双子じゃないょ! (小説版)

むのう・しん

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1章

01年目ー6月 05 白猫ハク

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京町のエレナのすぐ側にから揚げドンドン 佐世保店がある。
唐揚げを買って、近くの公園のベンチに座って、おもむろに食べるものがいた。

マリス:「うむ、唐揚げは、熱いうちに食べるのが一番だな。」

エルフ女子高生、琴平マリス

学校帰りについ「から揚げドンドンの唐揚げが食べたい。」と発作的にでた言葉に

マナブ:「またですか、発作~あっ、いつもの事ですが僕は、バイトがあるので行きません。一人で行って下さい。」

マナミ:「ごめんなさい。私も買い物に行かないといけないから。」

マリス:「そうか、しかたない、私一人でアツアツの唐揚げを美味しく頂くとするか。」

と1人、食欲のおもむくままに学校帰りにわざわざ京町までやってきた。


から揚げを堪能するマリス
マリス:「もぐもぐ・・・うん~かみしめたときのアツアツの肉汁がたまりませんな~」

目をつぶりながら、しみじみと語るエルフ

だが、そのときマリスを真剣に見る眼差しがあった。そして、それは、マリスに迫り寄って来た。

[がさがさ・・・]
[ニャ~ゴロニャ~]

マリス:「うむ?猫か、モグモグ~」

マリスの前に猫は、から揚げをみて小さな声で鳴いた。

マリス:「猫もさすがに、このから揚げの魅惑的な香りに呼び寄せられたか、さすがケモノめ~パク!モグモグ・・」

おもむろに猫のまえでから揚げを食べてみせつける。
猫はマリスの前をウロウロしながら、くれるのを待っていた。

マリス:「ネコヤン、そんなに唐揚げが欲しいか?それなら、「から揚げ欲しいニャン~」と言えば、このから揚げ1個あげようではないか。悪い条件では、ないだろ。」

猫に対してマリスは、無茶難題を言い出した。

猫は立ち止まり、マリスを見上げるのであった。

マリス:「から揚げも残すところあと2個か。さて、さっさと食べて帰るか。」

?:「から揚げ、くれ~」

マリスは、どこからか声が聞こえて、周りを見回したが誰もすぐ近くに人はいなかった。

?:「あの~エルフのじょーちゃん、聞こえてる?ほら、こっち~」

マリスは、猫の方に目線を向けるとそこには、猫が人のように2本足で立っている。

マリス:「まさか、ネコヤンが喋ったのか。マジカ~ぱく!から揚げうま~」
?:「えっ!ちょっと!なに!オイラを見てそれだけ~嘘だろ~」
マリス:「うん~あっ、驚きね~うん~、あっ~驚いた。これで、いいか?」
?:「えっ!ちょっと、なにそれ~しかたなく驚いたみたいな~なんか、おとなしくしていたのが馬鹿らしくなるよ。」

エルフと喋る猫の普通にない雰囲気がそこにできあがっていた。

?:「それよりもほらから揚げ、から揚げ欲しいニャン~ね!言ったからくれ~」
マリス:「あっ、うん、から揚げ、ハイどうぞ~」
?:「すまないね~それでは、ハフハフ~うま~」
マリス:「猫がから揚げ、食べるのも変な気分だな~」
?:「エルフのじょーちゃん、オイラのこと猫とか言ってるがちょっとちがうんだな~」
マリス:「猫ではない?それでは、犬か。」
?:「いやいや、犬じゃないょ。猫の上位魔物、猫の王とも呼ばれるケット・シーって呼ばれる種族だ、こっちでは化け猫になるのか。」
マリス:「ケット・シー、ネコヤンは、異人か。」
?:「あっ、こっちのじいさん、ばあさんどもがオイラのこと異人様とか猫神とか言ってたな~」

マリスと猫は、何かしら話はつづき

?:「から揚げうまかったょ~ありがとうさん~おっと、自己紹介してなかったな、オイラの名は、ハク ロメルって名前や、気軽にハクさんって呼んでくれ」
マリス:「ハク ロメルとな、わかったネコヤン!私も自己紹介しておくか、琴平マリス、これが私の名だ、ちなみに、エルフと呼んでたが、自分では、バルカン人では、ないかと思う今日この頃だ。」

マリスとハクは、名をかわした。

ハク:「マリスのじょーちゃん・・・オイラの名はハク、ネコヤンじゃないんだが~」
マリス:「ハク~なんだか、ネコヤンと呼んだ方が私的には、運気が上がりそうだから・・・そうだ、私もマリスではなく、マリどん、と呼んでいいぞ。これでお互い損得なしだ。」
ハク:「損得・・・あっ~わかったょ~オイラのことは、ネコヤンでいいょ。マリス・・・マリどん。」

マリスとハクは、お互いにあだ名で呼び合うことになったがハクは少し納得できなかったがすぐに、まあ~別にいい感じなるのであった。

ハク:「マリどんは、エルフだょな~バルカン族は、知らんが~おまえさんは、別の世界から来たくちか?」
マリス:「・・・バルカン・・いや、エルフだが・・・私も別の世界から来た異人だ。」
ハク:「そうか、オイラの世界にもマリどんと同じ姿のエルフ族いるがおまえさんもそこから来たんじゃないのか?」

ハクの情報にマリスは、表情を変えなかった。

マリス:「ネコヤンの世界から私も来たかもしれない、が、また、別の世界から来たかもしれない。」
ハク:「うん?マリどん、それは、どういうことだ?」

ハクの答えにマリスも意味ありげに返した。

マリス:「うちの育て親代わりのばあちゃんから聞いたがこっちに来てる異人の世界も数が分かってるだけで500ぐらい、でおそらくまだまだ星の数以上あると言っていた。」
ハク:「えっ!まじかょ~」

マリスの言葉にハクは、うなだれた。

マリス:「ちなみにネコヤンのいた世界の名前、住んでいた所の名前は、わかるか?」
ハク:「名前?あ~世界の名は、ルーデアスでオイラの住んでいた国はバルディアス、て所だ。」
マリス:「バルディアス?・・・うん~どこかで聞いたことがあるような~」
ハク:「えっ!マリドンそれは、本当か!」
マリス:「たしか、昔、誰かが、バーガーダブルって言っていたょうな・・・・」
ハク:「バーガーダブルじゃなくて、バルディアス!バ・ル・デ・ィ・ア・ス」
マリス:「バルディアスだね、バルディアスの名は、たしかに聞いたことがあるんだが~うん~」

ハクは、「まだか、まだか」と唾をのみこみながらまち
マリスは、目をつぶり、「うん~」と口ばしりながら考えこむ

そして、マリスは、目を開き言葉を発した。

マリス:「ま~、そのうち思い出すか~」
ハク:「おいおい~」
マリス:「ところでネコヤンは、ここに住んでるの?」
ハク:「はい?あっ!この辺りを根城にしてるのかだな~いや、ここから少し離れた山側の神社を拠点にしてるが。」
マリス:「そうか、私は、御船の寺に住んでる。ここからだと、かなり遠い場所か・・・だが、私にとっては、問題はナイ!」
ハク:「えっ?問題ナイって、どういうこと?」

ハクの質問にマリスは、目をつぶり語りだした。

マリス:「それは、私が宇宙を目指す者だからさ!」
ハク:「えっ!何それ?宇宙・・・?」

ハクは、マリスの返答に困惑した。

マリス:「転送・・・テレポートが使えるのだ。」
ハク:「転送・・・テレポート?」
マリス:「遠い場所に一瞬で行くスキルだ。」
ハク:「あっ~転移やワープか、て、それ凄いじゃねぇか~。」
マリス:「ここから、家までの往復が5回、人1人追加で運ぶと3回、福岡から佐世保までだと、私だけなら往復1回しか使えない」
ハク:「うん、場所がどこなのかわからないが、なんか凄いのか?・・・」
マリス:「うん~すごくないな・・・マオ姉は、どこでも行ける。宇宙も行ける。私は、宇宙は、無理だ。」
ハク:「宇宙・・て、あの空の上にある、息ができない闇の世界だろ、オイラは、怖くて行きたくないな~」
マリス:「怖いね・・・たしかにそうだが、そこにこそ、夢と希望と冒険のフロンティアである!」
ハク:「フ・・フロンティア?あっ~よくわからんがマリドンにとっては、行きたいところなんだな。」
マリス:「うむ!あっ、カラドンのコロッケが冷めるところだった、パク!」
ハク:「マリドン、それオイラにもくれ。」
マリス:「モグモグ・・ごくん!うむ~はい、コロッケ。」
ハク:「おう~いただきます~パク!おう~うま~」

マリスとハクは、ベンチに座りコロッケを食べていると夕暮れの赤く染まった空に17時の帰りの音楽が町の中に流れ出した。

マリス:「うむ、さて家に帰るメロディーがなったので帰るとしますか~このまま、夜遊び延長になると大変なことになる。」
ハク:「夜遊びすると大変なことになる?なにかあるの。」

ハクは、真剣な顔で夕暮れの空を眺めるマリスに尋ねた。

マリス:「メガネをかけたオーク似のオヤジにお小遣いあげるから遊ばないかと言われホテルに連れ込まれそうになるところをシズ姐に助けられた。」
ハク:「おいおい~それは、やばかったな~ムフフな凄いことになってたぞ」
マリス:「オーク似のオヤジは、シズ姐の付き添いの黒服のおっちゃん達に袋叩きされてた。」
ハク:「え~なに、それ~、シズねーって~怖い所の人かなにか~?」
マリス:「シズ姐は、優しくて、お金持ちでいい人だ~本当のお姉ちゃんみたいに思ってる。」
ハク:「あ~そ・・そうなのか・・・ま~悪いヤツじゃないみたいだな~」


【カ~ア~ カ~ア~ カ~ア~・・・・・】

夕焼け空を飛ぶカラスが鳴き声が鳴り響く

ハク:「おっと、すまないな~引き留めて」
マリス:「うむ!それでは、ネコヤン、また、どこかで!」
ハク:「あっ!また、会えるといいな、じゃーな!」

【フ~オ~ン~・・・シュン!】

マリスは、転移魔法で家と帰り、ハクも公園をあとにして寝床へと帰って行くのであった。

それから、数日後ハクは、マリスとマリスに関わる者達と出会う運命があることをまだ知らない・・・



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