地味で根暗で残念ですが、直視できないくらいイケメンで高スペックな憧れの先輩に溺愛されそうなので、全力で逃げています。

好きだけど、好かれたいとは思ってない。 何されたって、私は、抱かれたりしないよ?……多分


筋金入りの地味で根暗で残念な女子。石崎 誠は、地味で根暗で残念なオタク系女子。

そんな彼女が想いを寄せる人。
冬野 由貴は、すれ違うと立ち止まる位秀麗な容姿で、仕事も出来て、友達も多くて、絵に描いた様な好青年系男子。

二人は、同じ会社の営業部で、まるでモブと王子様のようでした。

モブは、ずっと王子様の事が好きでしたが、極度の面倒臭がりで、王子様を好きな事をずっと隠して生きて来ました。

王子様は、生まれて初めて好きになった女性がモブでしたが、自分から女性に告白した事のない彼は、モブに好きと言う以外何も出来ずにいました。

そんな二人は、同じ会社に3年勤めていたのですが、ある日、王子様は会社を辞めてしまいモブと王子様は会社と言う唯一の接点を失ってしまいました。

もう、二度と会うことがないなら、いっそのこと『無かった事にしてしまえば良い』。

モブは、潔く王子様の事をあきらめて、一生地味で根暗で残念な一生を送りました。


モブは、みんなの前でそう語りました。


「これは、これでめでたしめでたしだよ」


満面の笑みで、一縷の迷いもなく、それはそれは、晴れやかな表情でした。



「ばっかじゃないの。姉ちゃん」



モブは、妹に叱られました。
妹は、王子様がモブの事が好きだとわかっていたからです。
そして、我が姉だけに、彼女の考える事が手に取る様に分かるのです。
モブが王子様と面倒臭さを天秤にかけて、面号臭さが勝ったんだと思い、ドン引きでした。

「えっ、石崎さん。正気ですか?なんで告白しないんですか?」

モブは、新人教育をした後輩女性社員に突っ込まれました。
後輩は、王子様がモブに会いたくて、毎日彼女のデスクに通っていうと思っていたからです。
この人、変り者だと思っていたけど、誰かハリセン持ってきて!!と、息をのみました

「ふ~ん。じゃぁ、次は僕との事をちゃんとしてくれますか?  酔っ払って僕に何したと思ってるんですか。あいつ、あきらめるんなら、責任取って僕と付き合って貰いますからね」

モブは、唯一仲の良い、男性後輩社員と人には言えない秘密の過去がありました。
彼はモブが王子様を好きな事を唯一知る人間でした。
一目惚れで好きになったモブに初対面で、王子様が好きな事を告白され、モブが王子様を好きな事を知りました。
告白とは、好きな相手にするもので、自分を好きな別な相手にするものではない。
彼は、その時そう思っても、口には出せませんでした。
この物語は、変わり者のモブが、王子様から全力で逃げる。強制シンデレラストーリー全力回避系ラブストーリーです。
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