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1・聖女幽閉
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「聖女ロシェ!貴様を北の塔に幽閉する!」
毎日の勤めから城に帰ってきた私を迎えたのは、この国の第二王子・ヴィペール王子の怒声だった。
「え…?なぜでしょうか…?」
心当たりが何も無い。
「貴様がこの国に不要な聖女であるにもかかわらず何年も城に住み着き、あまつさえ、我が国の血税で衣食住を得ていたからだ!
その上この俺の婚約者だと!ふざけるな!貴様との婚約も破棄だ!」
そんな…。
私はこの国の聖女としてきちんと務めを果たしていたはず。
今日だっていつも通り、城とその周りの城下町をグルリと囲む防壁に、地母神様の力を注いできた。
私本人はもちろん、王子に連れられ、彼の後ろに控えている兵士達も困惑していた。
どうしよう…どうしよう…あ、そうだ。
今は隣国に出向いている国王陛下は、この話を知っているのだろうか。
「あの、ヴィペール王子、国王陛下は―」
「うるさい!黙れ!」
―バシッ!
私が最後まで言い終わる前に、王子の平手が私の頬を強くぶった。
痛い。
王子の後ろの兵士達が仰天している。
私もビックリ。
人前で殴られたのは初めて。
「さあ、早く塔に行け!さもないと―」
王子の手が再び振りかぶられ―
―バシンッ
王子の二発目の平手が鳴る音がした。
でも今度は
「…レザール」
私の従者が、私を抱きしめてかばってくれていた。
普段は常に私の傍にいるけど、今日は城に残って、雑務処理をお願いしていた。
きっと私の出迎えに来てくれていたのだろう。
「…ヴィペール王子、いくら王子と言えど、聖女様に手を上げるなど―」
「汚らわしい獣人が俺に向かって口をきくな!」
王子が声を張り上げながらレザールを再び殴る。
今度は平手ではなく拳で。
まずい。
この国の人は比較的獣人を受け入れているけど、王子は違う。
しかもレザールは獣人の中でも不吉とされているトカゲの獣人。
一応聖女である私ですら人前でぶつほど興奮状態の王子が、レザールに加減をするはずが無い。
「…お、王子!私、塔に行きます!」
私は声を張り上げた。
私の大声を聞いて王子の拳がピタリと止まる。
「ふん!さっさとそう言えば良いものを。おい!この2人を塔に連れていけ」
王子は連れてきていた兵士に命じた。
北の塔。
昔々に、城の敷地のはずれに建てられた、罪を犯した貴人を幽閉するための塔。
貴人用に建てられたとはいえ、もう何百年も前に建てられた建物なので、石造りの塔にはツタが茂り、苔がこびりついている。
―キィー…
暗い音を立てながら、塔の扉が開かれる。
塔の中は、光取りの窓がいくつかあるだけで暗い。
「さあ、とっとと牢部屋に行け!」
王子に命じられ、松明を持った兵士に挟まれながら、私は塔の中へ進む。
松明の炎に照らされ、やっと塔の内側をまともに見れた。
1階部分は牢人の食事等の用意をする場所らしく、古く簡素な台所があった。
あと隅にはトイレとお風呂らしき小部屋もある。
牢人の世話係が使うための物だろう。
そして塔の中をグルリと巡る螺旋階段。
暗いせいで上の方はよく見えない。
でも登らないと王子がまた怒る。
数人の兵士に何か説明されているレザールを1階に残して、私は王子や兵士達と階段を登り始めた。
石の階段を登っていくと、途中で広い踊り場に出た。
その踊り場の隅にも小部屋が設えられている。
この小部屋の中が気になったが歩みを止めることは許されない。
私達一行はさらに階段を登る。
やっと石の塔の最上階に着いた。
螺旋階段をグルグル登ってきたので、正確な高さはよく分からないけど6階前後の高さまで来たと思う。
最上階は、窓の無い細い廊下が伸びていて、その途中に鉄製の重そうな扉があった。
あの扉の向こうが牢部屋なのだろう。
「さあとっととそいつを放り込め!」
王子が兵士達に命じる。
兵士たちは困惑した表情で顔を見合わせているが
「早くしろ!」
王子の再びの命令に鉄の扉を開けた。
―ギィーッ
錆が浮いた扉がきしんだ音を出す。
1人の兵が先に進み、何かカチャカチャ物音がしたと思ったら室内が少し明るくなった。
―キィー…
あ、室内に窓があるんだ。
兵士が開けてくれた窓から夕陽が差し込み、暗かった室内を照らす。
すすけたシーツが掛けられたベット。
ぼろぼろの机と椅子。
小さな棚。
他には何もない。
本や手芸道具は持ち込めないだろうか…。
「この塔の扉はどれも頑丈だ。
まあ、どうしても外に出たかったら、そこの窓からでも出るんだな」
呑気なことを考えていた私に、王子が馬鹿にした口調で言う。
そこの窓からって…この部屋が地上からどれくらい離れていると思っているのだろう。
もちろんこの塔の外にはしごや階段は無い。
なのに窓から出ろってことは…。
兵士の人たちも眉をひそめている。
「ああ、あと、あの汚らわしいトカゲの獣人はお前の世話係としてこの塔に置いていく。
主従揃って二度と城に足を踏み入れるなよ」
最後にそう言って、王子は兵士の人たちを連れて部屋から出て行った。
―ガチャン!
重々しい音を立てて扉は閉まった。
「…」
1人牢部屋に残された私は無言で立ちつくしていた。
今日の王子はなんだか変だった。
前からお優しい人ではなかったし殴られたこともあったけど、人目は気にする人だった。
なのに私を何人もの兵士の前で殴るなんて。
それに、性格の良し悪しはともかく、まあまあ頭は回る人でもあったはず。
私をこんな所に幽閉するなんてどうかしてる。
こんな床も壁も階段も全て石で作られた塔に私を閉じ込めるなんて。
この石の聖女・ロシェを石塔に幽閉するなんて。
毎日の勤めから城に帰ってきた私を迎えたのは、この国の第二王子・ヴィペール王子の怒声だった。
「え…?なぜでしょうか…?」
心当たりが何も無い。
「貴様がこの国に不要な聖女であるにもかかわらず何年も城に住み着き、あまつさえ、我が国の血税で衣食住を得ていたからだ!
その上この俺の婚約者だと!ふざけるな!貴様との婚約も破棄だ!」
そんな…。
私はこの国の聖女としてきちんと務めを果たしていたはず。
今日だっていつも通り、城とその周りの城下町をグルリと囲む防壁に、地母神様の力を注いできた。
私本人はもちろん、王子に連れられ、彼の後ろに控えている兵士達も困惑していた。
どうしよう…どうしよう…あ、そうだ。
今は隣国に出向いている国王陛下は、この話を知っているのだろうか。
「あの、ヴィペール王子、国王陛下は―」
「うるさい!黙れ!」
―バシッ!
私が最後まで言い終わる前に、王子の平手が私の頬を強くぶった。
痛い。
王子の後ろの兵士達が仰天している。
私もビックリ。
人前で殴られたのは初めて。
「さあ、早く塔に行け!さもないと―」
王子の手が再び振りかぶられ―
―バシンッ
王子の二発目の平手が鳴る音がした。
でも今度は
「…レザール」
私の従者が、私を抱きしめてかばってくれていた。
普段は常に私の傍にいるけど、今日は城に残って、雑務処理をお願いしていた。
きっと私の出迎えに来てくれていたのだろう。
「…ヴィペール王子、いくら王子と言えど、聖女様に手を上げるなど―」
「汚らわしい獣人が俺に向かって口をきくな!」
王子が声を張り上げながらレザールを再び殴る。
今度は平手ではなく拳で。
まずい。
この国の人は比較的獣人を受け入れているけど、王子は違う。
しかもレザールは獣人の中でも不吉とされているトカゲの獣人。
一応聖女である私ですら人前でぶつほど興奮状態の王子が、レザールに加減をするはずが無い。
「…お、王子!私、塔に行きます!」
私は声を張り上げた。
私の大声を聞いて王子の拳がピタリと止まる。
「ふん!さっさとそう言えば良いものを。おい!この2人を塔に連れていけ」
王子は連れてきていた兵士に命じた。
北の塔。
昔々に、城の敷地のはずれに建てられた、罪を犯した貴人を幽閉するための塔。
貴人用に建てられたとはいえ、もう何百年も前に建てられた建物なので、石造りの塔にはツタが茂り、苔がこびりついている。
―キィー…
暗い音を立てながら、塔の扉が開かれる。
塔の中は、光取りの窓がいくつかあるだけで暗い。
「さあ、とっとと牢部屋に行け!」
王子に命じられ、松明を持った兵士に挟まれながら、私は塔の中へ進む。
松明の炎に照らされ、やっと塔の内側をまともに見れた。
1階部分は牢人の食事等の用意をする場所らしく、古く簡素な台所があった。
あと隅にはトイレとお風呂らしき小部屋もある。
牢人の世話係が使うための物だろう。
そして塔の中をグルリと巡る螺旋階段。
暗いせいで上の方はよく見えない。
でも登らないと王子がまた怒る。
数人の兵士に何か説明されているレザールを1階に残して、私は王子や兵士達と階段を登り始めた。
石の階段を登っていくと、途中で広い踊り場に出た。
その踊り場の隅にも小部屋が設えられている。
この小部屋の中が気になったが歩みを止めることは許されない。
私達一行はさらに階段を登る。
やっと石の塔の最上階に着いた。
螺旋階段をグルグル登ってきたので、正確な高さはよく分からないけど6階前後の高さまで来たと思う。
最上階は、窓の無い細い廊下が伸びていて、その途中に鉄製の重そうな扉があった。
あの扉の向こうが牢部屋なのだろう。
「さあとっととそいつを放り込め!」
王子が兵士達に命じる。
兵士たちは困惑した表情で顔を見合わせているが
「早くしろ!」
王子の再びの命令に鉄の扉を開けた。
―ギィーッ
錆が浮いた扉がきしんだ音を出す。
1人の兵が先に進み、何かカチャカチャ物音がしたと思ったら室内が少し明るくなった。
―キィー…
あ、室内に窓があるんだ。
兵士が開けてくれた窓から夕陽が差し込み、暗かった室内を照らす。
すすけたシーツが掛けられたベット。
ぼろぼろの机と椅子。
小さな棚。
他には何もない。
本や手芸道具は持ち込めないだろうか…。
「この塔の扉はどれも頑丈だ。
まあ、どうしても外に出たかったら、そこの窓からでも出るんだな」
呑気なことを考えていた私に、王子が馬鹿にした口調で言う。
そこの窓からって…この部屋が地上からどれくらい離れていると思っているのだろう。
もちろんこの塔の外にはしごや階段は無い。
なのに窓から出ろってことは…。
兵士の人たちも眉をひそめている。
「ああ、あと、あの汚らわしいトカゲの獣人はお前の世話係としてこの塔に置いていく。
主従揃って二度と城に足を踏み入れるなよ」
最後にそう言って、王子は兵士の人たちを連れて部屋から出て行った。
―ガチャン!
重々しい音を立てて扉は閉まった。
「…」
1人牢部屋に残された私は無言で立ちつくしていた。
今日の王子はなんだか変だった。
前からお優しい人ではなかったし殴られたこともあったけど、人目は気にする人だった。
なのに私を何人もの兵士の前で殴るなんて。
それに、性格の良し悪しはともかく、まあまあ頭は回る人でもあったはず。
私をこんな所に幽閉するなんてどうかしてる。
こんな床も壁も階段も全て石で作られた塔に私を閉じ込めるなんて。
この石の聖女・ロシェを石塔に幽閉するなんて。
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