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第4章 裏切りと脅迫と忘却

嵐の後の――― 嵐 ―――― 後編<436>

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「冬野さんと付き合う前に。好きっては、言われた」




目をソウの居ない方面に泳がせながら、なるべく淀みなく答えたつもりだ。





お願いだから、詮索しないで欲しい。




「で、お前どうした訳?」



聞かないでよ。



でも、答えないと、また山に埋めるとか言い出しそうだし。




「私は、もう冬野さんが好きだったから。 彼とは付き合えないって言ったよ」





「本当かよ」




嘘か本当か、で答えるなら。




「本当だよ……。その変わり、絶対冬野さんにちゃんと好きって言えって。約束……させられたもん」




キスはした事あるらしいとは、口が避けても言えない。



言わなくて良い。







「そんな事言いそうな、お人好しだったな」




ソウはしみじみとそう言って、腕を組んで更に言った。




「そんな良い奴の前で、ふらつくなよ。相手にも迷惑だ」




分かっているつもりだ。



でも、うまく行かなくて、ソウにもばれちゃう何て。



本当。





「それは、反省してる」



私の言葉に、ソウは何とか納得しているようでホッとした。

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