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第4章 裏切りと脅迫と忘却

閑話休題 椛島 一也の『超えてぱおん』 後編<469>

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朝、7時過ぎ、目覚めると麗はもう身支度を整えて俺のすぐ傍で、ベッドに腰を下ろしていた。




「おはよう。起きれる?」



「ああ、起きるよ」




俺はゆっくりと起き上がり、服を探した。



スーツはハンガーにかけられていて、Yシャツと下着とネクタイは綺麗に畳まれていた。




「シャワー浴びてきなよ」



「そうする」




俺は全裸でバスルームへ行き、シャワーを浴びて、身支度を整えた。



最後に、腕時計を着けた。






それから、麗とホテルを出て近くの喫茶店でモーニングを食べて、別れた。



麗は、俺が依頼した案件に着手し、1ヶ月前後で、進捗の報告で会うことになり、依頼は順調に進み、返済の協議が滞りなく進んでいる旨、報告を貰って、また夜は雅也の店で飲んで、俺が誘うと、麗は俺と寝てくれた。




麗を5年振りに再び抱いた日から、俺の不眠症は改善され、毎日よく眠れる様になった。






「依頼報酬は、手付金50万。もう貰ってるけど、成功報酬は、遅延損害金の割引交渉の成功も含めると、もう100万位請求する方向で良い?」




「勿論だよ。俺の母親の名義も絡んで事務所の看板にキズが付くのは避けたいし。何より、下手すれば、刑事責任問題だから、安いくらいだよ。本当にごめん」




ソウの一件は地元でも有名になっていて、サービサー(債権回収会社)は今回の一件に対してかなり強気に出ている。



それを、麗がなんとか、穏便に解決しようと交渉してくれたので、このまま話がまとまれば、後1ヶ月位で解決出来るところまで進めてくれた。





「ソウ、今まで一生懸命やってたんだね。高校を卒業して、親戚のところで稼いだお金とおじいさんの遺産を足して店を持ったにしても、よく頑張ってたんだ。こんなにお金あったのに、勿体ないね」



麗は、ソウの経歴と資産状況をまとめた資料に目をとおしながら、寂し気な目でそう言った。


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