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0章 いろいろ

00年目ー12月 01 お坊ちゃま、お嬢さま!

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ジーク:僕の朝は、一杯の飲み物を口に含んでから始まる。

イギリスのとある貴族、ベルディース家に生まれた三男、ジーク・N・ベルディースは、屋敷から見える、外の風景を見ながら、何か考えていた。

【コン!コン!】

ジーク:うん、ラーナかな?
ジーク:「いいですよ、入ってください。」

【ガチャ】

ラーナ:「おはようございます。お兄様」
ジーク:「ラーナ、おはよう。」

にこやかかな顔でジークは、双子の妹のラーナにあいさつをする。

ラーナ:「お兄様、どうされたのですか?何か悩み事でもあるのですか?」
ジーク:「うん!悩み事?まあ、悩みというか・・・・昔のことを思い出してね。」
ラーナ:「昔・・・、サードとアルマのことですか?」

ラーナは、ジークにあることを聞く。

ジーク:「サードとアルマか、そうだね・・・、彼らもどこかで生まれ変わってるはずだと思いたいです。」
ラーナ:「エルナとタリスは、今は、ロシアのシルビアとセルビーとして生まれ変わって、連絡はとれてるのですが・・・彼らも生まれ変わってるかどうか・・・わかりません。」
ジーク:「エルナとタリス・・シルビアとセルビー、ナーブネットがこの世界でも使えたから良かったけど、機構品が呼びだせないのは悩むね。」
ラーナ:「ナーブネットは、お父様達には、テレパスと思ってるみたいで、魔法使いの家系であるからあたりまえに思われています。」
ジーク:「僕たちは、運が良いのかもしれない。」

にこやかな顔でコーヒーを飲むジーク、そこに誰かがやって来た。

【コン!コン!】

ラーオー:「ジーク様、旦那様がお呼びです。書斎に来ていただけますか?」

ベルディース家の執事のラーオーが主からの知らせを伝えに来た。

ジーク:「わかりました。」
ラーオー:「あとラーナ様、こちらに来ていますか?」
ラーナ:「はい、こちらにいますが、私も呼ばれていますか?」
ラーオー:「はい、呼ばれています。書斎へ来てくださいませ。」
ラーナ:「わかりました。うかがいます。」

2人は、ベルディース家の主人である父親に呼び出されていた。

書斎では、外の風景を見ながら考え事をする金髪の顔立ちの良い中年男性がいた。

マルクス:さて、どうしたらいいものか?長男のエリアス、長女のジーナ、次男アルナ達は、家業の運営で行けない以上、ジークとラーナに留学ついでに任せるか。

なにやら、考え込んでいる男性こそ、ベルディース家の主人であり、幾つかの業種を生業とする世界有数の大企業の一つ、ベルディースコーポレーションの総帥である、
マルクス・N・ベルディースである。

【コン!コン!】

マルクス:「誰だ?」
ラーオー:「ラーオーです。ジーク様、ラーナ様、お連れしました。」
マルクス:「わかった、入りなさい。」

【ガチャ!】

ラーオー:「失礼いたします。」
ジーク:「おはようございます。父上」
ラーナ:「おはようございます。お父様」
マルクス:「おはよう、ジーク、ラーナ」
ジーク:「何かありましたか?」
マルクス:「来年、お前たちは日本に留学する形だが」
ジーク:「はい、そうですが、別に僕たちは、日本に行けるのが楽しみですよ。嫌がっていませんから大丈夫ですよ。」
ラーナ:「私もお兄様と一緒に日本に行くのが楽しみです、お父様。」

マルクスは、2人の言葉に微笑み顔で見つめていた。だが、ある言葉にマルクスの顔が変わるのであった。

ジーク:「父上、日本で何かあったのですね。」
ラーナ:「モトマチ絡みですよね。」

マルクスは、再び外を眺めて語り始めた。

マルクス:「やはり、見抜かれているようだな、二人とも私の父・・・お前たちの祖父に鋭すぎる感が強く受け継がれているな、まったく・・・」

マルクスは、自分の父親に叱られていた頃をつい思い出していた。

ジーク:「シズカ・モトマチ・・・彼女ですか・・・兄さんたちも忙しいですから、僕らの方で対処するしかないですね。」
ラーナ:「兄さま、姉さま達には、仕事を専念してもらい、私とジーク兄さまでモトマチのことを対処します。」
マルクス:「そうか、すまないがまかせる。私も企業拡張やら、各国のインフラ事業協力などで飛び回らないといけないからね。ジーク、ラーナ仕事だけじゃなく、留学さきで色々と経験してきて、楽しんできなさい。」
ジーク:「わかりました。父上」
ラーナ:「わかりました。お父様」

マルクスは、2人と会話をかわし、にこやかな顔をした。
そして、2人の顔を見ながら、マルクスは、昔を思い出していた。

マルクス: この子達もこんなに大きくなったものだな。エリアス、ジーナ、アルナだけでいいかな~と、思ったら、
まさか、まだ子供ができるとは思わなかったが、それも双子の男女ときて、自分でも驚いたな。
あのころは、私も父親のあとを継ぎ、いろいろと大変だったが、子供たちも仕事を手伝ってくれるし、
とくに、企業がさらに大きくなった要因は、ジーク、ラーナの天才とも言える頭脳と経営センスと指揮能力、そして能力者としての力
それが、あったからこそここまで、急成長できた。おかげで、私も、忙しくなっているが~
でも、この子達もせめて、同世代の子供達と一緒に楽しい経験はしてもらいた、父親として家業を手伝わせてすまないと思っている。

などと、マルクスは、目をとじ、しみじみと考え込んでしまっていた。

父親の話も終わり、書斎からジークとラーナは退出した。

ラーナ:「お兄様、お父様が言っていたモトマチの件は注視しておく必要は、ありますね。」
ジーク:「シズカ・モトマチですか、たしかに彼女は要注意する人物ですね。」
ラーナ:「彼女は、私たちと同じく、大学院クラスの学位を修得しているのにあえて、普通の学生軌道を進み直していますから、なにを考えているかわかりません。」
ジーク:「僕たちは、彼女のその行動については、否定したことは言えないけどね。」
ラーナ:「そうですねー、勉学、情報、人脈を集めるには、年齢的な学生の身分は都合がいいです。」
ジーク:「そうだね、僕らも彼女と同じだよ。」

2人は、歩きながらシズカ絡みの話をしていた。

ジーク:「シズカですか・・・彼女は、日本の大企業の一つ元町グループの子息、令嬢の一人・・・僕らと同じ、あちらも企業体制が似ています。」
ラーナ:「たしかにそうですね、ですが元町の血族の中では、彼女は、とくに注視しておかなければならない人物・・・彼女は、私たちと似た位置にいます。」
ジーク:「そうですね・・・彼女も転生者であるのではないかと思いますが・・・確定的な証拠がないので・・・わからないと今は言わざるをえないですか。」
ラーナ:「こちらに対しても攻撃、買収などとる様子どころか、企業協力、共同開発、支援などしてきますから、仕事上の良き付合いは、しています。今は・・・」

シズカの存在は、2人にとっては、つかみどころがわからないところがありすぎていた。

【プルプル・・・】

突如ジークの通信デバイスが着信音を小刻みに震わせた。着信元は、シズカからであった。

シズカ:「もしもし、シズカですが~ジーク君ご機嫌いいかですか~」

英語での会話のシズカは、ジークに話しかけてきた。

ジーク:「これはシズカ、ひさしぶりだね。今日は、とっぜんどうしたんのかな?」
シズカ:「いや、マルクス氏から来年、君ら2人日本に来ると聞いたから、それで電話をしたのだが。」
ジーク:「そうですか、仕事柄、日本もかなりの重要な場所ですから、学業もふまえて日本に留学をすることにしました。」
シズカ:「東京の高等学園ですか、このことがわかっていたら、こちらでも準備していたのですが、ちなみに長崎の私の学園に、もし替えるなら、いつでも大丈夫ですよ。」
ジーク:「ありがとうございます。ですが、こちらもいろいろとありまして、まずは、首都東京から学びたいと思いまして選んだしだです。」
シズカ:「そうですか。わかりました。もしなにかあって、こちらにどうしても変わりた場合は、いつでもこちらに言ってください。おまちしています。」

シズカの自分の学園に来ないかの誘いになにかしらの違和感を感じたジーク。

それから時はたち、つぎの年の春がすぎて夏になる前であった。

マルクス:「2人ともすまないな、本来なら日本での留学予定が仕事のどうしても穴があけられないことがらできて、そちらを優先することになり、本当にすまない。」

ジーク、ラーナは、父親マルクスと一緒に中国での仕事、事業絡みの案件にどうしても2人は必要と判断され付き添いで中国の北京まで行動をともにしていた。

ジーク:「父上、こればかりは、しかたがないです。」
ラーナ:「そうですょ、お父様、日本の件に関しては時期をずらしますし、勉学はいまさら私たちには必要はないです。たんに調査と体験が目的ですから。」

マルクスも2人の返答にいささか納得いくようで、いかない複雑な気分で少ししょげるのであった。

ホテルの自室にもどった、ジークは、ラーナを呼んで今後の打ち合わせをしてるときに突然、ジークの感覚ネット、ナーブネットに感じとるものがあった。

ジーク:「2月以降から、感じていたが、サードとアルマの存在がさらに感じとれるようになった・・・」
ラーナ:「ただ、あちらとの通信阻害がなんらかありますが日に日にノイズもなくなってきてますから近いうちに繋がりますね。」

それから、数日後ジークは、マナブことサードにナーブネットでの通信を成功させるのであった。










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