地味で根暗で残念ですが、直視できないくらいイケメンで高スペックな憧れの先輩に溺愛されそうなので、全力で逃げています。

第2章 人の人生を変えるなら、人に人生変えられるかくご位してやがれ

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冬野さんちで迎える、土曜の週末。



お店の閉店時間の1時間後の今は日曜の深夜2時である。




「セイ、この時間までどうやって時間を潰してたの？」



「20時にお邪魔して、シャワーお借りました。後は妹のホームページのリニュアルをしてましたね。今日はノーパソ持って来てたんで」




夕方家を出て、私はシッピングモールに立ち寄ってから冬野さんの家に向かった。



歯ブラシに、シャンプーとか、ボディソープとか、ナイトウェアを買った。




「それ、家から持って来たの」

「いいえ、家のパジャマは恥ずかしいから、買ってきました」

「なら、うちに置いてなよ。持って帰らず」

「冬野さんが良ければ」

「後で収納場所作るから。私服、2.3枚置いてたら？　部屋余ってるから、置くところはあるし。セイ、そう言えば、サイト作れるんだよね？　てんちゃんの雑貨のホームページ作ったってさ」



「はい、冬野さんのお店のサイト程じゃないですけど」



「俺のはちゃんと外注だよ。専門家に有償で作って貰ったさ」




私はノートパソコンを閉じて、バッグに片づけた。




「もう良いの？」

「はい。冬野さん、冷蔵庫のハンバーグごちそうさまでした」

「喜んで貰えて良かったよ」

「特にニンジンのエシャロットが絶妙でした」

「そこをほめる？」




何かおかしかっただろうか？



良く手の込んだデミグラスソース、絶妙のスパイスで味付けられ、仕上がり完璧の肉汁滴るハンバーグ。




「和牛使いましたね？」

「なんで、分かるの？」

「安いお肉は臭みを消すのが大変ですけど、良いお肉は隠しても隠し切れない美味しさがって、和牛のバラスライスを使ってますよね？」

「ご名答」

「前に妹が作ってくれたんです。また食べられるとは思ってませんでした」



「それは良かった。君達姉妹の美食への探求心には感心するよ。俺、シャワー浴びて来るね」




冬野さんはそう言って、シャワーを浴びに行き、私は再びリビングで、本を読んで時間を潰した。