地味で根暗で残念ですが、直視できないくらいイケメンで高スペックな憧れの先輩に溺愛されそうなので、全力で逃げています。

第3章 7days 3years fights

クロスオーバー ラプソディ 後編<294>

全く、夜中に突然電話一本で、湯布院なんて遠方の地に呼びつけるなんて、A5ランクのサーロインに、鯛のカルパッチョものよ。




位の嫌みを言われると、思っていた。




「ありがとうございます。7650円になります」




はああ？



ここは、本当に二日前に私が働いていた店か？




そう目を疑う光景だった。



店内のテーブルは外に出され、キャンプ用の長テーブルを両端に起き、物品片手にドリンクやフードを注文するお客さんが列を作っている。



何て繁盛してるんだろう。




その光景は、わたしをびっくり通り越して愕然とさせた。




「お姉ちゃん、良かった。 チョコバナナ作って、材料はあるから。オーナー、ジャークチキン残りいくつですか？」



「あと、３つだ。ラムがもう無い。モヒートオーダーストップ。残りは、ティーとティーソーダ、モヒート用のレモンでレモネード出すか？」




私は髪を縛って、予備のエプロンを着て、手を洗浄・消毒して、チョコバナナを作り始めた。




「もう16時だけど、いくつ作ったら良い？」



「さっきね、16時半にまた来るって大学生っぽいグループがオーダーして行ったの。8つ注文入ってる」



「分かった。他のお客さん来るかもだし、バナナ12本全部つくるよ」



「チョコはすぐ固まるから、冷蔵庫じゃなくてショーケースにおいて」



「分かった」




私は青のビニール手袋を着け、調理を始めた。



バナナの皮を剥いていると、隣に、エプロンを着けた冬野さんがやって来た。






冬野さんも手袋をつけていた。




「俺も手伝うよ」



私はバナナの皮むきを冬野さんに変わって貰い、バナナをコーティングするためのチョコレートの加工に移った。