チート異世界転生したら火炙りになってま死た。

チュートリアル

VS兵士③

　チートの割には脆いな、というのが最初の感想だった。炎が熱くないのはチートに関係したものだとばかり思っていたが、単に演出だったのかもしれない。半ば無理やり自分を納得させている間に、上半身がさけるチーズのように分かれたまま石畳に叩き付けられた。

【🏆ざぁこ❤︎ざぁこ❤︎ザコ転生者❤︎】

「初実績解除おめでとうございます～！この実績解除、チュートリアルで殺ヤられないと出ないから、結構レアなんですよ、よかったですねぇ～」
「現実の視野角に実績表示されるの、結構邪魔……」

　瞬きもしない間に身体は再び石畳の上に立ち上がっていた。足元には新鮮な死体が転がっている。吐き気を抑えつつその死体を見ると、炭化した死体の時にはわからなかったが、確かに自分の姿だった。死んでいるのに、生きていた頃より元気そうな顔をしている。

「え……死体ってそのまま残るの……？」
「そのうち消えますよ～。貴方の通った村が軒並み疫病で壊滅となると主人公も困るでしょうからね！」

　出来ればすぐ消えて欲しかった。兵士は今度こそ泣き出し、座り込んでしまった。地面から剥がれない脚を切り捨てようとさえするが、豪奢防御力がありそうな甲冑は槍を弾くばかりである。

「さてさて、とりあえずは戦ってもらうとしますか。ここまでザコ敵ならすぐに『搾精』でも成功率は高いですけど、まあ、チュートリアルでは基礎から順番に学ぶのがルールですからね。まだえちえち❤︎なシーンはありませんから、期待しないでくださいね～」

　そのシーンでセックス描写をされるのは自分である。期待しようもない。と言いかけ、神殿オープニングでの出来事を思い出し口をつぐんだ。オレは死ぬと同時に消えてしまったメニューを再び呼び出し、『戦闘』をタッチした。