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秘密のいもうと

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side 衛




「白夜、約束が違うじゃないですか?」



自分が兄だと言う事は名乗らないと言って置きながら、僕に秘密にして欲しいと言って置きながら、のこのこ入学初日から、華南に接触するなんて思っても見なかった。





「うっせぇ、華南を守れないのを俺の性にすんじゃねえよ!! 良いか? テメェも俺に弱み握られてるって事忘れんじゃねえぞ。元カノの事バらすかんな?」




僕は、白夜の弱み(華南と血の繋がりのある、兄妹)を握り、白夜は僕の弱み(元カノの存在)を握っており。




僕達は、互いに負の協定を結んでいる。




「華南をどうするつもりです?」



「はあ?」



「何で、華南に接触するんです? 目的は何ですか?」



「……目的なんてねえ。ただ、一度は会って話をしたかっただけだ。あいつが何かされそうじゃなかったから、何度も接触なんてしなかった。テメェ風紀だろ? 見張っとけよ」



「分かってます。明日からちゃんとします」




甘かったのは、僕の落ち度だ。



華南がこんなに早く鳳の名を持つ事でやっかみを受けるなんて想定していなかった。









何があっても、僕は華南を諦めるつもりはない。




「おにいちゃん、白夜先輩や先生は?」



「白夜は部活を抜けて来ていたので戻りました。先生は、後始末があるそうです。他校の生徒や教師を巻き込んで大変なんだそうですよ。




華南が、入学の戸惑いを前の中学の親友に相談した事で(僕がやった悪戯を相談されてしまった。迂闊だった)華南を心配したその親友はご丁寧に、華南の実の叔父である前の中学に勤務する教職員を巻き込んで学校に突入して来た。



幸い、対応に当たってくれたうちの学園の先生が有能(さすが僕の従姉亜希姉さん)だったので、見事その場を収めてくれた。



その代償に、ほっぺに平手打ちをお見舞いされたのは、余計だったが。



僕にだって言い分はある。



華南を誰にも渡したくない。



ずっと大事に守り続けたいと言う気持ちと、華南の総てを自分のものにしたいと言う葛藤を2年間続け、華南の純真を守った事については評価があって然るべきと思っている。



まぁ、正しく伝わったのか、真実を証言した際にそれに賛同が得られたかいまいち定かではない。





※この事については後日、この物語の続編を読み続けていれば、いずれ何らかのかたちでお話しする事が出来るだろう。

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