺がすぐに折れたことに満足した表情になるエレノアさん。まったく...そんなに俺を1人にさせたくないのかよ。
「初めからそう言ってくれればいいのです。エルさんを1人にしておくと死んでしまいますから。」
「いやいや、そんな簡単に死なないよ。1人だったらこの街に爆撃して終わりだから!俺、それなりに強いから!」
少し驚いた顔をして、刺突武器を手に持ち、俺に向けるエレノアさん。
「身代わりの宝具にも上限がありますよね?何度刺されたら死にますか?」
目が怖い、目のハイライトが消えて怖いから!
「えーと、エレノアさんに渡したものと合わせると10回?かな。あーっ!ごめんなさい、ごめんなさい。俺、強くないかも!」
エレノアさんに心臓を一突きされる。身代わりの宝具で俺は死ななかったが、宝具を1つ消費してしまった。
「ふふっ。私がいないとダメなんですから。離しませんから。私を1人にしたらダメなんですよ?」
「ひゃーァ!こ、殺さないで!」
懸命に訴える俺。情けないが死にたくないので土下座をして許しを乞う。
「どうか、刺さないで下さい。お願いします。お願いします。エレノアさんから離れませんから!」
刺突武器を舌なめずりしてから俺の顔の目の前に来るエレノアさん。
「誓いのキス。して?」
「えっ?」
「早くしてください。しないと刺しますよ?」
「ちょ、ちょーっと待って!落ち着いて!」
グサッ、グサッ。宝具がなければ2回も致命傷を負わされていた。だから、刺すなよ!って言いたいが言えない。
(ヤバい、ヤバいヤバい、ヤバいヤバい。考えろ、考えろ、俺!キスしないと死ぬ?嫌だ!そんなの!)
俺は、エレノアさんの頬にキスをする。
(唇にするのは、まずい気がする。取り返しがつかなくなりそう。)
「ふふふふふふふふふふふふふふ。エルさん、私以外の女にこんなことしたらダメですよ?あと、ありがとうございます。」
「お、おう。もちろんしないよ。絶対にしない。それより話を戻そう?」
頬を上気させ、目がとろんとしたエレノアさんから少し離れ話しを進める。
「えっと、2人で、俺とエレノアさんの2人で一緒に地下の調査をしようと思います。俺たちが入ってから別の者が侵入してくると挟みうちになってしまうので何か良いアイデアないですか?」
今のエレノアさんを刺激しないよう敬語で話す俺。後で身代わりの宝具に魔力をチャージしておかなきゃ。
(それと、身を守る宝具をありったけ召喚しておこう。エレノアさんにいつ刺されるか分からないしね。)
「あくまでも調査ですし...地下に少し入った辺りでドローンを飛ばしませんか?それと、別の者が入って来たらの場合ですが、エルさんのスキルで何とか出来ますよね?」
出来ますか?ではなくて出来ますよね?って...出来なくもないけど。
「対処できると思うけど確実とは言えないかな。そもそも入って来れないようにするなら簡単だけど。」
「なるほど...決めました!私たちが地下に繋がる階段に入り蓋を閉じたら入って来れないようにしましょう。ふふっ。最悪、エルさんの魔法で何とかなりますし。」
「召喚、セメント、コテ。」
エレノアさんの決定事項に沿って、蓋が剥がせないようにするための道具や材料を揃える。ついでに宝具に魔力をチャージしておく。
(初めは神だの、信仰するとか言っていたのに...もう、そんなかけらもない。今あるのは狂気じみた執着。人ってこんなに変わるんだな...)
俺がいそいそと準備している中、エレノアさんは部屋の扉でセメント塗りの練習をしている。練習あるのみです!っとか言って、上達するまで何度も行う。その度、セメントの補充をする為に召喚する。
「もうそろそろいくよー?」
「はーい。エルさん、私、かなり上達しました!褒めてください!」
頭を撫でて、エレノアさんの機嫌をとる。これをしなかったらどうなるか分からない。敵よりエレノアさんの方が怖いのである。
後書き
次回 調査と潜入
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