双子じゃないょ! (小説版)

むのう・しん

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1章

01年目ー5月 04 帰る

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6時間目の授業も終わり。
掃除もして、帰りのホームルームをして、あとは帰りますか。

教室にいたクラスメートは、次々と部活動に向かう者、家に帰る者と姿を消していく中で川井さんがこっちに話しかけてきた。

「お兄ちゃんには、お姉ちゃんがいるんだよね」

あっ、あれほどお兄ちゃんて言わないでくれといってるのにこの人は~ (泣)

「あっ、姉さんですか、いますよ、福岡の大学に行っています。」

ぷるぷる・・・・・

「お姉ちゃんゲットだぜ!」

えっ!なんですと?

「姉さんゲットて、川井さん何言ってるんですか?」
その受け答えに驚いてガクリしたひょうじょうでつぶやきだした。

「私、さっきも言ったように一人っ子だから、兄弟姉妹ほしくて、あこがれて、そして、こうして双子の兄を手に入れて、さらに大学生のお姉ちゃんまでついてくるのに~お兄ちゃんが冷たいこと言うょ~」
あっ~うん~そんなこと言ってましたね~だけども、僕を双子の兄にしたてたり、姉さんまでほしい~うん~なんだろう~
一人っ子は、逆に僕は、羨ましく思う時もありますが~姉さんと離れて暮らすようになってからは、ときどき寂しい時も僕も感じるときがありますが、川井さんは、僕の感じる寂しさの倍以上に感じてるのか・・・と考えてしまい、溜息をついた。

ガラ~ガラ~

「マナブいるか、借りてた本持ってきたぞ~」
とっぜん、教室に入ってきた僕より背が高い、少しガッシリした体格の男子高校生、
小学校からの幼馴染の町田一樹(カズキ)である。
「今日、転校生が入ったんだょな・・・えっ?マナブ・・・2人?」
あっ、見られた! て、別に悪いことをやってるわけでもないし、隠す意味自体べつにない。
ただ、僕も巻き込まれているから、いまさら、なにするが労力の無駄、面倒くさい、静かに待つのが一番である。
「あっ、カズキ、こちらが今日、転校して来た、」
突如、川井さんは、口を出してきた。
「お兄ちゃんの友達?初めまして、マナミです。これから、よろしくね!」

おう~、川井さん、あんた、ワザとだよね? こうなるとおそらく・・・

「マナブ!お前、双子だったのか!それなら、ソックリだょな~、うん、納得した!」

うん!こうなるよね~、わかっていたよ。この状況では、誰もそっちを信じるよな~ (泣)

「え~っとですね~、今日転校してきた、川井マナミさんです。そして、双子じゃありません!まったくの赤の他人です!ただ、顔がソックリなだけです。」
少し怒り気味に話した。

「カズキも知ってるでしょ、ダメ姉がいるだけで、妹や弟なんかいないのわ。いたら、隠すよりも先に紹介した方が楽です。」

川井さん、しょげた~
「お兄ちゃん・・・怒ってる・・・」
うん~イラッとしましたが、なんか、諦めました。彼女にとっての僕のあだ名でおいておきましょ~
「あっ、そうだょな~妹、弟いなかったょな~て、マオ姉さんの扱いお前~ひどいぞ~」
カズキは、うちのダメ姉、マオ姉さんを尊敬?している。そう、姉の下僕の一人である。雑な姉のどこがいいのやら~
「俺もうそろそろ、バイトに行くな。あっ、そうそう、マスターがまた、忙しくなったら、ヘルプよろしくと言ってた。」
入学前に、休みの時に少し手伝った、カズキの知り合いの喫茶店。
「あの時は、ゲームのためにパソコンのスペック上げ部品の資金調達に助かりました。わかったよ、その時はよろしくと言っておいてください。」
ニコリと笑ってカズキは、うなずいた。
「えっ!バイト、いいな~でも、今は、こっちに来たばかりだから無理かな~落ち着いたら私もやろうかな~」
川井さん、あなたは、いろいろと佐世保や学校のこととか他、もろもろとおぼえましょ、まずは、僕のお兄ちゃん呼ばわりなんとかなりませんか?

「あっ、マナブ、あの人もすぐにこっちに来るんじゃね~。こんな、面白いこと、見逃さないかもというより、あの人が仕組んだんじゃないか~」
カズキは、苦笑いしていた、あ~そう言えば、こんな面白い形にできる人、ダメ姉さんを崇める下僕の一人・・・うちの学校の生徒会長・・・

「マナブ・・・だよね~・・・」
教室の入り口の開き戸から、恐る恐るこっちを見ながら、話しかける声、それに気づく、そして驚いた顔をする、川井さんが一言!

「エルフ?」




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