地味で根暗で残念ですが、直視できないくらいイケメンで高スペックな憧れの先輩に溺愛されそうなので、全力で逃げています。

第3章 7days 3years fights

la vie en rose（ラヴィアンスノウ）から始まる湯布院旅＜２０８＞

2日目の営業開始前。



朝10時に店舗に到着して、11時の開店準備にいそしんでいると、ソウが声をかけて来た。




「あぁ、なぁ、えっと、そう言えば、お前名前なんだっけ」




そう尋ねられて、私は自分を何て呼ばれて良いか考えた。



そして。




「石崎」




「そっか、悪い、石崎さん。氷がないんだ。この先の道の突き当りのスーパーまでお使い頼めるか？」



「良いですよ」




私はソウから一万円受け取り、氷を4袋買って来る様頼まれた。





「後、何か他には？」





私の言葉にソウは顔をしかめた。





「頼んで持って帰って来れるのか？」



「楽勝ですよ」



「じゃぁ、バナナを2房。10本位。クーベルチョコレートも」



「ちょこバナナですか？」



「あぁ、甘いメニューも良いと思って」



「了解です。串はあるんですか？」



「おっと、悪い。忘れてた」




ふふん、ドジめ。と私はそう思った。



ソウに『これは一本貸しだよ』と言うと、バーカと笑われてしまった。