16 / 19
第二章【高見沢家】
第一四話
しおりを挟む
お風呂に割り当てらりたのは三階の部屋だった。
狭い通路を通り、エレベーターのボタンを押すとすぐに来た。
今度はカートもないのでギュウギュウではない。二人の間隔が開いていた。
三階に着いた私は唖然とした。ブラックライトに彩られたフロアだったからだ。
「なんかすごいね」
「俺は見慣れちまったよ」
「かなめって女の子と……その、こうったラブホテルによく来るの?」
「ちげーよ。さっきの幽霊退治でよく着ているだけで、客として利用するのは、今日が初めてだ」
私は一抹の不安が去って、ぐちゃぐちゃになりそうな気持がホッとした。なに不安になっているのよ。私たちなんて、何も関係ないんだしさ。こんな気持ちになるなんて変だよ。
今日は色々ありすぎちゃってわかんないや。
「ここだ。入れよ」
部屋に入ってさらに驚いた。
ここは何の部屋?って、感じるほど廊下と同じくブラックライトに彩られ、DJブースやらキラッキラのミラーボールがある。
何やらステージらしい円筒形の高台に、ポールが天井まで伸びた部屋だ。かなめはすぐに部屋の明かりを普通の蛍光色に変えてくれた。
「ここも面白い部屋だろ。音楽やポールダンスをする人たちに人気らしいぞ」
「この天井まで伸びているポールってポールダンス用なんだ。へぇ、知らない世界を見ている感じだ」
「料理ができる前にお風呂に入ってこようぜ。お先どうぞ」
「うん、ありがとう」
「ごめん、言い忘れてたけど今日だけはシャワーにしてくれ、湯船は清掃していないから使えないんだ」
「どうして?」
「清掃前の部屋ってことだから、前の客がどんな使い方をしたのかわかんないから……わかるだろ、湯船で、そういうことしていることもあるんだし」
「あぁ、そう言うことか。うん、わかった。シャワーだけにするね」
「ごめんな、こんな部屋で」
「かなめが謝ることなんてないよ。迷惑かけているのは私なんだから、でも覗くなよ!」
「いいから覗かないし、早く入って来いよ!」
私はランドリーバッグとグリムを一緒に連れて脱衣場に入った。
中は誰かが使っていたとはいえきれいな状態が保たれていた。
着替えを入れるであろう籠と、木製ロッカーが設置されている。
スーツの人もいるからなのかなぁと思って、ロッカーを開けると唖然とした。
中には袋に入ったコスプレ衣装がずらりと並んでいる。一体何着あるのかと思うほどの量だ。制服にナース服、幼稚園児用のピンクのスモックまである。見なきゃよかったと思う一方で、開けて正解だった。未使用のバスタオルを発見できたからだ。
二つあるからかなめと別けて使えるね。
安心してききたから服を脱ぎ、生まれたままの姿になった。
そうだ、かなめが覗きに来ないようにグリムに見張りを頼んでおくわ。
「見張りは頼んだぞグリム」
私は部屋の入口に向けてグリムを置いた。うん、これでよし。
シャワーだとはいえ、暖かいお湯を浴びれる喜びはひとしおだ。
バスルームに入るとさらにびっくり。広ろーーい!
家の三倍以上あるバスルームに驚きを隠せない。
浴槽は丸いジャグジーで、お湯が残っていた。
清掃って大変そうだなと思いながら、シャワーを浴びる。
シャンプーやコンディショナーが四種類もあって迷いつつも一種類を選びんだ。ツバキッスという最近はやりのシャンプーとコンディショナーのセットでを使うことにした。
ボディーソープもツバキッス。全部揃えたら高そう。
「ふぅ、さっぱりした」
私はバスルームから出ると髪を丹念に拭く。
ツバキッスは髪の毛が舐めからで香りもいい。
そして見張りをしていたグリムに検討のエールを送った
「グリム、よくぞ覗きを撃退してくれた」
と敬礼をする。
洗面所には最新型のマイナスイオンドライヤーが設置されていた。
これって三万円するやつじゃないの。さすが都会のホテルは違うわ。家じゃ五千円のドライヤーなのに。
三万円の高級ドライヤーで髪を乾かしながら、悪戯を思い浮かべてしまったのだ。
さっきの聴診器が籠の中に入っていたし、これを使ってなかめを驚かせないかなーと思っていた。
なぜ思いついたのかも私にもわからない。かなめを驚かせてやりたい一心だった。なんでたろう? まぁいいか。
私はクローゼットを開けて、ある一着を取り出し袖を通した。
狭い通路を通り、エレベーターのボタンを押すとすぐに来た。
今度はカートもないのでギュウギュウではない。二人の間隔が開いていた。
三階に着いた私は唖然とした。ブラックライトに彩られたフロアだったからだ。
「なんかすごいね」
「俺は見慣れちまったよ」
「かなめって女の子と……その、こうったラブホテルによく来るの?」
「ちげーよ。さっきの幽霊退治でよく着ているだけで、客として利用するのは、今日が初めてだ」
私は一抹の不安が去って、ぐちゃぐちゃになりそうな気持がホッとした。なに不安になっているのよ。私たちなんて、何も関係ないんだしさ。こんな気持ちになるなんて変だよ。
今日は色々ありすぎちゃってわかんないや。
「ここだ。入れよ」
部屋に入ってさらに驚いた。
ここは何の部屋?って、感じるほど廊下と同じくブラックライトに彩られ、DJブースやらキラッキラのミラーボールがある。
何やらステージらしい円筒形の高台に、ポールが天井まで伸びた部屋だ。かなめはすぐに部屋の明かりを普通の蛍光色に変えてくれた。
「ここも面白い部屋だろ。音楽やポールダンスをする人たちに人気らしいぞ」
「この天井まで伸びているポールってポールダンス用なんだ。へぇ、知らない世界を見ている感じだ」
「料理ができる前にお風呂に入ってこようぜ。お先どうぞ」
「うん、ありがとう」
「ごめん、言い忘れてたけど今日だけはシャワーにしてくれ、湯船は清掃していないから使えないんだ」
「どうして?」
「清掃前の部屋ってことだから、前の客がどんな使い方をしたのかわかんないから……わかるだろ、湯船で、そういうことしていることもあるんだし」
「あぁ、そう言うことか。うん、わかった。シャワーだけにするね」
「ごめんな、こんな部屋で」
「かなめが謝ることなんてないよ。迷惑かけているのは私なんだから、でも覗くなよ!」
「いいから覗かないし、早く入って来いよ!」
私はランドリーバッグとグリムを一緒に連れて脱衣場に入った。
中は誰かが使っていたとはいえきれいな状態が保たれていた。
着替えを入れるであろう籠と、木製ロッカーが設置されている。
スーツの人もいるからなのかなぁと思って、ロッカーを開けると唖然とした。
中には袋に入ったコスプレ衣装がずらりと並んでいる。一体何着あるのかと思うほどの量だ。制服にナース服、幼稚園児用のピンクのスモックまである。見なきゃよかったと思う一方で、開けて正解だった。未使用のバスタオルを発見できたからだ。
二つあるからかなめと別けて使えるね。
安心してききたから服を脱ぎ、生まれたままの姿になった。
そうだ、かなめが覗きに来ないようにグリムに見張りを頼んでおくわ。
「見張りは頼んだぞグリム」
私は部屋の入口に向けてグリムを置いた。うん、これでよし。
シャワーだとはいえ、暖かいお湯を浴びれる喜びはひとしおだ。
バスルームに入るとさらにびっくり。広ろーーい!
家の三倍以上あるバスルームに驚きを隠せない。
浴槽は丸いジャグジーで、お湯が残っていた。
清掃って大変そうだなと思いながら、シャワーを浴びる。
シャンプーやコンディショナーが四種類もあって迷いつつも一種類を選びんだ。ツバキッスという最近はやりのシャンプーとコンディショナーのセットでを使うことにした。
ボディーソープもツバキッス。全部揃えたら高そう。
「ふぅ、さっぱりした」
私はバスルームから出ると髪を丹念に拭く。
ツバキッスは髪の毛が舐めからで香りもいい。
そして見張りをしていたグリムに検討のエールを送った
「グリム、よくぞ覗きを撃退してくれた」
と敬礼をする。
洗面所には最新型のマイナスイオンドライヤーが設置されていた。
これって三万円するやつじゃないの。さすが都会のホテルは違うわ。家じゃ五千円のドライヤーなのに。
三万円の高級ドライヤーで髪を乾かしながら、悪戯を思い浮かべてしまったのだ。
さっきの聴診器が籠の中に入っていたし、これを使ってなかめを驚かせないかなーと思っていた。
なぜ思いついたのかも私にもわからない。かなめを驚かせてやりたい一心だった。なんでたろう? まぁいいか。
私はクローゼットを開けて、ある一着を取り出し袖を通した。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ご援助契約成立。ルームシェアの相手は、まさかのお嬢様女子高生
さかき原枝都は
恋愛
マジかぁ! こんな『援助交際』本当にあっていいのか?
大学を卒業し、勤務5年目を迎えるちょうど油が乗りつつある、社内ではまだ若手と言われている某大手商社に勤務する社員。実際は30歳を目前、中年と言う年代に差し掛かろうとしている久我雄太は少し焦っていた。
このまま俺は独身でいいんだろうか……と。
今、俺は同じ会社に勤務する同期の女性、蓬田香と付き合っている。
彼女との付き合いはかれこれ3年になる。
俺自身自分は、彼女と結婚できるものだと信じていた。
だが、破局は突然訪れた。
失意の中、俺の頭の中に浮かんだ『援助交際』と言うキーワード。
香と別れ、人肌恋しくなりその欲意が頂点に達した俺は、無意識にスマホで『援助交際』と打ち、とあるサイトにアクセスした。そして待ち合わせの場所で出会った制服を纏った女子高生と、肌を触れ合う事を目的に、俺の欲情をその子で解消するために誘ってしまった。
だが、意外な展開がこの俺を待ち受けていた。これは『援助交際』と言う罪に触れた報いなのだろうか?
なんと訳あり女子高生とルームシェアすることになったのだ。
あああ、俺の欲情は最大限募るばかりだ。
あんなかわいい子が一緒に住んでいるなんて、世間様には知られちゃいけない関係。
俺と彼女はついに、ご援助契約を結んでしまったのだ。
前途多難……だけど、幸せかもしれない。罪深きこの俺を神様は許してくれるんだろうか……多分、世間様は許さねぇと思うけど!
なぁ、援助契約は君のどこまでOKなわけ?
少しばかり察してくれると、ほんと助かるんだけど!!
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが集団お漏らしする話
赤髪命
大衆娯楽
※この作品は「校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話」のifバージョンとして、もっと渋滞がひどくトイレ休憩云々の前に高速道路上でバスが立ち往生していた場合を描く公式2次創作です。
前作との文体、文章量の違いはありますがその分キャラクターを濃く描いていくのでお楽しみ下さい。(評判が良ければ彼女たちの日常編もいずれ連載するかもです)
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
秘密 〜官能短編集〜
槙璃人
恋愛
不定期に更新していく官能小説です。
まだまだ下手なので優しい目で見てくれればうれしいです。
小さなことでもいいので感想くれたら喜びます。
こここうしたらいいんじゃない?などもお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる