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第4章 裏切りと脅迫と忘却
新職場環境クライシス<395>
しおりを挟む月曜日の夜22時。
お風呂上がりの私に、恐怖の一時が訪れた。
不意に、鳴り響く通知音。
発信者は『マキ』だった。
『 冬野さんは渡さないから 』
私は、マキさんの連絡先を知らないと思っていた。
でも、SMSが彼女から届くと言う事は、いつか連絡先を交換したんだろう?
それっていつだろう?
そのSMSを遡ると登録日が推定、今の会社の内定式の日だったで背筋が凍った。
二十歳の時に登録してたんだ。
そしてそのままだったんだ。
感心するのも束の間。
そのメッセージと一緒に、一枚の画像が送られて来た。
それは明るい部屋で撮られたもの様だった。
白いシーツに大振りなふわふわな枕に頭をもたげた冬野さんが。
恐らく、冬野さんのベッドじゃないベッドで。
上半身裸で胸の下に白い毛布をかけて、眠っている。
バストアップの画像だった。
冬野さんの部屋で、ベッドの上で、いつも見慣れている光景だったのだが。
それが、何でマキさんから送られて来るのか、私には分からなかった。
『 何とか、言いなさいよ 』
そう言えば、この前、冬野さんに突っ込まれたけど。
既読が相手に表示されるので、相手は反応を確認するし、出来るんだって。
興味なかったから、気にした事無かったけど。
『 冬野さんは、私のだから 』
何で、それを私に主張するんだろう?
『 存在がウザいのよ 』
それは悪かったな。
『 冬野さん、私に頂戴 』
私は、スマホの画面に文字を打った。
そして、返信した。
『 誰にも、あげません 』
その返信の後、マキさんはアカウントから私をブロックしてしまって、悶絶した。
しまったぁああああああああ。
課長の伝言、言えなかったぁあああああああああああああ!
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