真田源三郎の休日

神光寺かをり

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【受賞作】狼の贄~念真流寂滅抄~

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「人を斬らねば、私は生きられぬのか……」  江戸の泰平も豊熟の極みに達し、組織からも人の心からも腐敗臭を放ちだした頃。  魔剣・念真流の次期宗家である平山清記は、夜須藩を守る刺客として、鬱々とした日々を過ごしていた。  念真流の奥義〔落鳳〕を武器に、無明の闇を遍歴する清記であったが、門閥・奥寺家の剣術指南役を命じられた事によって、執政・犬山梅岳と中老・奥寺大和との政争に容赦なく巻き込まれていく。  己の心のままに、狼として生きるか?  権力に媚びる、走狗として生きるか?  悲しき剣の宿命という、筑前筑後オリジンと呼べる主旨を真正面から描いたハードボイルド時代小説にして、アルファポリス第一回歴史時代小説大賞特別賞「狼の裔」に繋がる、念真流サーガのエピソード1。 ――受け継がれるのは、愛か憎しみか―― ※この作品は「天暗の星」を底本に、9万文字を25万文字へと一から作り直した作品です。現行の「狼の裔」とは設定が違う箇所がありますので注意。

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