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第4章 裏切りと脅迫と忘却

嵐の後の――― 嵐 ―――― 前編<425>

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「そんな事より、大事な話って何ですか?」





私の質問に、私の課の課長が言った。





「あぁ、徳島課長。俺から言って良い?」



「良いですよ」




課長二人示し合わせて何の話だろう?




「営業二課の主任を石崎さんにやって貰う時期を早めたい。今育休中の二課の主任が育休からご主人の転勤を機に今月末で退職することになったから、今、稟議出してるから、9月1日付で調整になったから」



そもそも、営業二課は主任が育休で不在だったか、課長の兼務となっていて、主任の決済業務は全部課長がやってた。



ていうか、営業二課の主任、ちなでよかったのにな。



そしたら仕事楽だったのにな。





「千波君には引き続き、営業一課の副主任をお願いする。でね。営業二課の副主任の話なんだけど。社の肝いりの社員が来るんだ。その人にお願いする予定だよ。9月1日付で債権管理部のエースが来るよ。冬野君の最後の忠告だからね」



「え?」



「月末の石崎さんの残業減らしてってさ」




債権管理のエース。



時々、債権管理とは、督促は支払い拒否案件の相談や問い合わせで、色々やり取りあるけど、あそのこのエースって確か?




「え。市丸君ですか?」



「良く知ってるね。彼仕事出来るだろ?」



「まだ入社2年目ですよね? 千波君より1歳年下で、千波君だって4月から副主任ですよね?」



「いや、彼は社の肝いりだから」




あのうちの会社の専務と同じ名字って何か関係してます?



なんてぇえ、言えないわ。




「え、肝いりって、言うより、あの彼の名字が前から随分気になってたんですけど」



「何の事かな? でも、頭が良くて素直な良い子だよ。 本当、最初にあった頃は小学生だったんだ。 僕が主任の頃、彼のお父さんが課長でね」




で、今、専務取締役ですか?



もう市丸専務取締役のご子息と受け取って良いですよね。




月間表彰の時、彼が債権管理部門で表彰の舞台に上がる時、こぞって役員たちが彼を自分の息子の様な眼差しで見ているのとか、色々目の当たりにして来たんですけど。



仕事は出来るらしいけど、ボンボンだよね。





「え、それって、つまり。債権管理から来る彼に、営業&管理の仕事を一から指導するのってもしかして」



「石崎さん、よろしくね」




滅びろぉおおおおおおお!!!!!






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