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第5章 シ・ア・ワ・セ・シ・ン・デ・レ・ラ・? ~独占欲と情欲とがっつり食欲~
プロローグ<483>
しおりを挟む今、多分、自分史上最高に順風満帆だと思う。
家族関係。
職場関係。
交友関係。
そして、恋人関係。
全部、すべてに置いて、申し分ない位。
すべてがすべて、うまく行っている。
9月から、営業二課主任に昇進だし。
9月末で、リフォーム工事に入るから、後半の3連休で、冬野さんのところに引っ越し。
地味で根暗で残念な癖に、私、冬野さんと恋人同士になって。
同棲、始めちゃいます。
もう、マジ、隕石とか落ちて来ないか、心配なレベル。
もう、どうしよう。
朝、会社の机の引き出し開けたらさ、マキさんが出てくるレベルの転変地異で、何らかのアンラッキーとかないない。
ないない。
ないない。
「石崎さぁあああああん、債権管理の課長が、石崎さんを指名してます。 今すぐ、債権管理部へ課長と一緒に来て欲しいそうです」
え、真鍋ちゃん。
何言ってんの?
何で、債権管理部に呼びつけられてんの?
意味わかんないんだけど。
今日は、午後から債権管理部に行くんじゃなくて。
債権管理部から、私の後任社員が異動前の引継ぎであいさつに来る予定だったのに、なんで私が行く事になる訳よ。
なんか、超絶面倒な予感しかしないんだけど。
今日はせっかくの8月最後の週末で。
月末の多忙を終えて今日を乗り切れば、冬野さんのお店に行くも良し、泊めて欲しいとお願いするもよし。
そして来月の今頃には同棲できているんだから。
だから、神様。
地味で根暗で残念ですが、冬野さんと幸せな毎日をお守りください。
天にそう祈ったが、神様は欲張りがお嫌いな様で、全力で跳ね返されたとしか言いようのない、非常事態に巻き込まれてしまう気しかしない。
シンデレラは王子様に見初められて、ガラスの靴を受け取って、お城で幸せに暮らしました。
って物語では、シンデレラの結末はそう括られている。
なのに。
私に置き換えてみれば、だ。
確かに王子様の様な冬野さんには見初められたもののだ。
王子様の住むお城で、とんでもない困難と災難の連続が待っていそう……だ。
これじゃ、まるで、逆シンデレラだよ。
シンデレラは、王子様に見初められ、お城で、末永く幸せに、『お城の困りごとや厄介事に全力で取り組みました』ってか?
そんな、バカな……( ゚Д゚)
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