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召喚士
第15話 紅い月
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前書き
前回のあらすじ
ビラをばら撒くヒロイン
本文
寝不足によるハイテンションで謎の行動でわちゃわちゃしてしまった。それに、何が「戦いはもう始まっている」だよ!あの台詞の後、睡魔が襲ってきて俺たちは深い眠りについた。
そして今、起きて頭を抱え後悔で死にたくなっている。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛、時を戻せるなら寝る前の俺をぶん殴りたい!」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛、私も寝る前の私を張り倒したい!」
黒歴史が新しく更新された気分。いや、気分ではなく黒歴史だろこれ。そして、窓の外を見ると月が紅い。
「ぇ?紅い月...マジぃ?」
俺の言葉に現実に戻ったエレノアさんに指摘される。
「窓に血がついているから、月のあかりが紅く見えるるのでは?」
「あ...なーるほど。窓に血が、ねぇ。ってことは本当にレジスタンスとの大規模戦闘になっているのか?」
俺の呟きと同時に窓が割られ口元を隠した男の獣人が乗り込んで来た。
「人間、しね。」
「は?」
振り上げた大太刀で首を斬られ...
「は?」
「は?」
首を斬る前に止まっている大太刀。
「よくも、よくも、よくもぉぉおおお!」
獣人の頭に刺突武器をぶっ刺すエレノアさん。その勢いでエレノアさんが俺の首を何度も触り出す。突然の出来事すぎて脳の処理が追いついていない。
「大丈夫ですか?お怪我は?痛みは?」
「あぁ、大丈夫。宝具で免れたらしい。えっ?なにこれ。無差別に殺し回ってるのか?」
ようやく現状の整理ができ、エレノアさんに問いかける。
「それは分かりませんが、宿屋にいる人間へ攻撃するということは無差別に行っていると考えていいかもしれません。それと、私のそばから離れないで下さい。私、エルさんが、エルさんが殺されたのかと思ってしまいました。お願いです。私を1人にしないで下さい。お願いします。お願いします。これからも私を導いて下さい。お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします。」
俺の胸の中でなくエレノアさん。泣かせてしまった。俺が悪い。そして無差別に襲っているレジスタンスも悪い。さらに言うとレジスタンスを止めれない騎士も悪い。
エレノアさんを軽く抱きしめ背中をさする。やっぱり俺は無敵ではないと強く認識した。
「保障は出来ないけど、1人にはしない。咄嗟に動けなかった俺が悪かった。でも安心して。ちゃんと生きているから。召喚、今治のハンカチ。はい、涙、拭いて。」
日本で有名な今治のハンドタオルを渡し、エレノアさんから離れる。そして俺は考える。
(思考を止めるな。もう、この街は戦場だ。予想以上に暴れるレジスタンス。そんなことよりここは危険。不可視化のローブは1着しか出てこなかった。どうやって身を隠す?身代わりの宝具の残りは?)
「エルさん、私が囮をつとめます。その隙に不可視化のローブを纏ってここから離れてください。私も身代わりの宝具をいくつも所持しております故、必ず生きて貴方の所に戻ってきます。ッ!早く!敵が来ます!逃げて!」
足音が近づいてくる。他の部屋の宿泊客を殺したレジスタンスなのか、騎士が助けに来たのか。情けないがエレノアさんの指示された通りに不可視化のローブを羽織り部屋の片隅に移動する。
「へぇ、リーダーを殺ったのか。そこのメス...うーん、中々上玉じゃねぇーか。ケッヒヒヒひ。お前ら、あのメスは殺すな!生け捕りにして、親分に献上だぁっ!」
獣人、先程の獣人より身体が大きい。だが、知性が低そう。せっかく、エレノアさんが囮をしてくれる手筈だったのに、窓側とドア側が塞がれてしまった。
(獣人の特性って身体能力が異常に優れているのと嗅覚と聴覚が鋭いことだったっけ。目もよかったっけ?これは逃げれないな。それなら!)
「うぅん?匂うな...もう1人、人間がいるぞ!」
もう遅い、俺は手榴弾のピンを5ついっぺんに抜き、ばら撒く。
「ドーンだよ!!アハハハハハハっ!」
手榴弾の爆発で宿屋と共に獣人が消し飛ぶ。えっ?なんでこんなことしたのかって?宝具で守られているなら自分を巻き込んでも大丈夫なはず。
「ゲホッ...。エルさーん...何してやがるです?」
「あっ...すみません。身代わりの宝具を身につけているから大丈夫かと思って。ほら、結果的に俺たち無事...」
不可視化のローブを羽織っているにも関わらずエレノアさんに見つかりローブを剥ぎ取られ、首を絞められる。
「おい、自爆攻撃は今後禁止だ。いいな?」
「え...いや、でも...」
「もし、それで死んだら?さっき言ったよな?私を1人にしないと。もう一度誓え。」
「うっ...ち、ちか...ぃますぅ...」
カハッ。はぁはぁ。首を解放され空気を何度も吸い込む。自爆行為は、エレノアさんにとってNG行為らしい。
(ってか、めっちゃ怖かったんだけど!)
「ごめんなさい。頭に血がのぼりました。でも、エルさんが悪いのですから許して下さい。」
「あ、はい。こちらこそすみませんでした。」
もうなんなんだよ!この女!こえーよ!
「ふふっ。どこに行くのですか、エルさん?」
俺はエレノアさんから距離をとろうと走り出す前に腕を掴まれる。あぁ、エレノアさんからは逃げられない。
「と、トイレに...」
「そうですか。なら私の前でしてください。」
「えっ?」
「私の目の前してください。」
「あ、やっぱり我慢します。」
目が、目が...ハイライトが消えているぅぅう!
「遠慮しないでください。この先、ずっと一緒なのですから。ふふっ。お手伝いしますよ?」
軽くちびる俺。逃げたい。この女から逃げたい。
「あ、ほら、さっさとここから逃げよう?邪魔が入るかもしれないよ?」
「ふふふっ。そうですね…では、私から離れないでください。」
離れたくても、腕を掴まれているから離れられねーよ!っとは言えない。
「あ、はい。」
手榴弾の爆発により崩壊寸前の宿屋から出る俺たち。紅い月は、何か災いが起きるってネットで書いてあった気がする。起きて見た紅い月は、血の色だったとしても現に俺に災いが起きている。エレノアという災いが...
後書き
次回 セーフティーポイント
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ビラをばら撒くヒロイン
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寝不足によるハイテンションで謎の行動でわちゃわちゃしてしまった。それに、何が「戦いはもう始まっている」だよ!あの台詞の後、睡魔が襲ってきて俺たちは深い眠りについた。
そして今、起きて頭を抱え後悔で死にたくなっている。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛、時を戻せるなら寝る前の俺をぶん殴りたい!」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛、私も寝る前の私を張り倒したい!」
黒歴史が新しく更新された気分。いや、気分ではなく黒歴史だろこれ。そして、窓の外を見ると月が紅い。
「ぇ?紅い月...マジぃ?」
俺の言葉に現実に戻ったエレノアさんに指摘される。
「窓に血がついているから、月のあかりが紅く見えるるのでは?」
「あ...なーるほど。窓に血が、ねぇ。ってことは本当にレジスタンスとの大規模戦闘になっているのか?」
俺の呟きと同時に窓が割られ口元を隠した男の獣人が乗り込んで来た。
「人間、しね。」
「は?」
振り上げた大太刀で首を斬られ...
「は?」
「は?」
首を斬る前に止まっている大太刀。
「よくも、よくも、よくもぉぉおおお!」
獣人の頭に刺突武器をぶっ刺すエレノアさん。その勢いでエレノアさんが俺の首を何度も触り出す。突然の出来事すぎて脳の処理が追いついていない。
「大丈夫ですか?お怪我は?痛みは?」
「あぁ、大丈夫。宝具で免れたらしい。えっ?なにこれ。無差別に殺し回ってるのか?」
ようやく現状の整理ができ、エレノアさんに問いかける。
「それは分かりませんが、宿屋にいる人間へ攻撃するということは無差別に行っていると考えていいかもしれません。それと、私のそばから離れないで下さい。私、エルさんが、エルさんが殺されたのかと思ってしまいました。お願いです。私を1人にしないで下さい。お願いします。お願いします。これからも私を導いて下さい。お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします。」
俺の胸の中でなくエレノアさん。泣かせてしまった。俺が悪い。そして無差別に襲っているレジスタンスも悪い。さらに言うとレジスタンスを止めれない騎士も悪い。
エレノアさんを軽く抱きしめ背中をさする。やっぱり俺は無敵ではないと強く認識した。
「保障は出来ないけど、1人にはしない。咄嗟に動けなかった俺が悪かった。でも安心して。ちゃんと生きているから。召喚、今治のハンカチ。はい、涙、拭いて。」
日本で有名な今治のハンドタオルを渡し、エレノアさんから離れる。そして俺は考える。
(思考を止めるな。もう、この街は戦場だ。予想以上に暴れるレジスタンス。そんなことよりここは危険。不可視化のローブは1着しか出てこなかった。どうやって身を隠す?身代わりの宝具の残りは?)
「エルさん、私が囮をつとめます。その隙に不可視化のローブを纏ってここから離れてください。私も身代わりの宝具をいくつも所持しております故、必ず生きて貴方の所に戻ってきます。ッ!早く!敵が来ます!逃げて!」
足音が近づいてくる。他の部屋の宿泊客を殺したレジスタンスなのか、騎士が助けに来たのか。情けないがエレノアさんの指示された通りに不可視化のローブを羽織り部屋の片隅に移動する。
「へぇ、リーダーを殺ったのか。そこのメス...うーん、中々上玉じゃねぇーか。ケッヒヒヒひ。お前ら、あのメスは殺すな!生け捕りにして、親分に献上だぁっ!」
獣人、先程の獣人より身体が大きい。だが、知性が低そう。せっかく、エレノアさんが囮をしてくれる手筈だったのに、窓側とドア側が塞がれてしまった。
(獣人の特性って身体能力が異常に優れているのと嗅覚と聴覚が鋭いことだったっけ。目もよかったっけ?これは逃げれないな。それなら!)
「うぅん?匂うな...もう1人、人間がいるぞ!」
もう遅い、俺は手榴弾のピンを5ついっぺんに抜き、ばら撒く。
「ドーンだよ!!アハハハハハハっ!」
手榴弾の爆発で宿屋と共に獣人が消し飛ぶ。えっ?なんでこんなことしたのかって?宝具で守られているなら自分を巻き込んでも大丈夫なはず。
「ゲホッ...。エルさーん...何してやがるです?」
「あっ...すみません。身代わりの宝具を身につけているから大丈夫かと思って。ほら、結果的に俺たち無事...」
不可視化のローブを羽織っているにも関わらずエレノアさんに見つかりローブを剥ぎ取られ、首を絞められる。
「おい、自爆攻撃は今後禁止だ。いいな?」
「え...いや、でも...」
「もし、それで死んだら?さっき言ったよな?私を1人にしないと。もう一度誓え。」
「うっ...ち、ちか...ぃますぅ...」
カハッ。はぁはぁ。首を解放され空気を何度も吸い込む。自爆行為は、エレノアさんにとってNG行為らしい。
(ってか、めっちゃ怖かったんだけど!)
「ごめんなさい。頭に血がのぼりました。でも、エルさんが悪いのですから許して下さい。」
「あ、はい。こちらこそすみませんでした。」
もうなんなんだよ!この女!こえーよ!
「ふふっ。どこに行くのですか、エルさん?」
俺はエレノアさんから距離をとろうと走り出す前に腕を掴まれる。あぁ、エレノアさんからは逃げられない。
「と、トイレに...」
「そうですか。なら私の前でしてください。」
「えっ?」
「私の目の前してください。」
「あ、やっぱり我慢します。」
目が、目が...ハイライトが消えているぅぅう!
「遠慮しないでください。この先、ずっと一緒なのですから。ふふっ。お手伝いしますよ?」
軽くちびる俺。逃げたい。この女から逃げたい。
「あ、ほら、さっさとここから逃げよう?邪魔が入るかもしれないよ?」
「ふふふっ。そうですね…では、私から離れないでください。」
離れたくても、腕を掴まれているから離れられねーよ!っとは言えない。
「あ、はい。」
手榴弾の爆発により崩壊寸前の宿屋から出る俺たち。紅い月は、何か災いが起きるってネットで書いてあった気がする。起きて見た紅い月は、血の色だったとしても現に俺に災いが起きている。エレノアという災いが...
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