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はじまりの村 アストレア
勇者ラブリエル④
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「ちなみに魔力は搾精をした術者に一旦蓄積され、これを術者が魔法として消費・換金・アイテム交換・クエスト解禁などで世界に還元する事により、親機のラブリエル様の元に送られていく仕組みになっております。」
「おちんちんポイントって呼び方はどうにかならないの?」
おちんちんポイントの連呼で流石に我慢が出来なくなったオレは無粋を承知の上でツッコんだ。が、ヒルトはそれを無視して話を続ける。せめてアルファベットの略称とかでどうにかならないものか。
「技取得にも使えたりするのですが、まあ今の職業の技は生前からほぼ持ち合わせているようですし、しばらくはクエスト解禁に使いましょう」
「今の職業……魔漢の事?」
「え~貴方生前から魔法が使えたんですかぁ?ゲームのやり過ぎで二次元と三次元の区別もつかないんですかぁ?」
全くもって正論だが煽られた苛立ちで地団駄を踏んだ。しかし魔漢として処刑され、魔法を使い、今も魔法使いのようなローブを着ているのだ。これで魔法使いでないならあとは本当にジョブ:変質者くらいしか思いつかない。
「『踊り子』ですね。魔漢というのはこの世界では種族のようなモノなので、職業とは別なんです。ドワーフやエルフみたいなものですかね」
「踊ったのなんてラジオ体操とかソーラン節くらいしか記憶はないけど……」
「この世界の踊り子は、まあ、そういうお仕事の総称みたいなものですから。ドワーフもエルフも魔物として駆除の対象になっており、本来は人の棲む町へは入れられないのですが……ごく一部の魔物は、契約を結んでヒトと同じように使役する事が出来るのですよ」
なるほど。性的な接待についてだったら、自分で言うのも悲しいが心得がある。そして今更だが、主人公じゃないどころかモンスター側である事を改めて言われると多少傷付くことを知る。モブ町民でさえなかった。人間になりたいモンスターはこういう気分なのだろうか。
「この度はラブリエル様の子機である主人公と契約をしていただこうと思いまして、はじまりの村──『アストレア』で主人公が井戸を調べた際、1/64の確率で起こるイベント戦で契約を結ぶために、ラブリエル様が町中へこっそり転移させました」
「下心丸出しの主人公だな」
「貴方散々痛い目見てるのに割と口が減らないですよね!こっちは淫紋放置してこの世界から出て行ってもいいんですよ!?」
鞘に入った剣先をぐりぐりと腹に当てながらラブリエルが言った。淫紋は厄介な事に付与されている時点で、封印されていてもある程度性感帯になるらしい。ごめん、と謝りながら両手を上げるとラブリエルは満足げに新たな呪文を唱えた。
「おちんちんポイントって呼び方はどうにかならないの?」
おちんちんポイントの連呼で流石に我慢が出来なくなったオレは無粋を承知の上でツッコんだ。が、ヒルトはそれを無視して話を続ける。せめてアルファベットの略称とかでどうにかならないものか。
「技取得にも使えたりするのですが、まあ今の職業の技は生前からほぼ持ち合わせているようですし、しばらくはクエスト解禁に使いましょう」
「今の職業……魔漢の事?」
「え~貴方生前から魔法が使えたんですかぁ?ゲームのやり過ぎで二次元と三次元の区別もつかないんですかぁ?」
全くもって正論だが煽られた苛立ちで地団駄を踏んだ。しかし魔漢として処刑され、魔法を使い、今も魔法使いのようなローブを着ているのだ。これで魔法使いでないならあとは本当にジョブ:変質者くらいしか思いつかない。
「『踊り子』ですね。魔漢というのはこの世界では種族のようなモノなので、職業とは別なんです。ドワーフやエルフみたいなものですかね」
「踊ったのなんてラジオ体操とかソーラン節くらいしか記憶はないけど……」
「この世界の踊り子は、まあ、そういうお仕事の総称みたいなものですから。ドワーフもエルフも魔物として駆除の対象になっており、本来は人の棲む町へは入れられないのですが……ごく一部の魔物は、契約を結んでヒトと同じように使役する事が出来るのですよ」
なるほど。性的な接待についてだったら、自分で言うのも悲しいが心得がある。そして今更だが、主人公じゃないどころかモンスター側である事を改めて言われると多少傷付くことを知る。モブ町民でさえなかった。人間になりたいモンスターはこういう気分なのだろうか。
「この度はラブリエル様の子機である主人公と契約をしていただこうと思いまして、はじまりの村──『アストレア』で主人公が井戸を調べた際、1/64の確率で起こるイベント戦で契約を結ぶために、ラブリエル様が町中へこっそり転移させました」
「下心丸出しの主人公だな」
「貴方散々痛い目見てるのに割と口が減らないですよね!こっちは淫紋放置してこの世界から出て行ってもいいんですよ!?」
鞘に入った剣先をぐりぐりと腹に当てながらラブリエルが言った。淫紋は厄介な事に付与されている時点で、封印されていてもある程度性感帯になるらしい。ごめん、と謝りながら両手を上げるとラブリエルは満足げに新たな呪文を唱えた。
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