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第2章 人の人生を変えるなら、人に人生変えられるかくご位してやがれ

マキさんと私<93>

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マキさんが辞めさせた同期の子、最後は私に「マキさんが苦しむ最大限の手段に見える」って言ってたっけ。



残念ながら、心を病んで辞めるまでになった同期社員のポジションにそのまま私に渡される事はなく。



診断書付きで病気を理由に退職し、マキさんとのパワハラを訴えるにも、大卒と短大卒とは言え、同期でパワハラは成立せず、マキさんは厳重注意で終わった。



いや、マキさんとのパワーバランスってマジヘビーなんだけど、見事に人事部には伝わらなかった。





何がきっかけでマキさんに嫌がらせを受ける様になったのか聞いたら、彼氏ができて飲み会を断る様になってから、仕事のミスを粗さがしされ指摘され、それを何度も何度も注意されて、何かにつけて、上げ足を取られたり、人の言う事を聞かずに独断で仕事をやると上司に嫌みを言われているうちに、心を病んだと言う話だったが、新人研修の1か月間一緒に仕事をしている間中、私はもっと徹底的にマキさんにやることなす事文句を言われ、貶されて、あざ笑われ、陰口を叩かれていた。



同期の子は、最後は送別会の飲み会の席で、マキさんが最後の挨拶に席に近づいただけで、無意識に体が動いて目の前のコップの水を振り上げていた。

私はとっさにマキさんをかばってその水を頭から被って笑った。






「後で何されるか分からないから、もう、関わらなくて良いんだよ。仕返しされたらどうしようって? そっちが怖いでしょ? もう終わり」





触らぬ神にたたりなしだと思って、私は同期の子を、後で何か仕返しされるかもしれないという面倒から、逃れられる様にそうしたつもりだったんだが、同期の子は憤慨していた。悔しいじゃないか?と。

悔しいより、面倒くさい事の方が嫌だから分からないと答えて、私の事、本当何も理解できないと呆れられていた。






慌てて上司が飛んで来たところに、私は酒で酔ってふらついて水をかぶったんだと弁明した。

マキさんは、無言でその場を離れて行き、営業一課に転属になり、間もなく私は営業二課に赴任したのだった。

















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