43 / 97
最初の夫婦と最初の娘たちの話
この世界で最初の夫婦の最後の娘の彷徨
しおりを挟む
広い広い大地には、人が最初の夫婦の二人と最初の夫婦の最初の娘と最初の双子の娘とこの世で最初の逆子の娘とこの世で最初の掌に乗るほどに小さな体で生まれた娘とこの世で最初の大人のように大きな体で生まれた娘とこの世で最初のお母さんのお腹を裂いて取り出した娘しかおりませんでした。
夫の人はこの世で最初のお父さんで、この世で最初のお百姓さんでした。
妻の人はこの世で最初のお母さんで、この世で最初の機織り職人さんでした。
最初の娘はこの世で最初の赤ん坊で、この世で最初のお医者さんで、この世で最初のお産婆さんでした。
次の娘たちはこの世で最初の双子で、先に生まれた方はこの世で最初の猟師さんでした。
後に生まれた方はこの世で最初の料理人さんでした。
次の娘はこの世で最初の逆子で、この世で最初の仕立屋さんでした。
その次の娘はこの世で最初の掌に乗るほどに小さな体で生まれた赤ん坊で、この世で最初の牧童さんでした。
そのまた次に生まれた娘はこの世で最初の大人のように大きな体で生まれた赤ん坊で、この世で最初の大工さんでした。
そして最後に生まれた娘は、この世で最初にお母さんのお腹を裂いて取り出された赤ん坊で、この世で最初の詩人になる人でした。
ですがヌトは初めから詩を作り歌を唄おうと考えたのではありませんでした。
この世で最初にお母さんのお腹を裂いて取り出された赤ん坊のヌトは、一等最初はお父さんと一緒に働こうと思っていたのです。
ヌトはこの世で最初のお百姓さんのお父さんの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。お父さんは大変よろこび、早速娘のために新しく鍬や鋤を作りました。二人は丸々一日畑で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、お父さんに言いました。
「私にはお父さんの仕事は向いていないようです。体中が痛くて歩くこともできません」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の機織り職人さんのお母さんの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。お母さんは大変よろこび、早速娘のために新しく糸車や腰機を作りました。二人は丸々一日作業場で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、お母さんに言いました。
「私にはお母さんの仕事は向いていないようです。腰が痛くて立ち上がることができません」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初のお医者さんのフッラの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。フッラは大変よろこび、早速妹のために新しく薬研や乳鉢を作りました。二人は丸々一日調薬部屋で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、フッラに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。眼が疲れて物を見ることができません」
こうしてヌトは、その晩晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の猟師さんのマッハの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。マッハは大変よろこび、早速妹のために新しく弓矢やナイフを作りました。二人は丸々一日草原で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、マッハに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。足が疲れて歩くことができません」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の料理人さんのジョカの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。ジョカは大変よろこび、早速妹のために新しく包丁や匙を作りました。二人は丸々一日厨房で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、ジョカに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。手先が冷えて物を掴むことができません」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の仕立屋さんのポイベの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。
ポイベは大変よろこび、早速妹のために新しく鋏や針を作りました。二人は丸々一日工房で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、ポイベに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。指に針が刺さって傷だらけです」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の牧童さんのディーヴィの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。
ディーヴィは大変よろこび、早速妹のために新しく杖や投石器を作りました。二人は丸々一日牧場で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、ディーヴィに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。牛たちに蹴られで体中があざだらけです」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の大工さんのティアマトの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。
ティアマトは大変よろこび、早速妹のために新しく斧や木槌を作りました。二人は丸々一日屋根の上で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、ティアマトに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。高いところから落ちるのでは無いかと思うと恐ろしくて膝が笑って動けません」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
夫の人はこの世で最初のお父さんで、この世で最初のお百姓さんでした。
妻の人はこの世で最初のお母さんで、この世で最初の機織り職人さんでした。
最初の娘はこの世で最初の赤ん坊で、この世で最初のお医者さんで、この世で最初のお産婆さんでした。
次の娘たちはこの世で最初の双子で、先に生まれた方はこの世で最初の猟師さんでした。
後に生まれた方はこの世で最初の料理人さんでした。
次の娘はこの世で最初の逆子で、この世で最初の仕立屋さんでした。
その次の娘はこの世で最初の掌に乗るほどに小さな体で生まれた赤ん坊で、この世で最初の牧童さんでした。
そのまた次に生まれた娘はこの世で最初の大人のように大きな体で生まれた赤ん坊で、この世で最初の大工さんでした。
そして最後に生まれた娘は、この世で最初にお母さんのお腹を裂いて取り出された赤ん坊で、この世で最初の詩人になる人でした。
ですがヌトは初めから詩を作り歌を唄おうと考えたのではありませんでした。
この世で最初にお母さんのお腹を裂いて取り出された赤ん坊のヌトは、一等最初はお父さんと一緒に働こうと思っていたのです。
ヌトはこの世で最初のお百姓さんのお父さんの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。お父さんは大変よろこび、早速娘のために新しく鍬や鋤を作りました。二人は丸々一日畑で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、お父さんに言いました。
「私にはお父さんの仕事は向いていないようです。体中が痛くて歩くこともできません」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の機織り職人さんのお母さんの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。お母さんは大変よろこび、早速娘のために新しく糸車や腰機を作りました。二人は丸々一日作業場で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、お母さんに言いました。
「私にはお母さんの仕事は向いていないようです。腰が痛くて立ち上がることができません」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初のお医者さんのフッラの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。フッラは大変よろこび、早速妹のために新しく薬研や乳鉢を作りました。二人は丸々一日調薬部屋で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、フッラに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。眼が疲れて物を見ることができません」
こうしてヌトは、その晩晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の猟師さんのマッハの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。マッハは大変よろこび、早速妹のために新しく弓矢やナイフを作りました。二人は丸々一日草原で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、マッハに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。足が疲れて歩くことができません」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の料理人さんのジョカの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。ジョカは大変よろこび、早速妹のために新しく包丁や匙を作りました。二人は丸々一日厨房で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、ジョカに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。手先が冷えて物を掴むことができません」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の仕立屋さんのポイベの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。
ポイベは大変よろこび、早速妹のために新しく鋏や針を作りました。二人は丸々一日工房で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、ポイベに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。指に針が刺さって傷だらけです」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の牧童さんのディーヴィの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。
ディーヴィは大変よろこび、早速妹のために新しく杖や投石器を作りました。二人は丸々一日牧場で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、ディーヴィに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。牛たちに蹴られで体中があざだらけです」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
次の日、ヌトはこの世で最初の大工さんのティアマトの所へ行きました。そうして
「どうか私にあなたの仕事を手伝わせてください」
と言いました。
ティアマトは大変よろこび、早速妹のために新しく斧や木槌を作りました。二人は丸々一日屋根の上で働きました。
日が暮れて夜が来ました。
初めての仕事に疲れ果てたヌトは、ティアマトに言いました。
「私には姉さんの仕事は向いていないようです。高いところから落ちるのでは無いかと思うと恐ろしくて膝が笑って動けません」
こうしてヌトは、その晩泥のように眠ったのでした。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる